ショートショート『未練配達員』

ショートショート『未練配達員』
墓石は、思ったより小さかった。
風が抜ける。
隣でラビが煙草に火をつける。
「2号、行くんか」
「ああ……横浜だ。あいつの生まれたとこに、近い」
ラビは煙を吐いて、少し黙った。
「……逃げか?」
「……かもな」
否定はしなかった。
しばらくして、ラビが笑う。
「まあええわ。逃げでも、止まるよりマシや」
2号は何も返さない。
ただ、墓石を一度だけ軽く叩いた。
合図みたいに。
「……じゃあな」
それが誰に向けた言葉か、自分でも分からなかった。
あとがき
毎週ショートショートnoteのお題「未練配達員」に参加させていただきました。
未練配達員……配達員と言われたら書かないわけにはいきません(笑)
今回は、普段連載している『配達員ろること2号』や『配達員はクジラの夢を見るか?──伝説の捕鯨師りあを捕まえろ』にも登場する2号のお話です。
短い話ですが、2号がなぜ東京へ来たのか、そしてラビとの関係をほんの少しだけ覗ける内容になっています。
連載を読んでいる方はもちろん、初めて読む方にも何か引っかかるものがあれば嬉しいです。
もしかすると、今連載中の『捕鯨師を捕まえろ』が少しだけ違って見えるかもしれません。
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最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
少しでも2号の不器用な旅立ちが胸に届いたなら、下の「スキ(♡)」をぽちっと押してもらえると、次の配達へ向かう大きなエネルギーになります。
もし「この先、東京で2号がどうなっていくのか気になる……」と思ってくださったら、ぜひフォローしてこれからの走りを追いかけてみてください。
ちなみに、あなたには「どうしても忘れられない場所」や「つい似た背中を探してしまう未練」ってありますか?
もしよかったら、コメント欄でそっと教えてもらえると嬉しいです。
さて、今回の2号はかなりシリアスで切ない表情を見せていましたが……。
普段の連載『配達員ろること2号』では、ガラリと雰囲気が変わって、ろるこに振り回されるコメディ感満載の2号をお届けしています(笑)
この短編とのギャップを、ぜひ本編で確かめてみてください。
日々の生存報告や、AIで生成したイラスト、作品のボツ案や裏設定なんかは、Xでゆるく垂れ流しています。
そちらも合わせて覗きに来てくださいね。
※本作はフィクションです。
登場する人物・団体・地名・出来事などは実在のものとは関係ありません。また、一部の描写は実在するX(旧Twitter)ユーザーの投稿や活動に着想を得ていますが、特定の個人・団体との関連性はなく、内容は創作に基づいて構成されています。
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