ドル覇権を揺るがすのはめっちゃ難しいのでは?
私は、覇権国はアメリカの次が出てこないのではないかと思っています。
まず、覇権国になる条件を仮定します。その仮定は、「通貨で世界を支配すること」です。
イギリスのポンドのように、本国は工業が衰退しGDPが抜かされ、GDP一位の座を他国にその座を譲り渡しても、国際社会における決済で本国の通貨が用いされるような環境となったら、信用崩壊をおこなさない限り数多の国がその本国の通貨を利用します。
さて、通貨で世界を支配するのが覇権国の条件だとしたら、次の覇権国になる国は世界でその国の通貨がたくさん使われるようにならないといけないわけです。しかし、そのハードルは、アメリカ以外ではあり得ないほどに高いと考えるのです。今、アメリカドルが国際社会で少しずつ決済に使われなくなっていますが、裏を返せば少しずつしかドルを手放すことができないのです。
そう思う理由の一つが立地にあります。アメリカは近隣で大きな国といったら…強いてあげるとしたらメキシコとカナダぐらいです。その二国もアメリカと経済協定を結び、アメリカと密着しています。その他ははっきりいってアメリカからしたら有象無象です。実質的には近隣に仮想敵国が存在し得ない立地になります。言ってしまえば周りを海に囲まれている大きな島です。さらに言えば大陸中央部に肥沃でまとまった土壌を備えていますから食料も完全自給できます。そして、太平洋と大西洋に容易にアクセスできる環境も整っています。
中国の場合はそうはいかないと考えるのです。近隣で大きな国は日本に韓国、ロシア、インド、ベトナムとかがあります。経済規模は中国に及ばないでしょう。しかし、対抗できうる国がたくさん近隣にあるだけで軍事力をそこに割かないといけません。さらに言えばアメリカの場合はでかい国が地で繋がっているわけではないため金のかかる陸軍をあまり駐屯しなくてもいいですが中国の場合は別です。大量の国が陸で中国に隣接しています。更には太平洋に容易にアクセスできない立地です。太平洋には日本と台湾とフィリピンがもう神様がこう設置したのでは?と感くぐってしまうほどに中国の太平洋へのアクセスを阻害する形で立地しています。その国達を中国側に招いても、大西洋側へのアクセスがカッスカスです。
二つ目は流動性にあります。全世界に自国の通貨が利用されるようにするには、いつでも他国通貨と両替できるようにしなければなりません。さらに言えば債券市場に容易にアクセスでき、流動性が高いようにもしなければなりません。だって物流において決済がネックになったら物流が滞るなんてもんじゃありませんし。
今の人民元がアメリカドルの圧倒的な流動性を作り出せていません。いくら技術力が高く、工業製品を大量に輸出しており、品質も向上中という素晴らしい環境であっても覇権国になる条件である自国通貨を他国に使われるというのが難しいと考えるのです。例えアメリカのGDPを優に超えてもそれが達成されなければ今までと同じよう(日本)にただ地域ではあり得ないほどに強いけど、みたいになると思います。
私はこの二つが非常にでかいと考えます。工業立国となる大国と、世界で自国の通貨が使われるようになる覇権国とでは、その環境になるまでの道が真逆と言えるほどに違うのです。
大国は内向きに管理しながら工業製品を作って大量に輸出すればできます。しかし、覇権国は外向きで開放的になる必要があるのです。しかし、外向きに開放的になるには大きな社会不安が伴うと考えます。更には数多の国の反発を買うと考えます。
そのような無理難題を成し遂げたのは、バカみたいに優れた土壌と立地を持ち、世界大戦の戦火が本土にまるで飛ばず(日本による気球で森が燃えたぐらい)、その頃に工業大国として隆盛を極めて(というか戦争のおかげで工業が最盛期を迎えた)、強豪であり競合と言える国たち(イギリスにフランス、ドイツにソ連、中国から日本)が戦争によって抵抗しづらくなり、自国の通貨を使わせることに成功したアメリカしかないと考えるのです。
ドル、ユーロ、円、スイスフラン、ルーブル、韓国ウォン、ルピーを発行する国が自然災害で壊滅し、中国だけ奇跡的にそれたとかそういうことが起きたらドルから人民元へと覇権国は移ると思います。
だって、アメリカが握った覇権国という地位は、あり得ない立地とあり得ない歴史の上に成り立っていますから。それと同じようなことが起こらないと、今後はドル一強かドルが没落しても多数の通貨が蠢く覇権国のいない世界となる。と私は考えるのです。
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