ダンジョン第59階層【実録】『15年分の憎悪が爆発!孤独な反逆者の心をこじ開ける境界外魔導クエストの誓い』
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01:アイソレーション・プレッシャー〈絶対的孤立の重圧〉
完全拒絶の構えの中。
俺はいつ切り出すか迷いあぐねいていた。
清水はこの時間の1秒ごとの遅れに対し、明らかに苛立っている。

そんな張り詰めた空気の中、俺は重い口を開いた。
「清水さん」
極度の緊張から、俺は無い髪を豪快にかきあげる痛々しいルーティンに走った。

汗で滑った手がそのまま自らの後頭部を強烈に強打し、目から火花を散らして床に崩れ落ちる。
「これが、絶対領域(アビス・フィールド)の重圧か…!」
ピクピク痙攣しながら虚勢を張る羽目になる。

『おい、おっさん』
『幻の前髪を求めて自らの延髄を破壊し、床で痙攣するとかただのホラーだ ワン!』
『一人で勝手に自爆して、応接スペースの空気を完全な地獄に変えてる ワン!』
魔犬ツンの容赦なき言語刃が、俺の心臓を鋭く抉(えぐ)る!
痛恨的………………………………!!
痛みをこらえ、俺はゆっくりと語りかけた。
「ギルドマスター(社長)から色々、清水さんが長年貢献されてきたこと」
「一人では足りない時に必死で頑張ってこられたことをお聞きしました」
「現在はそのほとんどのジョブ(仕事)を断絶の境界線(デッド・ライン)に遅れることなく、責任を持ってこなされていること」
「私はただただ尊敬の念に駆られております」
アイソレーション・プレッシャー〈絶対的孤立の重圧〉の中。
清水の表情は冷たいままだった。
02:ディストーション・オブ・トゥルース〈歪められた真実の吐露〉
「そんな清水さんもご家庭の事情で早く帰らなきゃいけない場面やお休みを取らなきゃいけない状況もあるとお伺いしました」
「そんな状況の中で、術式の受諾官(取引先)からは仕事の量を増やしてくれるようにギルドマスター(社長)にはクエスト(依頼)が来ているそうです」

俺は一つ目の物理刃(自分軸)を心の中で強く詠唱した!
「発動せよ……!」
ダイレクト・ヒアリング・クエスト〈直接聴取魔法〉 ッ!!
「そのような状況もあり、私たちが傭兵(人材)を揃えて、この状況を乗り越えるためにお手伝いに来たんです」
「清水さんもお忙しいと思いますが、ご協力いただけないでしょうか」
清水は苛立った表情のまま、ついに重い口を開いた。
「私は別に責任感なんかないわよ」

「元々、この仕事はやりたかった仕事でもないから」
衝撃的……………………………!!
「ギルドマスター(社長)は何て言ったかわからないけど、無理やりこの仕事をさせられたのよ」
「私は内務の書記官(事務職)の仕事がしたかった」
「入ってみたら、いつの間にかこの構造の刻印(製図)の魔導錬成(作業)に追われる毎日!!」
清水の言葉には、長年の深い恨みが込められていた。
「内務の書記官(事務職)で定時に帰れるということで誓約合流(入社)したの」
「この状況が、私の人生をめちゃくちゃにしたのよ」
俺は思わず、声をかけた。
「それは、どういうことですか」
清水も怨念という名の言葉に熱がこもってくる。
「独身の頃は毎日、毎日!!」
「遅くまで残ることになり、結婚してからもまともに家事もできない」
「夫からは非難や不満が毎日のように私を責め立てた」
「それが原因で不仲になり、結局離婚してシングルマザーになったのよ」

同情的……………………………!!
「私は結婚する前提で内務の書記官(事務職)を選んだ」
「こんな状況になるなんて思ってもみなかったわ」
「彼とも内務の書記官(事務職)で定時に上がれるから相談して決めたの」
「それからはシングルマザーで、他に今から異世界転生(転職)なんて選択肢があるわけないわよ」
清水の言葉は、ディストーション・オブ・トゥルース〈歪められた真実の吐露〉として、重く部屋に響き渡った。
「だから、渋々この仕事を続けてるのよ」
「新しい傭兵(人材)が来たって根性ないし、私なんて誰も教えてくれなかった」
「だから、私もギルドマスター(社長)にも所属ギルド(会社)にも他人にも期待はしていない」
悪魔的………………………………!!
「このジョブ(仕事)をあぶれたら、私は行くところないの」
「だから、協力するつもりなんてないわよ」
03:アブソリュート・シンパシー〈魂の絶対共鳴〉
その話は、俺の想像を遥かに超えていた。

