属人化を越えて、自己管理型へ──アジャイルとQAで挑む産業保健プロダクト開発【社員インタビュー】
産業保健の領域で挑戦的なプロダクト開発をおこなうiCARE。プロダクトの品質と成長の鍵を握る「開発プロセス」と「QA(品質保証)」の強化に挑む二人のエンジニアリングマネージャー、杉内さんと古家さんの対談をお届けします。
開発スピードの「犠牲」とされることの多い品質保証を、いかにして「推進力」に変えるのか?二人が語る、「自己管理型組織」への文化変革の全貌と、エンジニアリングにおける挑戦の本質に迫ります。

【プロフィール(左:杉内さん)】
独立系SIerでバックエンドエンジニアとしてキャリアをスタート。金融系基幹システムの運用保守や効率化支援を経験後、QAエンジニアへキャリアチェンジ。第三者検証機関では、100社以上の企業でプロジェクト・プロダクト・組織の品質改善支援やコンサルティング、100名規模のラインマネジメントを経験。2024年4月にiCAREへ入社し、現在はQAEチームを中心に、他2チームのマネージャーも兼務。プロダクト品質の基盤構築や仕組み作りを推進している。
【プロフィール(右:古家さん)】
ニフティ株式会社に新卒入社後、バックエンドエンジニアとして開発を担当。ベトナムのオフショア開発組織の立ち上げや国内チーム統合、リプレースをリード。2016年からフリーランスとして多くの企業で経験を積み、2022年に再び正社員へ。2025年4月よりiCAREに入社。現在は開発組織のイネーブリングチームリーダーを務めつつ、マネージャー兼スクラムマスターとして他2チームのスクラム導入を推進。EM兼スクラムマスターとして組織や仕組みの改善を行い、メンバーが自発的にコミットし成長できる環境づくりに注力している。
二人のマネージャーが語るiCAREでの挑戦
── 本日はお集まりいただきありがとうございます。お二人は普段マネージャーとして活躍されてますが、まずは自己紹介と現在の役割をお願いします。
杉内(以下、杉) 元々、バックエンドエンジニアとして3〜4年経験を積んだ後、QAエンジニアにキャリアチェンジしました。前職では組織に対する品質コンサルティングも行っていました。iCAREへの入社は、私自身が「健康」と「品質」が似ていると感じたことがきっかけです。この「健康」のテーマを通して世の中のためになっていることを肌で感じられるヘルスケア領域に魅力を感じ、現在に至ります。現在は主にQAチームのマネージャーを担っています。
古家(以下、古) 私は新卒でニフティに入社し、バックエンドエンジニア、ベンチャー支援などを経て、6年半ほどフリーランスとしてフルスタックを経験しました。しかし、より大きな事業でインパクトを出したいと考え、3年前に正社員に戻りました。現在はEMとして、開発生産性の向上や組織作りを担っています。特に、iCAREではまだ確立されていないスクラム開発の導入と、メンバーが自律的に動ける「自己管理型組織」の実現を目指しています。
── ありがとうございます。お二人とも「品質」や「組織」といったキーワードが共通しているように感じます。今回は、iCAREの開発プロセスとQAの現状、そして目指す未来について深く掘り下げていきたいと思います。

iCARE開発組織の「現状」と「課題」
── まず現在のiCAREの開発プロセスは、どのようなものでしょうか?また、開発プロセスやQAの観点から見た「現状の課題」があれば教えてください。
杉 進め方としては、大きく分けて二通りあります。一つは半年から1年スパンの「ウォーターフォールに近い進め方」、もう一つは改善要望などを短いサイクルで回す「アジャイルに近い進め方」です。
ただ、フレームワークをがっつりと踏襲しておらず、部分的に取り入れながら推進している段階です。
古 現状は、ロードマップ通りの開発が至上命題となっているため、ウォーターフォールチックな側面が強いです。大きな課題は、改善要望などの対応が、手が空いたシニアメンバーがなんとかするという形で属人化してしまっている点です。
また、スクラム導入においては、「計画通りに終わらせることが正義」という従来の文化と、「よりバリューを生み出すことが目的」というスクラムの根本的なマインドセットの違いを浸透させることに苦労しています。スケジュールが遅れることは悪ではない、という認識を組織全体で共有していく必要があります。

