GRAPEVINE ビクター期総選挙結果(2026) 完全版 フルアルバム部門編
こんにちは、demiと申します。GRAPEVINE(以下、バイン)と映画が好きなおぢです。
この記事は2026年3月にX内コミュニティ「GRAPEVINE非公式ファンクラブ」内で行われた投票企画の結果まとめとなります。
1. 企画について
1-1. 趣旨と動機
先行記事に記載していますが、つまるところは「ビクター期縛りで投票企画やったら何が起きるんです?」という興味から走らせた企画となります。
詳細については下記の先行記事をご参照ください。
1-2. 投票ルール
投票対象となる作品:2014年のビクター移籍以降にリリースされた作品。
「TRIBUTE TO TRICERATOPS」収録「2020」を含む。
リビジット企画「in a lifetime」関連作品は対象外。
投票部門は下記の2つ。
①楽曲部門:投票したい曲を1位~10位まで選定。
投票順位に従ってポイントを獲得する。
例:1位なら10pt、2位なら9pt……といった具合。
②フルアルバム部門:楽曲と同様にアルバムを1位~3位まで選定。
投票順位に従って同様にポイントを獲得する。
「Empty Song」(2014)はEPなので対象外。
投票期間:2026年1月31日~2026年3月14日
結果発表は2026年3月20日~22日にかけてX内コミュニティにて実施。
投票者は全39名でした。
2. フルアルバム部門の投票結果
本記事はフルアルバム部門の順位をまとめています。
順位は下記のルールに従って決定しました。
①投票スコアが高い順に順位付けする。
②投票スコアが等しい場合は平均スコアで順位付けする。
③投票スコアと平均スコアが等しいものは同率順位とする。
結果には投票者様から頂いたコメントのほか、収録曲の楽曲部門における獲得スコアや直近の演奏履歴(2026年3月10日現在のもの)も記載しました。
7位 BABEL, BABEL

リリース年月日:2016年2月3日
プロデューサー:高野寛 (4曲参加)
通称:バベバベ
投票者数:7名
アルバム部門投票獲得スコア:12点
アルバム部門投票平均スコア:1.71点
楽曲部門における収録曲の総獲得スコア:217

ドリームポップの様な軽やかさが感じられて好き。そう思っているとEVIL EYEやHESOみたいな暴走車が突っ込んでくるあたり、おもしれーバンドだなと感じる。
完成度の高い Burning Tree の次作として、守りではなく攻めの姿勢がかっこいい秀作だと思う。
過去作にない作風も取り入れつつ、各楽曲のクオリティも申し分ない。
バイン全体を通して最も尖っていて実験的な異色作ではないかと思います。
バインが得意とする美メロ系の曲も高野寛氏のプロデュースにより新解釈されており、他のアルバムのそれとは異なる軽快な雰囲気が感じられるのに対してセルフプロデュースの曲はかなり遊んでおり、振れ幅はかなり大きいです。楽曲部門の投票において、目玉となる美メロ群を差し置いて暴走車の様な「EVIL EYE」が上位に躍進したのは、近年のセトリ採用率の高さに加えてバインのヘヴィリスナーの性質を反映している様な気がして、今回のハイライトのひとつかなと思っています。
6位 ALL THE LIGHT

リリース年月日:2019年2月6日
プロデューサー:ホッピー神山
通称:オーライ
投票者数:10名
アルバム部門投票獲得スコア:18点
アルバム部門投票平均スコア:1.71点
楽曲部門における収録曲の総獲得スコア:250

他の作品とは異なる温かみがある。社会人としてようやく地に足が着き始めたころの作品ということもあり思い入れがある。
大人としての枯れ方が理想的。円熟してて心安らかに高まれる。
今はこういう心持ちで過ごしたい。
「こぼれる」は次作の田中曲の充実へと繋がる重要な曲だと思っています。
事実上、ビクター期において外部から招聘したプロデューサーの色が最も濃く出た作品ではないでしょうか。「another sky」(2002)以降専属サポートとしてバインに関わっている高野勲氏が制作に参加していないことも影響している様に思います。次作ではレギュラー5人組による制作体制に戻りますが、曲同士のバランスを重視する設計思想は次作以降に受け継がれている様に思います。外部の人間を招くことで活動に新たな風を吹き込もうという狙いは成功したといえるのでは。
5位 ROADSIDE PROPHET

