ダンジョン第69階層【実録】『絶対的死刑宣告の裏に潜む「黒い賄賂」!?弱小ギルドを食い殺す悪徳統括導師の首を狙う泥臭き反撃の狼煙』
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01:プロファイリング・リサーチ〈深層分析〉
俺は青木工業の真相を暴くために、徹底的なシャドウ・ワーク(勤務時間外の調査)を行うことにした。
まずは当事者である田中ギルドマスター(社長)にヒアリングを依頼するため、魔力充填所(喫茶店)へと呼び出した。

当初は絶望の淵に追いやられ、強制ログアウト(廃業)寸前で顔面蒼白だった田中ギルドマスター(社長)も、今は少し顔色が良くなってきた。
それはやはり、事業の継続が見通せるようになったからだろう。
俺が泥臭く駆け回って複数の外郭陣列(受注先)との局地盟約(業務委託契約)を獲得したことにより、事業のリスク分散も進んだことは大きなメリットだった。
順調に取引を広げ、回復させていくしか他に道はない。
俺は漆黒の覚醒水(コーヒー)を一口すすり、目の前に座る田中ギルドマスター(社長)に向かって静かに口を開いた。

「ギルドマスター(社長)……」
「今回お呼びしたのは、青木工業の今回の真相について、わかる範囲で教えて欲しいのです」
「まずは伊藤統括導師(部長)について教えてください」
「伊藤統括導師(部長)とはどれぐらいのお付き合いですか」
「そうだね……3年になりますかね」
「ちょうど3年前に補給指揮官(調達の課長)からレベルアップ(昇進)されて、設計部門の統括導師(部長)に就任したんだよ」
02:ダイレクト・ヒアリング・クエスト〈直接聴取魔法〉
「ギルドマスター(社長)が今までお付き合いする中で、どんな人間とお考えですか」

「伊藤統括導師(部長)はとにかく細かい人で、修正の依頼から期限に至るまで、こと細かく指示をしてくる人です」
「指示の内容は、その後に日によってコロコロ変わるので感情的なことも多々ありました」
ため息をつきながら、ギルドマスター(社長)は言葉を続ける。
感情的…!
「この3年間の間にも、一閃価(単価)の値下げは2回ほど受けてきています」
「ギリギリの状態でのこの値下げ」
「すでに限界は来ていたのかもしれません」

「統括導師(部長)の最近の様子はどうでしたか」

「最近、とにかく戦果(成果)について何か焦っているような言動が多かったかもしれない」
「今思えば、もっと早くその兆候を理解しておけばよかった……」
「他に気になる点ですか?」
「あんまり関係ないと思うが、最近時計が変わりましたね」
「なんだか羽振りのいい話も聞いたことがあります」
きな臭い…!
一介の統括導師(部長)が急に羽振りが良くなる理由など限られている。
俺はプロファイリング・リサーチ〈深層分析〉の精度を上げるため、さらに質問を重ねる。
「ギルドマスター(社長)…………」
「最後にお知り合いで、青木工業と取引のあるギルド(企業)を紹介してもらえませんか」
そして俺は、田中ギルドマスター(社長)からある2つのギルド(会社)を紹介された。
1つ目は「木村部品」である。
木村部品は20人ほどの誓約の構成員(社員)を抱える、ネジナットの部品工房(メーカー)である。最近、設計変更で伊東統括導師(部長)に会ったことはあるらしい。
早速俺は木村部品のギルドマスター(社長)に会うために、そのギルド(会社)を訪問した。
「先日、田中ギルドマスター(社長)から紹介いただきました、異次元おじさんと申します」
「ギルドマスター(社長)、いらっしゃいますでしょうか」
そうすると受付の巫女(事務員)が迎えてくれた。
品定戦域(応接室)に行くように案内される。
そこはまさに、泥臭いアナログの極致である鉄と油の結界(製造現場)の匂いが立ち込めていた。
しばらくすると、小太りの少し汗かきな背の低い、作業着の男がやってきた。

「いや、すいませんね」
「まるこんな狭いところで」
「私が木村ですが……」
俺は自らの庶民の戦闘服(スーツ)のワキに顔を近づけ、クンクンとその匂いを嗅ぎ始めた。

「す、酸っぱい……!」
「この強烈なニオイこそ、俺の魔力が完全に充填されている証拠だ!」
一人悦に入り、意味不明な精神統一を図る。

『おい、おっさん』
『自分の加齢臭でラリってんじゃねぇワン!』
『そんなキモいポーズ決めても、木村ギルドマスター(社長)がドン引きしてるだけだワン!』
魔犬ツンのジャッジメント・サタン〈魔犬の正論〉が脳天を貫くが、俺は一切動じず、冷静に口を開き始めた。
「いでよ!」

「ダイレクト・ヒアリング・クエスト〈直接聴取魔法〉!」
「ギルドマスター(社長)、すいません」
「今日は時間を取っていただきましてありがとうございました」
03:ダーク・ファクト〈隠蔽された真実〉
「早速ですが、今日は青木工業の取引についてお伺いしたいのですがよろしいですか」
「ええ。わかる範囲なら」

「実は先日、田中工業の取引が青木工業から半ば強引に盟約(契約)を解除された経緯がありまして、他の取引の会社の状況も知りたくてお伺いしました」
「そこで今日は、現状を教えてください」
「伊東統括導師(部長)と仕事上で直接話をしたり、取引があったりすることはありますか」
木村ギルドマスター(社長)は額の汗を拭いながら重い口を開いた。
驚愕的…!
「3ヶ月ほど前にナットの設計変更がありまして、その因果受託(受注)として伊藤統括導師(部長)と話したことがあります」
「それはどんな内容でしたか」
「今回の設計変更の際に、部品の一閃価(単価)を見直してほしいと打診がありました」
「元々は補給指揮官(調達の課長)だった」
「前々から一閃価(単価)を下げるように圧力がかかっていたんです」
無慈悲的…!

