第三の男(リエの場合)|深夜0時の鑑定室②|電話鑑定士・深鈴
【相談内容】
リエからはずっと、職場の上司(不倫)、職場の同僚との交際――いわゆる二股恋愛の相談を受けていた。
状況は揺れるのに、彼女の関心はいつも一つだった。
「相手は、私をどう思っているか」
久しぶりに、リエから鑑定依頼のコールが入った。
深鈴「お久しぶりです。今日はどうなさいましたか…?」
リエ「ちょっと…聞いてほしいことがあって」
深鈴「はい」
リエ「上司の彼と、同僚の彼のことは…前に話したじゃないですか」
職場の上司との関係(不倫)。
職場の同僚との交際。
私はそれを“二股”として整理して、ずっと聞いていた。
リエ「実は…もう一人、いるんです」
一瞬、部屋の音が消えた気がした。
私は黙って続きを待った。
リエ「遠方の経営者で…仕事でこっちに来た時だけ会って…泊まります」
二股だと思っていた話は、静かに三股になった。
怒られているわけでもないのに、私は少しだけ息を吸った。
リエ「彼は、私と一緒の時に、私のことをどんなふうに思ってましたか?」
彼女は上司と同僚の時も同じだった。
常に、相手が自分をどう思うかを気にする。
そして時には「彼は上司と仲良くしている私を見て、嫉妬しましたか?」のような、際どい質問もする。
本人の声は悪びれていない。
むしろ、その危うい状況を楽しんでいるようにも聞こえた。

📞1|恋愛の形をしているけれど、主食は「視線」
このケースで目立つのは、人数の多さではありません。
本当に強いのは、リエの関心が一貫して「相手」ではなく、相手の視線に向いていることです。
私をどう思ってた?
嫉妬した?
私は特別?
私の価値は上がってる?
ここで求められているのは、愛情の確認というより、自分の価値の確認です。
相手の気持ちは、未来予測ではなく、自己評価の燃料として消費されていく。
そして、燃料は一人分より複数ある方が効きます。
人が増えると、視線が増える。
視線が増えると、「私はまだ大丈夫」と感じられる。
好きなのは“彼ら”というより、
彼らに思われている(ように感じる)自分の状態――
その状態が、本人を支えていることがあります。
ここに入ると、恋愛は関係ではなく、舞台になる。
舞台が続く限り、価値確認は続く。
だから、やめたくてもやめにくい。
📞2|後出しの「第三の男」は、嘘ではなく“自己像の編集”
半年話していて突然出てくる第三の男。
これは不誠実というより、本人の中で“語れる順番”があるだけ、ということが多い。
二股ですら言いにくい。
三股はもっと言いにくい。
言った瞬間、自分がどう見えるかが耐えられない。
だから、言える段階になった時に出てくる。
リエの場合、言いづらさを越えてまで出してきた。
それは、「この情報も含めて、私はどう見られている?」という確認が、
さらに強くなっているサインでもあります。
そして第三の男の属性が象徴的です。
遠方
経営者
来た時だけ
泊まる
日常に入りきらず、責任が曖昧な関係。
この“薄さ”は、罪悪感を薄め、切られにくさを増やします。
同時に、現実の検証はさらに難しくなる。
舞台は広がるけれど、地面は見えにくくなる。
そんな構図です。
📞3|鑑定の介入は「誰が本命か」ではなく「何で満たしているか」
この状況で「誰が本命」「誰が運命」と答えると、
リエの舞台を強化してしまいます。
占いが、視線ゲームの演出装置になってしまう。
だから私は、答えの方向を変えます。
相手の気持ちの実況ではなく、本人の内側の動きを言語化する。
「“好き”より“見られている感”が主食になっていませんか」
「嫉妬の有無を確かめる時、あなたは何を確かめていますか」
「このまま増やすほど安心する仕組みなら、安心の取り方を変えた方が早いです」
そして現実として、境界線を置きます。
職場の上司(不倫)と同僚(交際)だけでもリスクは高い。
そこに第三の男が加わると、状況は“複雑”ではなく“危険”に寄りやすい。
戻すべきは、
「相手はどう思うか」ではなく、
「私はどう扱われたいか/どう扱いたいか」。
視線から尊厳へ。
舞台から地面へ。
その移動が起きた時、はじめて関係は現実に戻り始めます。
📞鑑定士メモ(現場用)
▼鑑定士メモ(現場用)
見立て(構造):
恋愛が「相手との関係」より、「視線=自己価値確認」に寄っている。
人数が増えるほど安心できる構造になっており、相手は関係相手というより“燃料”として機能しやすい。
危険サイン:
後出し情報が増える
「彼は私をどう思ったか」「嫉妬したか」など、反応確認の質問が多い
職場を巻き込む構図になっている
罪悪感よりも“スリル”が安定剤になっている
鑑定士がやりがちなNG:
「誰が本命」「誰が運命」で舞台を強化する
嫉妬や比較の質問に乗って煽る
三股状態を“魅力”として肯定し、境界線を曖昧にする
推奨対応(深鈴トーン):
整理の必要性を受け止める
「複雑になってきて、整理したくなったんですね」
状況を現実化する
「状況は“複雑”というより、“危険”側に寄っています」
主語を戻す
「“見られている自分”以外で、あなたは何で満たせますか?」
線引きフレーズ(1本):
「相手の気持ちより先に、あなたが何を確かめたくてこの関係を続けているのかを見たいです」
着地(鑑定士側の目的):
相手の視線に預けられた自己価値を、依頼者本人に戻す。
“誰に見られるか”ではなく、“自分をどう扱うか”へ視点を移す。
※本記事は、相談現場でよく起きる構造をもとにした再構成です。特定の人物・出来事とは関係ありません。
※現在は電話鑑定は行っておりません。
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