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会ったことのない彼からプロポーズされています!(エミコの場合)|深夜0時の鑑定室⑦|電話鑑定士・深鈴

【相談内容】
深夜の待機は、少しだけ空気が違う。
昼間なら口にしないことを、人は夜になると話し始める。
そんなことを思いながら待機していると、鑑定依頼のコールが鳴った。

「こんばんは、深鈴です。今日はどうなさいましたか。」

出ると、少し緊張したような女性の声だった。
浮き立っているのに、どこか落ち着かない。
そんな話し方だった。

深鈴「今日はどうなさいましたか…?」
エミコ「彼のことなんです。私、プロポーズされてて…」
深鈴「そうなんですね。おめでとうございます。」
エミコ「それが……ちょっと不安で」

私は続きを待った。

エミコ「彼とは、まだ会ったことはないんですけど」
深鈴「……会ったことは、ない?」
エミコ「はい、外国の方で。でも日本には住んでるんです」

そこから、私は話を一つずつ拾っていった。
・相手とはマッチングアプリで知り合った
・毎晩、「愛している」「結婚しよう」というメッセージが来る
・彼は外国籍だが日本に住んでいる
でも日本語が不自由で、恥ずかしいから通話はできないと言っている
・近く会う約束はしているが、まだ実現していない

話を聞きながら、私の頭には一つの言葉が浮かんでいた。

国際ロマンス詐欺。

ただ、この場でいきなりその言葉を出すのは違うと思った。
だから私は、一つずつ事実確認をしていった。

深鈴「会う段取りは、どんなふうに進んでいるんですか?」
エミコ「近いうちにって連絡がきます。でも、まだ具体的には決まってなくて」
深鈴「通話ができない理由は、日本語が恥ずかしいから、なんですね?」
エミコ「はい。文章なら大丈夫だけど、話すのは自信がないみたいで」

話せば話すほど、違和感は増していった。
でもエミコ本人は、ほとんど疑っていなかった。

深鈴「会ったことがない相手とのご結婚は、少し慎重になった方がいいかもしれません。」
エミコ「……でも彼は本気です。毎晩、愛してるって言ってくれます。」
深鈴「その可能性を否定したいわけではないんです。ただ、会うことや確かめることを飛ばさない方が――」
エミコ「そんなに疑わなくてもいいじゃないですか」

声のトーンが、少し下がった。
私はそこで、この相談の難しさを感じた。


📞1|「会ったことがない」は、恋愛の情報が足りないということ

このケースでまず確認したいのは、単純な事実です。

会ったことがない。

それだけで、恋愛としてはかなり大きな情報が抜けています。

  • 相手の生活感

  • 表情

  • 話し方の温度

  • 約束の守り方

  • こちらへの配慮の仕方

  • 現実の距離感

文字のやり取りだけでは埋まらない情報があります。
それを飛び越えて結婚の話が進むとき、人は恋をしているというより、
物語を信じ始めていることがあります。

しかも今回は、相手は日本に住んでいる。(と、相手が言っている。)
物理的には「会えない距離」ではないのに、会えていない。
ここも大きなポイントです。


📞2|毎晩の「愛している」は、安心になる。でも確証ではない

毎晩「愛している」「結婚しよう」と言われる。
それは、心を動かすには十分な言葉です。

人は、言葉を重ねられると、関係も積み重なっているように感じます。
でも実際には、

  • 会っていない

  • 話していない

  • 約束は具体化していない

こうした現実が残っている。

ここで起きているのは、
確証の前に確信が育ってしまうことです。

本来なら、

会う

知る

信頼が積み上がる

将来の話が出る

という順番のはずが、

言葉

期待

確信

現実確認の省略

になっている。

本人が信じ切っているほど、
慎重さを促す言葉は“否定”に聞こえやすい。
だから、警告が入りにくい。

ここが、このタイプの相談の怖さです。


📞3|鑑定士がするべきことは、夢を壊すことではなく、現実条件を増やすこと

このケースで一番気をつけたいのは、
依頼者を一方的に否定しないことです。

「それ詐欺ですよ」と切るのは簡単です。
でも、その一言で依頼者が防御的になると、かえって物語の中へ戻ってしまうことがあります。

だから私がやるのは、夢を壊すことではなく、
現実条件を増やすことです。

たとえば、

  • 実際に会う日程は具体化しているか

  • 通話が本当にできない理由は検証できるか

  • 身元確認は取れているか

  • お金の話は出ていないか

  • こちらの生活情報をどこまで渡しているか

恋愛の気持ちを否定せず、
現実の確認項目を増やす

そのうえで、こう戻します。

「彼を信じたい気持ちは分かります。
でも、結婚は“信じる気持ち”だけで決めるには重いです。
会うこと、確かめること、その順番を飛ばさないでください」

信じることは大事です。
でも、現実を確かめることは、その前にもっと大事です。


▼鑑定士メモ(現場用)

見立て(構造):
実際の接触や検証がないまま、言葉と期待だけで関係が先に進んでいる。
恋愛相談の形をしているが、実際には“現実確認”が最優先になるケース。

危険サイン:

  • 会ったことがないのに、結婚や将来の話が急速に進む

  • 毎晩の甘い言葉で確信だけが育っている

  • 通話ができない理由が曖昧、または検証不能

  • 近く会う話があるのに、具体化・実現していない

  • 慎重さを促すと機嫌が悪くなる

鑑定士がやりがちなNG:

  • 「運命ですね」「本気ですね」と確信を補強する

  • 夢を壊したくなくて、危険サインをぼかす

  • 恋愛相談としてだけ扱い、現実確認を後回しにする

  • 依頼者の防御反応を恐れて、確認をやめてしまう

推奨対応(深鈴トーン):

1.恋愛と検証を分ける
「好きかどうかと、信頼できるかどうかは別で見ていきましょう」

2.現実条件を増やす
「会う段取り、通話、本人確認。この3つは先に確認したいです」

3.夢を否定せず、順番を戻す
「結婚の話より前に、“会う・知る・確かめる”を飛ばさないことが大事です」

線引きフレーズ(1本):
「信じる前に、確かめる。ここを飛ばしてしまうと、恋愛ではなく危険な契約になります」

着地(鑑定士側の目的):
依頼者の気持ちを否定せずに、現実確認へ主語を戻す。
恋愛の夢を補強するのではなく、生活と安全を守る判断材料を増やす。


※本記事は、相談現場でよく起きる構造をもとにした再構成です。特定の人物・出来事とは関係ありません。
※現在は電話鑑定は行っておりません。

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