【救急認定看護師が教える】現場で本当に役立つ臨床推論|「なんか変」を言語化する力
はじめに
「この患者さん、なんだか嫌な予感がする。」
看護師であれば、そんな感覚を覚えたことが一度や二度ではないのではないでしょうか。
でもその感覚は、決して「ただの勘」ではありません。
臨床経験の中で積み重なった情報が、無意識に働いている。
それが臨床推論の入り口です。
救急の現場では、患者さんの状態が刻一刻と変化します。
その中で、何が起きているのかを考え、次に取るべき行動を判断する力が求められます。
つまり、臨床推論は現場で本当に役立つ思考力です。
この記事では、救急現場で役立つ臨床推論のポイントについてまとめてみました。
※ 記事の最後に、まとめ資料(ダウンロード用)をプレゼントしています。
臨床推論とは何か
救急や急変対応では、臨床推論は欠かせない力です。
現場でこんな経験はありませんか?
「この患者さん…なんだか嫌な予感がする」
実はこの“嫌な予感”は、ただの勘ではありません。
臨床経験の中で積み上がった情報が、無意識に働いている状態です。
臨床推論とは、その直感を論理的に裏付けていく思考プロセスのことです。
この力が身につくと
報告に迷わない
判断に迷わない
動き出しが早くなる
次に何をすべきか分かる
つまり、救命につながる判断力になります。
臨床推論には2つの思考パターンがある
臨床推論には、大きく分けて2つの思考方法があります。
仮説演繹法
主訴からいくつかの疾患を想定し、問診や検査で一つずつ可能性を検証していく方法です。
例えば
胸痛 →
心筋梗塞?
肺塞栓?
大動脈解離?
というように、仮説を立てて絞り込んでいきます。
パターン認識法
患者さんを見た瞬間に「これは心筋梗塞かもしれない」と気づくような、直感的な判断です。
これは経験を重ねるほど強くなります。
ただし重要なのは、直感だけに頼らないこと。「怪しい」と思ったら、必ず問診や検査で検証します。
つまり、直感は「答え」ではなく「仮説」なのです。
救急では「攻める問診」が重要
救急では、ただ質問するだけの問診では不十分です。
私はよく「攻める問診」と表現しています。
例えば、不安そうな患者さんに「大丈夫ですか?」「どうしましたか?」
と声をかけながら近づきます。
そのとき同時に、橈骨動脈に触れながら
脈の速さ
脈の強さ
リズム
末梢冷汗
皮膚の湿り
などを観察しています。
つまり、
問診=フィジカルアセスメント
なのです。
症状整理のフレームワーク
症状を整理するときに便利なフレームワークがあります。
※ 記事の最後にまとめた資料(ダウンロード用)を用意しています。
LQQTSFAMPE法
L:Location(部位)
Q:Quality(性状)
Q:Quantity(程度)
T:Timing(発症と経過)
S:Setting(発症状況)
F:Factors(増悪・寛解因子)
A:Associated(随伴症状)
M:Medications(内服薬)
P:Past history(既往歴)
E:Events(関連イベント)
すべてを完璧に聞く必要はありません。
大切なのは、軸を持って問診することです。
鑑別を一気に絞る「危険なキーワード」
問診の中には、一気に鑑別を絞るキーワードがあります。
例えば
「今まで経験したことがないような突然の激しい頭痛」
→ クモ膜下出血
「ガタガタ震えるほどの悪寒戦慄」
→ 敗血症
このような言葉は、重要なサインになります。
救急では
「なんだか嫌な予感がする」
「何か変」
「なんとなく怖い」
この感覚を言語化することが大切です。
これも、臨床推論です。
バイタルサインを侮らない
ショックインデックスやqSOFAなどがあるように、バイタルサインは生命維持のサインです。
ただ数値を見るのではなく
プレショックかもしれない
敗血症かもしれない
と考えることが大切です。
「血圧はまだ保っているから大丈夫」ではなく、「崩れる一歩手前かもしれない」と考えられるかどうかで、初期対応は大きく変わります。
これも臨床推論です。
臨床推論は「病名当て」ではない
臨床推論は、「病名当て」ではありません。
大切なのは行動しながら考えること(thinking-in-action)です。
刻一刻と変化する患者さんの状態に合わせて、その瞬間に最善の看護を提供するためのツールです。
患者さんの「言葉にできない体のサイン」「言葉にならない心の声」それを受け取ることが、臨床推論につながっていきます。
最後に (まとめ資料プレゼント)
今回の内容が、現場で一つでも役立てば嬉しいです。
これからも救急や急変対応について一緒に学んでいけたら嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
現場でのエピソードや感じたことをコメントで教えていただけると嬉しいです。
LQQTSFAMPE法のまとめ資料です。
ダウンロードしてご活用ください。
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