「それで今回、他社との比較によって5%一閃価(単価)を下げることになりました」
「その際に、伊東統括導師(部長)は私に、今後取引量を増やすと約束したのです」
「しかし、実態は現在も変わっていません」
ただ、一閃価(単価)を削り取られただけ。
まさに暴君(搾取型の上司)の常套手段だ。
「そうなんですね。あと、気になることはありませんか」
悪魔的…!
俺がさらに深く踏み込む。
木村ギルドマスター(社長)は周囲を少し気にしながら声を潜めた。

「あと、うちの話ではないですが、私の知り合いで『戸田ワイヤー』さんという専門商社があるんですけど、そこで少しダーク・ファクト〈隠蔽された真実〉、黒い噂を聞いたんです」
「何でも、戸田ワイヤーさんに現状の一閃価(単価)を約束する代わりに、贈答品として会社に時計を買ってほしいと依頼があったんです」
「戸田ワイヤーのギルドマスター(社長)はきっぱり断ったようなんです」
「しかし、他の数社は要求に応じたらしいです」
腐敗的…!
「それによって、業務量が調整されているのではないかと噂されています」
「ありがとうございます。木村ギルドマスター(社長)!!」
俺は木村部品さんのオフィスを離れることにした。
それにしても、田中ギルドマスター(社長)だけではなく、多くの取引先が伊藤統括導師(部長)によって翻弄されているようだ。
そして、黒い噂についても情報を得ることができた。
これは単なるコストカットではない。
己の私腹を肥やすために、下請け中小ギルド(中小企業)の命脈(資金)を人質に取る。
汚濁供物(賄賂)を要求するという卑劣な悪魔的錬金術(搾取のビジネスモデル)だ。
今後、他の業者の暗部因果の照会(身辺調査)をする必要がある。
俺は木村ギルドマスター(社長)から、戸田ワイヤーを紹介してもらうことになる。
04:トゥルー・アンロック〈真実の心解錠〉
数日後。
俺は戸田ワイヤーの重苦しい議定聖域(会議室)にいた。
戦慄的…!
ここで魔犬ツンが割って入り、解説する。

戸田ワイヤーは50名の誓約の構成員(社員)を抱える50年の老舗中小ギルド(中小企業)だワン。
長年青木工業と付き合いのある会社で、ギルドマスター(社長)の戸田は一代でここまで会社を築き上げてきた歴戦の猛者だワン。
心してかかれワン!
現れた戸田ギルドマスター(社長)は、威厳のある表情で俺を見据えた。

「あなたが異次元おじさんですか。話は聞いてます」
「今日はどんなお話ですか」
俺は早速本題に入る。
「実は、青木工業のことで…………」
急に、戸田ギルドマスター(社長)の顔色がこわばっていく。

絶望的…!
「実は木村部品さんからある黒い噂について耳にいたしまして、その件についてお話を聞きたいのです」
戸田ギルドマスター(社長)を一瞬真顔になったがすぐに言い放つ。
「冗談はよしてくださいよ」
「木村ギルドマスター(社長)が何を言ったか知りませんが、私はそんな話をした覚えはありません」

これは完全な拒絶。
致命的…!
だが、ここで引くわけにはいかない。
俺は自らの魔力を極限まで高めるため、すでに侵食される王冠(薄毛)が極まりつつある頭頂部へ手をやり、存在しない幻の前髪を豪快にかきあげる。
指の間に引っかかるのは悲しいほどの虚無と噴き出す魔力(脂汗)だけだが、俺はそれを強引にパワーに変えた。
「放て!」

「トゥルー・アンロック〈真実の心解錠〉!」
俺は思わず、言葉に出る。
「そんなはずは……………」
「私にはその話を聞かなければいけない理由があるんです」
「実は縁があって田中工業さんと取引をすることになったんです」
「青木工業へある提案をした機会に、盟約(契約)が破棄されました」
破滅的…!
「それで、依存度の高かった田中工業が一気に結界腐敗(経営不安)に陥った状況に、今至っています」
「その不可解な状況を、なんとか変えたいんです!」
「教えてもらえませんか!」
全身全霊のソウルブラッド(魂の血)を込めて、俺は深く頭を下げた。

静寂的…!
しかし、戸田ギルドマスター(社長)はずっと黙ったまま。
重苦しい沈黙の時間。
ただ、冷たく議定聖域(会議室)に流れ続けていた――。
老舗ギルドの重い扉は、そう簡単には開かない。
絶対権力者である伊藤統括導師(部長)の恐るべき圧力が、長年培ってきた取引関係の根底にまで深く根を下ろしているのだ。
だが、ここで引き下がれば田中工業の未来はない。
息の詰まるような沈黙の中。
俺の泥臭い物理刃(自分軸)が相手の心の奥底に届くことを信じ、ただひたすらに祈るしかなかった。
【次回予告:ダンジョン第70階層】
沈黙を貫く戸田ギルドマスター(社長)。
老舗ギルドが抱える深い葛藤と最強ギルドの闇!
俺の泥臭い魂の訴えは、固く閉ざされた真実の扉を開くことができるのか!?
そして明らかになる「暴君の不都合な真実」の決定的証拠とは!
次回、泥臭き復讐の魔導師が放つ起死回生の一撃を見逃すな!
最後までお付き合いありがとうございます。
【迷宮の深淵へようこそ】
この 「クソゲー(社会)」 から強制ログアウトさせられた、時給1,100円スタートの男の生存戦略。

覚悟がある奴だけ、次のページをめくれ。
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