#018:診断で気をつけていること
兵庫県神戸市を拠点に活動しております「まじわるデザイン」代表の戸田裕之です。
「ムダをなくしたいだけ」です。
事業のお手伝いの仕事は、「診断」と「改善」の2段階に分かれます。
今回は「診断」で私が気をつけていることを書きます。
「診断」を活用いただく参考になりますので「診断」を受ける方もご一読ください。
開業したころに、お知り合いになった方に「中小企業診断士です」と自己紹介したときに、こんな反応がありました。
「診断士さんって、欠点ばかり指摘しますよねえ。」
たしかに、診断にはそういうイメージがあります。
普通の人にとっては、体調がすぐれないときに病院に行って診断を受けることはもちろん、健康診断であっても不安になるものです。自分が関わる事業のことでも気持ちは同じでしょうから、診断をする立場としては、できるだけの工夫をしたいところです。
また、人間も動物ですので、危険なところに注意が行くようにできています。事業のお手伝いのプロとしては、この本能を乗り越えて、お客さまにとって価値がある情報を提供する必要があります。
具体的には、このようなことに気をつけています。
(場を温める)
・診断は、お手伝いの最初の段階ですので、その場が初対面ということがほとんどです。
・また、診断に至る経緯はさまざまですが、関係者全員の合意で診断をしてもらおうとなっていることはまずありません。社長さんなど責任者の方だけの判断であったり、金融機関さんなど外部の方が診断を希望されたという場合もあります。
・つまりは、知らない人で、かつ全員に歓迎されてはいないであろう状況なので、「危険な人ではないですよ」と短時間で伝える必要があります。
・具体的には、お客さまとの共通点を見つけて、そのことをお伝えするようにしています。幸い、前職も含めていろいろなことをしてきましたので、何かしら接点になるネタはあります。
・また、これはオンライン会議ならではですが、バーチャル背景をお客さまの所在地にちなむ写真にすると、急に場がなごんだりします。
(信頼の確保)
・信頼できない人からどんなに素晴らしいことを言われても聞く耳はもっていただけませんので、プロとして信頼を失うような行為には気をつけています。
・私が伺うところは、製造業、建設業など工業関係が多いので、診断時には、現場を見せていただくことになります。
そういうときに、ネクタイは外していく(機械に挟まれるリスクあり)、案内していただく方の前に出ない、白線踏まない(平気で踏む人多いです)、設備や製品に手を出さないなど、細心の注意を払っています。
(網羅性)
・診断では、事前に具体的なテーマが明確になっている場合もあります。例えば、「高熱があるのでたぶん風邪です。」=「○○業務が負担大きいのでシステム化したいのです。」というようなとき。
・当然、お客さまの認識は尊重しますが、「なぜそうお考えなのでしょう」といったことを伺いつつ、テーマ以外の事項についても、その診断の制約のもとでできるだけ広く観察するように注意しています。
・早く手を打てば重大な問題にならなかったことを見落としてしまったらお客さまのためになりませんので。
(客観性)
・診断は、当事者でもなく、また、その事業の利害関係者でもない、第三者からの客観的な見解であるからこそ価値があります。
・さらに、説得力を上げるためには「なぜそう見えたのか」が必要ですので、良い点、改善が必要な点については、具体的な事実の情報を集めます。数字は雄弁ですし、現場の写真も迫力があります。
(伝え方)
・診断には、報告書を提出する場合、是正すべき点だけの報告をする場合、対象のお客さまに対する報告会をする場合、報告書を提出するだけの場合など、いろいろなケースがあります。いずれにせよ報告書は必ずあります。
・報告書は、お客さまによくわかるものであることはもちろん、他の方にもよくわかるものになるように工夫します。報告書は自事業の中でさまざまに活用されることはもちろん、お客さまが別の状況で使うこともありますので、事実の分析のところは、特に誤りがないように仕上げます。
・また、提案の伝え方としては、まず、良いところをほめ、強みとして伸ばす方向性を提案します。9ほめてから直した方が良いところを1言うぐらいでちょうど良いです。直した方が良いところについては、提案で言わなくても、事実の分析をお伝えしたところで、お客さまは気づいておられるはずですので。
・細かいところとしては、報告書では、お客さまが普段使う言葉を使うようにしています。会話しているときに聞いているとわかりますし。逆に、それがわかるように注意して聞きます。お客さまが使う言葉が一般的な用語とは異なる場合は、他の読み手の方々のために注釈を入れておきます。
・こういう言葉を含め、同じことに対して複数の言い方を使わないことも気をつけています。報告書を読んでいただく方を迷わせないことは大切です。
(品質の安定)
・診断の手順や個別項目の内容、報告書の体裁については、その診断の標準があれば当然それに従いますし、診断者の自由になる場合も、自分としていつも使っている方法で対応します。
・できるだけやり方を統一すれば、診断としての質が向上します。当然、標準のやり方は都度改善してより良いものにします。
・下記の記事は、私の場合の手順例です。
診断では以上のようなことを考えています。うまくいったこと、うまくいかなかったことをふりかえり、日々改良中。
写真は、香川県東かがわ市にある「とらまる公園彫刻の森」から、瀬戸内海を見ているところ。海の向こうは、赤穂市や姫路市のあたりです。
===誰一人取り残さない===
