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泰夢(たいむ)のお話:7

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ひょんなことからヒートアイランド現象のお話へ……
では、どうぞ!!

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 泰夢(たいむ)のクラスの先生は小畑(おばた)という男の教員で、泰夢と同じぐらいの孫がいる。
 いつもニコニコとしていてほとんどおこることはなく、のんびりゆっくりとしゃべるし、授業中でも「そう言えばな……」と急に話のすじから外れて、ぜんぜんちがうことを話したりする。
 親たちの中には「教育熱心ではない」という見方をする人たちもいて、そのあたりの評判はあまりよろしくなかったが、泰夢たち生徒にとってはきびしくないし、おこらないし、自由にさせてくれるし、そのうえむずかしいことも自分たちが分かるように面白く楽しく話してくれるので人気が高かった。
 クラスのだれもが他の先生の前では「小畑先生」ときちんとよびながらも、授業中やホームルームの時間などは親しみをこめて「オバジイ」や「オバジイ先生」とよんでいた。
 だれが最初に言い始めたのかはわからないけれど、一学期の早いころから「小畑のおじい先生」とよばれるようになり、それがだんだんと短くなっていき、最後はおじいさんなのかおばあさんなの分からないようなあだ名でよばれるようになっていた。
 ふつうの先生なら目くじらを立てておこりそうなところだけれども、そこがオバジイのすごいところで、はじめてその名を生徒から聞いたときもニコニコと笑っていて、クラスではそのあだ名でよぶように!と、ホームルームでふれて回ったのだ。
 そのオバジイが夏休みに入る前の授業で「もうやることがなくなった」といい「そう言えばな…」といつもの調子で話を始めたのだった。
 この日の話は、どうして都市部は気温が高いのか?についてだった。
 オバジイが言うには「人が多すぎるから」なのだそうだ。
 人が多く集まる街ではみなが快適に過ごそう、もっとたくさんの人を集めようと、みんなが住んだり働いたりできるようにコンクリートのビルや建物をたくさん建てる。
 人が集まればその移動の方法も必要になって、道路をあちこちに作りそこを車が走りやすいように全部アスファルトでふさいでしまう。
 本当は森の木や、土の見える地面などによって太陽の光の熱がおさえられるのだけれども、コンクリートの建物とアスファルトの道路ではそんなことができないので、熱が生まれてそしてたまっていってしまうのだそうだ。
 さらに、すずしい風が出るエアコンも実は良くなくて、泰夢も夏のクーラーは大好きだが、これが部屋をすずしくした分だけ熱い風を外に出しているらしい。
 ほかにも、人間の移動をかんたんにしてくれ、様々な荷物を運んでくれる乗用車やトラックなどの車も、動くために熱いはい気ガスを外にはき出しているので、人が多く住むところはどんどんと熱がこもっていくのだそうだ。
 こうした人の多い都市部の気温を「等温線図(とうおんせんず)」という図面にしてみると、ほかの都市部ではない場所よりも気温が高くなっている。
 これを地図の等高線のように見立てていくと、そこの部分がまるで「島」のようにもり上がって見えるため「熱い島」つまり「ヒートアイランド」とよんでいるのだそうだ。
 ただでさえ暑い夏の授業中にこの話を聞いて、一部の男子たちが悲鳴のようなうなり声を上げる。
 いっそのことビルも全部つぶして森や公園にしてしまえばいいと、らんぼうなことを言うヤツまでいた。
 それじゃお前さんたちの家もつぶさなくちゃならんなぁと、オバジイは大声で笑い、黒板に大きな文字で「局地的大雨」と書いた。
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自然現象にはいろいろな因果関係があるものです。
では、次回もお楽しみに!

小林るい


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