リリース年月日:2017年9月6日
プロデューサー:セルフプロデュース
通称:ロープロ、ローサイ
投票者数:11名
アルバム部門投票獲得スコア:26点
アルバム部門投票平均スコア:2.36点
楽曲部門における収録曲の総獲得スコア:228

周年記念にふさわしい名盤!
メジャー20周年記念にふさわしい「THE・バイン」を感じられる王道で初心者にも聴きやすい作品だと思います。個人的には2018年ごろに再びバイン新作を追い始める様になったときお世話になりました。
「真昼のストレンジランド」(2011)以降止まっていた田中作曲が再開していることも注目すべきポイントでしょう。王道の作品を作りつつも、次のフェーズに向けて布石を打っていたことがうかがえます。
4位 Almost there

リリース年月日:2023年9月27日
プロデューサー:高野勲
通称:オルモス
投票者数:16名
アルバム部門投票獲得スコア:32点
アルバム部門投票平均スコア:2.00点
楽曲部門における収録曲の総獲得スコア:401

大人の開き直り感が天晴れ。
円熟をある意味捨てて色々やってしまえ、というところが最高。
「実はもう熟れ」と「停電の夜」で自分にとってのツートップの曲が入っているので選びました。全体のバランス的にも一番捨て曲なく好きなアルバムです。
「どあほう」のショート動画をきっかけに、「アミーチー」を聴いてライブに行ったのですが、ライブに行くまでに、自分が離れていた間にリリースされた楽曲を聴いて、インタビューを読み漁っていたのもあって、ライブ後はその時の自分の気分にフィットする「オルモス」をよく聴いていました。
アルバムのほうは、アルバム単位で聴いた回数と順位はシンプルに比例しています。良いアルバムは?と聞かれたら「アミーチー」と答えるかもしれないのですが、通して聴くのは「オルモス」が好きです。
田中和将氏のメンタルがぶっ壊れるという、おそらく2002年の西原誠氏の脱退以降、バイン最大の危機を克服して制作された作品です。危機を克服するという意味では「イデアの水槽」(2003)と背景が似ているのかもしれませんが、「イデア」当時は若さと勢いで全力疾走していたのに対して、本作は酸いも甘いも噛分けたオヤジたちの海千山千ぶりを楽しめるあたりが大きな違いと考えています。本企画においても老いていくことに対する肯定や開き直りをテーマにしたアダルティな楽曲が強く支持され、収録曲の総獲得スコアは2位となりました。本作より専属サポートの高野勲氏がプロデューサーとして「内部昇格」を果たしたこともあり、上記の制作背景も相まってバイン史の最重要作品のひとつとして語り継がれていくのではないでしょうか。
3位 Burning tree

リリース年月日:2015年1月28日
プロデューサー:セルフプロデュース
通称:バーツリ
投票者数:14名
アルバム部門投票獲得スコア:32点
アルバム部門投票平均スコア:2.29点
楽曲部門における収録曲の総獲得スコア:253

KOL、死番虫、Weightの3曲の流れで聴きたい。くるりとの対バン後、レンタルで借りてカッコいいやん→ライブでもっとカッコいい!とバインにハマったアルバムなのでBurning treeは外せないです。
やはり移籍後最初のこのアルバムが一番好きだと今回気付かされました。
どれも満遍なく好きなつもりでも、一番リピートしているこちらを1位に選びました。
やはり移籍後最初のこのアルバムが一番好きだと今回気付かされました。
どれも満遍なく好きなつもりでも、一番リピートしているこちらを1位に選びました。
記念すべきビクター期初のフルアルバムです。バイン作品は最新作が高評価を受ける傾向が強いのに対してリリースから10年以上の時間が経過していること、直近のライブで演奏されていない曲が多いことなどから、投票企画では割を食うのではと思っていましたが、蓋を開けてみれば楽曲部門とフルアルバム部門両方で強い支持を得ました。特に「The Decade Show」でも触られなかった「Weight」「流転」が楽曲部門で上位にランクインしたことは今回のハイライトのひとつと言っていいでしょう。
2位 新しい果実

