小説 配達員ニコーの見た夢 白衣の天才ドクター、現る!?
プロローグ
「先生! 緊急搬送です!」
救急外来の扉が勢いよく開き、ストレッチャーが滑り込んでくる。
俺は白衣のポケットからペンライトを取り出し、患者の瞳孔を確認した。
「意識レベルは? バイタルどうだ?」
「BP80の40、脈拍120です!」
「すぐにライン確保、輸液開始!CTオーダーして!」
指示を飛ばす俺。看護師たちが素早く動く。
患者の顔は蒼白だ。だが、俺の手は一切震えない。
「大丈夫、俺がついてる」
自信満々に微笑み、俺は手早く処置を進めていく。
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第1章 天才外科医、ニコー
「ドクター・ニコー、オペ室準備できました!」
「よし、すぐ行く!」
手術着に着替え、手を消毒し、オペ室へ。
執刀医はもちろん俺。
執刀開始からわずか30分、出血箇所を特定し、鮮やかに縫合。
「止血確認、閉腹!」
「先生、すごい…!」
スタッフたちが感嘆の声を上げる。
俺は汗もかかずにマスクを外し、満足げに頷いた。
「患者さん、ご家族のもとに戻してやってくれ」
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第2章 内科外来の午後
嵐のような救急対応が終わり、俺は外来診察室へ。
待合室には患者がずらりと並んでいる。
「次の方、どうぞ」
最初に入ってきたのは、腰の曲がったおばあちゃん。
「先生、最近腰が痛くてねぇ…」
「ふむ、湿布と痛み止めを出しておきますね」
カルテにささっと入力し、処方箋を印刷。
おばあちゃんは少し寂しそうに診察室を出ていく。
次に入ってきたのは、若い女性。
明るい髪に、どこかで見たことのある顔だ。
「先生、最近体調が優れなくて…」
「じゃあ、服を脱いでベッドに横になってください」
「えっ?」
「念のため、しっかり診察しますから」
聴診器を当てる手が、なぜかやたらと丁寧になる。
ナースがじっとこちらを見ているけど、気にしない。
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第3章 日常の終わり
診察がひと段落し、俺はデスクに座ってコーヒーをすする。
「やっぱり医者って大変だけど、やりがいあるよな…」
ふと、窓の外を見る。
白衣の袖口を眺めながら、俺は静かに目を閉じた。
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エピローグ
「ニコーさん! 昼休み終わりですよ!」
誰かに肩を叩かれて目を覚ます。
そこは、いつもの職場の倉庫。
白衣も、聴診器も、手術室もない。
俺は作業着のまま、段ボール箱に囲まれていた。
「……俺、高卒だったわ」
思わず呟く。
夢の中だけは、天才医者にもなれるらしい。
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