ギルドマスター(社長)から見る景色と、清水から見る景色は、あまりにも残酷なほど全く違っていたのだ。
理不尽的………………………………!!
俺は思わず胸が熱くなり、言葉を失った。
少しずつ、重苦しい沈黙が広がる。
清水が呆れ顔で捨てセリフを放つ。

「もういいかしら、私が話すことなんかないわよ」
「ちょっと待ってください。清水さん」

俺は二つ目の物理刃(自分軸)を心の中で高らかに詠唱した!
「いでよ……!」
ソウル・プロキシミティ〈魂の至近距離〉 ッ!!
「私は大きな勘違いをしていました」
「清水さんがこの仕事を誇りを持ってされているとばかり思っていました」
「家庭とのバランスもなんとか保っているんだと、勝手に解釈していました」
俺は真っ直ぐに清水の目を見つめた。
「私は清水さんに、全面的に協力します」
清水は振り切るように言い放つ。
「だから、協力なんていらないって言ってるわよ」
冷たく突き放す清水に対し、俺は深呼吸をして、落ち着いた表情で話し始めた。
「私が行っている協力というのは、清水さんが家庭と仕事の両立のバランスを、これから取れるような環境を作ることです」
共存的…………………………………!!
「清水さん」
「これから在宅で仕事を続けるつもりはありませんか」
清水の表情が微かに動いた。

「もちろん、正社員で待遇は今と同じ」
「もしくは協力いただければ、今以上の報酬を約束します」
「そうすれば、時間を気にすることなく保育園のお迎えや買い物!!」
「お子さんの体調不良の時の面倒など、臨機応変に対応することは可能になります」
俺はアブソリュート・シンパシー〈魂の絶対共鳴〉を込めて言葉を紡ぐ。
「お子さんが小さい清水さんにとっては、我が子に負担をかけることなく、成長を見守ることができる環境を一緒に作りませんか」
清水は突然の提案に戸惑いの色を隠せずにいた。
「……そんなこと、できっこないわよ」
04:ドーン・オブ・リベレーション〈解放の夜明けの提案〉
「清水さん」
俺は三つ目の物理刃(自分軸)を心の中で強く詠唱した!
「発動せよ……! 」
トゥルー・アンロック〈真実の心解錠〉 ッ!!
「ここでお聞きします」
「在宅で仕事ができたら、嬉しくないですか」
しばらくの沈黙。
静寂的…………………………!!
「今まで清水さんはよく頑張ってこられました」
「所属ギルド(会社)の手助けは一切なく、延長保育をいつもギリギリまで伸ばして、遅くの時間に疲れ果てた状態でお子さんを迎えに行く」
「その後から食事を作り、明日のお弁当の準備をしに夜中まで毎日されて、とても心に余裕を持つほど時間はなかったのだろうと推測します」
俺の言葉に、清水の瞳が微かに揺らぐ。

「だからこそ」
「所属ギルド(会社)にある意味、諦めの気持ちが15年という年月として積み重なっていったんだろうと思います」
「ある意味……………」
「私たちはそのことを知りません」
「所属ギルド(会社)と違う外部の人間が入ることで、変えることができるチャンスが生まれたんです」
奇跡的………………………………!!
「このドーン・オブ・リベレーション〈解放の夜明けの提案〉というチャンスを、活かして行きませんか」
圧倒的………………………………!!
俺はソウルブラッド(本音)の底から訴えかけた。
「お子さんの未来のために、一緒に環境を変えるお手伝いをしてもらえませんか」
その話を聞きながら、清水は黙って下を向いていた。

その表情は、この15年の自分の置かれた環境の不遇さを改めて噛み締める時間だったのかもしれない。
俺は強く心に誓う。
この人を、絶対に救わなければならない。
狂気的…………………………………!!
長すぎる孤独の中で凍りついていた清水の心。
俺の言葉は、果たして彼女の分厚い鉄の壁を完全に溶かすことができるのか。
退路を断った挑戦が、今まさに臨界点に達しようとしていた。
いざ、次なる階層へ。
次回予告:ダンジョン第60階層】
15年間の呪縛を解き放つための渾身の提案!
凍りついた孤独な反逆者の心に、おじさんの泥臭いソウルブラッド(魂の血(本音))は届くのか!?
しかし、相手は長年の不遇と絶望を抱え、完全に心を閉ざした絶対不可侵の存在!
逃げ場のない極限の対話劇の中で、おじさんのMPは限界を超えて急激に削られていく!
果たして、この泥臭い対抗魔導は強固な壁を破ることができるのか!?
一瞬の瞬きすら許されない、死闘の行方は誰にも分からない!
次なる死闘が今、幕を開ける!
次階層を見逃すな!
最後までお付き合いありがとうございます。
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