リリース年月日:2021年5月26日
プロデューサー:セルフプロデュース
通称:果実
投票者数:26名
アルバム部門投票獲得スコア:46点
アルバム部門投票平均スコア:1.77点
楽曲部門における収録曲の総獲得スコア:285

コロナ禍の辛い時期のヒリヒリする空気を感じるアルバム。
それでいて好きな曲がたくさんあるアルバムで大好きな1枚です。
「オーライ」で良い枯れ方って感じたのに全然枯れてなかった‥色気がダダ漏れすぎててこわい。
新しい果実以降の3作がやはりすごい。「BABEL, BABEL」収録曲のほとんどが、近作で上位互換されていると思う。
コロナ禍の混乱期に制作された作品です。当時の社会に満ちていた不安や閉塞感を克明に描き、ファンダムのみならず各方面より高い評価を獲得しました。極端な世相がそのままアルバム全体の世界観に色濃く反映されており、曲間の振れ幅が大きくなる傾向があるバイン作品群の中では、比較的落ち着いていて統一感のある構成になっていると思います。
収録曲に目を向けると、「ねずみ浄土」は「光について」「スロウ」といった往年の名曲と同等以上の頻度で演奏される大人気曲であり、現代バインの名刺的存在となっています。一方で今回の企画に参加したヘヴィーリスナー勢にとってはライブに行けば必ず聴けるという状況からありがたみが薄くなっていることも事実であり、結果として演奏頻度がそれほど高くない他の曲にスコアを吸われてしまったと考えられます。「新たな普通」という歌詞をいろいろな意味で有言実行したともいえますね。
個人的には収録曲の完成度の高さはさることながら、楽曲をつなげて生じる文脈の美しさが評価される作品であると感じました。
1位 あのみちから遠くはなれて

リリース年月日:2025年5月28日
プロデューサー:高野勲
通称:アミーチー
投票者数:33名
アルバム部門投票獲得スコア:68点
アルバム部門投票平均スコア:2.06点
楽曲部門における収録曲の総獲得スコア:453

最新がやっぱり強くて最高!
19枚目のフルアルバムにして素晴らしい傑作だと思います!
直近の2作品も大好きです。ますますレベチになっていく🍇さんなので、
これからも一緒に歩んでいくのが楽しみです。
振れ幅が凄いが精密機械の様にきれいにまとまっている。
スペシャの番組で「ジャンル分けができない、わかりにくいバンド」と自虐していたが、むしろGRAPEVINEというジャンルを確立している。
コロナ禍がもたらした後遺症により社会が混迷を極める2024年の夏に颯爽とあらわれた「NINJA POP CITY」を皮切りに、「天使ちゃん」「どあほう」「ドスとF」といったありそうでなかった衝撃的なタイトルに加え、「太陽と銃声」以来13年ぶりのアニキ曲「my love, my guys」まで擁するの最新作「アミーチー」が1位となりました。前作の「オルモス」から高野勲氏がプロデュースを続投しており、バインの飄々とした底知れなさがより深化している様に思います。
リリースツアー終了から半年以内というタイミングで走らせた企画であったため「アミーチー」にとって有利な環境であったかもしれませんが、そもそも最新作が常に高評価を受け続けるということが当たり前のことではないですし、バイン全体の文脈で考えたとき「果実」の成功に胡坐をかくことなく新境地に挑み続ける姿勢がかっこいいなと思います。
3. フルアルバム部門 感想
「ねずみ浄土」「Ub(You bet on it)」で歌われているように、「新しい果実」が熟して「新たな普通」になっていくことを実感できる結果となりました。何度もしつこく言っていますが、詩の内容を有言実行していて本当にかっこいいなと思います。
また、ビクター期のフルアルバム第1弾「バーツリ」への根強い支持も明らかになりました。「バベバベ」「オーライ」はルール上投票数が絞られたことで割を食った感があります。「果実」以前の作品は語られる機会が比較的少ないため、今後の再評価が進むことを期待したいところです。

個人的には楽曲部門の収録曲獲得総スコアを並べたとき、放蕩中年「オルモス」が優等生「果実」を大きく上回ったことがアツかったです。

それでは、これにてビクター期総選挙のまとめを終了させていただきます。本企画にご参加いただいた皆様には心より感謝を申し上げます。
またどこかでお会いしましょう。さようなら。
