旦那に彼女ができる時期を教えてください(メグミの場合)|深夜0時の鑑定室⑧|電話鑑定士・深鈴
【相談内容】
深夜の待機は、少しだけ空気が違う。
昼間なら口にしない秘密を、人は夜になると話し始める。
そんなことを思いながら待機していると、鑑定依頼のコールが鳴った。
「こんばんは。メグミさん、今日はどうなさいましたか?」
夜の待機は、静かな湖のようでもある。
波立たない声で、彼女は言った。
「彼が最近、マイホームを建て始めたんです」
メグミはリピーターだった。
職場の彼とW不倫状態。
お互いに家庭がある。
彼の奥さんには、二度バレている。
これ以上関係を続ければ、法的手段を取ると言われていた。
それでも関係は続いていた。
連絡は最小限。
同じ職場で、目配せとタイミングでつながる。
そして逢瀬を重ねていた。
「彼、もう離婚しませんよね?」
私は慎重に言葉を選んだ。
「家を建てるのは、家族との未来を前提にしていますね」
沈黙。
彼女は、ため息をついた。
「……不倫してるの、自分だけ後ろめたいんですよね」
少し間があった。
そして彼女は、軽い調子で言った。
「旦那に彼女できませんかね?
そしたら、旦那のせいにして離婚できるし。
気が楽になるんですけど」
私は一瞬、言葉を失った。
冗談ではなかった。
彼女は続ける。
「旦那に彼女ができる可能性と、時期を見てもらえますか?」
声は、真剣だった。

📞1|装置としての他者
彼女の話を長く聞いているうちに、気づくことがあります。
彼も、旦那も、子どもも。
彼女にとっては、関係性そのものではなく、少しずつ“配置”のようになっていました。
「彼がどう動くか」
「旦那がどう転ぶか」
それは感情というより、条件の組み替えのように見えます。
旦那が裏切れば、自分は正当化できる。
彼が動けば、自分は報われる。
自分は動かない。
周囲が動くことで、物語を進めようとしているのです。
そのとき人は、“誰か”を見ているようで、実は“役割”を見ていることがあります。
そこに、私は少し怖さを感じました。
📞2|後ろめたさの正体
彼女は「後ろめたい」と言いました。
後ろめたさは、自分が悪者であることを知っている証拠です。
それでもやめない。
やめないためには、理由が必要になります。
だから、旦那にも“同じ罪”を背負わせたい。
そうすれば、釣り合う。
それは赦しではありません。
均衡です。
「旦那に彼女ができる可能性と時期を見てほしい」
その問いは未来予測の形をしています。
でも本当に欲しかったのは、未来そのものではありません。
自分だけが悪いわけではない、と思える立ち位置だったのだと思います。
相手が同じように裏切れば、自分の後ろめたさは少し軽くなります。
そういう“均衡”の作り方が、彼女の中では成立していたのだと思います。
📞3|守りたいものは何だったのか
私は何度か、別居の提案もしました。
でも彼女は、はっきりと「NO」と言いました。
生活はできるはずなのに、それでも離れない。
子どもの話を振ったとき、彼女はさらりと言いました。
「彼と結ばれるなら、子どもは置いていく」
その言葉で、私は確信に近い違和感を覚えました。
彼女が守っているのは、彼でも、旦那でも、子どもでもありません。
もっと別の、“立ち位置”です。
そして、あの問いに戻ります。
「旦那に彼女ができる可能性と時期を見てください」
もし旦那に彼女ができれば、彼女は“裏切る側”ではなく、“裏切られる側”になれます。
そうなれば、
「自分だけが悪いわけではない」
という物語を手に入れられます。
私は、そこにぞっとしました。
人が人を好きになる話ではなく、立ち位置を入れ替える話に聞こえたからです。
▼鑑定士メモ(現場用)
見立て(構造):
依頼者は他者を“装置”のように再配置し、自分の罪悪感を均衡させようとしている。
「自分だけが悪いわけではない」と思える立ち位置を、他者の行動によって作ろうとする構造。
危険サイン:
「相手が悪者になれば楽になる」という発言が出る
離婚・別居の提案には即NOだが、現状への不満は強い
自分は動かず、他者の行動で物語を変えようとする
「もし◯◯なら」という条件付きの未来に執着する
鑑定士がやりがちなNG:
「旦那に彼女ができる可能性」をそのまま占う(正当化の共犯になる)
罪悪感を刺激して説教する(防御反応を強める)
依頼者の物語に乗って、未来の条件分岐を増やす
推奨対応(深鈴トーン):
1.主語を戻す
「旦那さんに何が起きるかより、あなたがどうしたいかの方が大事です」
2.条件の物語を止める
「もし◯◯なら、という未来より、今の選択を見ていきましょう」
3.“自分が動いた場合”の未来を見る
「旦那さんではなく、あなたが動いた場合の流れを見てみましょうか」
線引きフレーズ(1本):
「誰かが悪者になる未来を待つより、あなたが選ぶ未来を見てみませんか」
着地(鑑定士側の目的):
他者の行動に未来を預ける構造を止め、依頼者の主語を本人に戻す。
“正当化の物語”ではなく、“自分の選択”に視点を移すことが目的。
※本記事は、相談現場でよく起きる構造をもとにした再構成です。特定の人物・出来事とは関係ありません。
※現在は電話鑑定は行っておりません。
📞シリーズまとめページを作りました!
👇共同運営マガジンをはじめました。
スピリチュアルと現実、両方を大切にしたい方へのマガジンです。
参加者募集中です。