QAとスピード:品質はコストではない
── 多くの開発者が抱く懸念として、「QAを入念にやると開発スピードが落ちる」というものがあります。この点について、お二人はどのように考えていますか?
古 正直に言えば、QA工程が入ることで、開発スケジュールに1〜2週間程度の期間が必要になるのは事実です。しかし、QAの目的は「スピードを落とすこと」ではなく、「品質を高めてバリューを最大化すること」です。
スピードの懸念を解消するために、私たちは以下の施策を進めています。一つは、テストの自動化を可能な限り進めること。もう一つは、手動テストが必要な部分を最小限に抑え、そこにリソースを集中できるよう、エンジニアのQAスキルを向上させることです。
杉 私も、工数が増えるのは必然だと認識しています。重要なのは、やるべきことをいかに短い時間で、ベストパフォーマンスにつなげられるかです。
QAの観点は二つあります。一つは「仕様通りに動くか」の確認。
もう一つは「そもそもその仕様が間違っていないか」の確認です。上流工程からQAがコミットし、仕様の矛盾や誤りを早期に指摘できれば、手戻りによる後工程での大きなコストを未然に防げます。
この二つの視点を持ち、活動結果を可視化することで、自らの活動の価値を証明し続ける必要があります。
エンジニアとしてのやりがい、そして未来へ
── 最後に、iCAREという環境でエンジニアリングマネージャーとして目指す組織の未来の姿、そしてこれからiCAREを目指すエンジニアに伝えたいメッセージをお願いします。
古 目指しているのは、「重要なことにフォーカスできる組織」、つまり「自己管理型組織」の確立です。
メンバーが「お客様にとって何が最も価値が高いバリューなのか」を理解し、目先の納期ではなく、「バリューを出すために今何が必要か」という判断を自律的にできるようにします。
さらに、タスクの進捗だけでなく、「その活動がお客さんの変化やビジネスにどう繋がったか」というアウトカムやビジネスレベルのデータも可視化して、自己管理の指標に含めていきたいです。
杉 私も古家さんと同意見で、目指すは「自己管理型組織」です。
QAの観点から言えば、スクラムの三原則(透明性、検査、適応)が組織全体に適用できることが理想です。客観的なデータに基づいて何が良かったか、悪かったかを検査し、改善を繰り返していく。
このサイクルが定着すれば、メンバーは「何に注力すべきか」に迷わなくなり、自らの活動が会社の成長にどう繋がっているかを明確に把握できます。QAも開発も、この視点を使いこなせる組織になれば、より自立した形で、世の中に自信を持ってプロダクトを送り出せると確信しています。
挑戦を続けるiCAREの組織文化
iCAREのエンジニアリングマネージャー二人の言葉からは、組織が抱える課題を真正面から受け止め、それを成長の糧にしようという強い意志が感じられました。特に「品質はコストではない」という言葉や、「自己管理型組織への文化変革」を目指す熱意は、iCAREが単なる受動的な開発組織ではなく、能動的に成長し続ける「生きた組織」であることを示しています。
iCAREの変化はまだ道半ば。
だからこそ、ここには仕組みをつくる面白さと人を育てる手応えが共存しています。
技術を通じて「働くひとの健康を世界中につくる」──
この壮大なビジョンを実現するため、iCAREは仕組みをつくる挑戦者を求めています。品質と成長の両輪を回す、そんな未来を、私たちと一緒に創っていきませんか。iCAREでは、開発ポジションを募集しています。ご興味をお持ちいただいた方はぜひ以下のページよりカジュアル面談にお申し込みください。
【記事・カメラ:アオキタカユキ】
