SIerから産業保健の世界へ。まるっと開発してきたエンジニアが語る「使っていくうちに馴染む」仕事術
新たにCarely開発チームに参加した川村さんは、SIerとして20年、Webエンジニアとして5年のキャリアを持つエンジニアです。官公庁系システムから大学のネットワーク監視、そして現在のWebサービスまで、幅広い技術に触れてきた川村に、これまでのキャリアや開発におけるスタンスについて聞きました。

【プロフィール】
地元に本社があったSI会社に就職するも、1年後に東京へ転勤。以降20年近く官公庁系案件の現場を渡り歩き、オフショアやスクラム開発なども経験。
その後、自社プロダクトを持つ会社でバックエンドエンジニアとして5年ほど従事し、2026年3月にiCAREへ入社。エンハンスチームで健康管理システムの機能改善に取り組んでいる。
「まるっと」作る世代のキャリア
── これまでのキャリアについて教えてください。
川村: SIerを20年くらい、Webエンジニアと言われているものを5年くらいやっています。前職ではバックエンド寄りの機能開発、主にAPIの開発やデータベースの調整などをやっていました。
SIerの時は官公庁系のシステムが多くて、大体1、2年くらいのプロジェクトで設計、製造、テストまでやっていました。たまにユーザーへの説明に行ったり、本当に昔の開発だと「物(フロッピーディスクやCD-ROMなど)を持って展開しに行く」みたいなこともやっていましたね。
Pure Rubyで書いた思い出のプロダクト
── 今まで関わった中で、一番思い出深いプロダクトは何ですか?
川村: 2017〜2018年頃にやった、大学同士を繋ぐネットワークからトラフィックデータを集めてグラフ化するシステムですね。ネットワークの中にコアルーターが何台も入っていて、そこからSNMPで情報を集めてグラフ化するという案件でした。
システムのベースはOSSのツールだったんですが、要件に合わせてかなりカスタマイズを入れないといけなくて。ライブラリがRubyで書かれていたので、中身をピュアなRubyでモンキーパッチを当てる作業を延々とやっていました。ネットワークの低レイヤーな部分を触っていたので、印象に残っています。
他社での面接時の話ですが「Rubyでどんなことをやってたんですか?」と聞かれてこの話をしたら、「Webとはジャンルが違いすぎてちょっとよく分からないです」と言われてしまいました(笑)。
エンジニアとしての自分は「代替品」
── エンジニアとして、自分を一言で表すと何だと思いますか?
川村: 一言ではないですが、「代替の製品」みたいな感じですかね。新人時代は「なんだこれ?」と思われることも多かったらしいんですが(笑)、一緒に仕事をして使っていくうちに使いやすくなってきて、最後は「任せるから」と安心してもらえるような、そんなエンジニアだと思っています。
「意思決定の言語化」が、10年後のプロダクトを救う
── 開発現場で、川村さんが最も重要だと考えることは何でしょうか。
川村:「なぜその技術選定をしたのか」という背景をテキストで残しておくことです。特に数万人規模へのエンタープライズシフトを見据える今のiCAREでは、このプロセスが不可欠になります。
── 数年後に振り返った時、当時の文脈が重要になると。
川村: はい。「当時はこの規模だったからこの実装にした」という経緯がわかれば、データが増えて「重くなった」時も、前向きな反省と改善ができます。こうした「引き算」の決断や、データの重さへの対策は、僕のような世代がこれまでの経験を活かして貢献できる部分だと思っています。

AIは「コード」を書くが、人間は「責任」を書く
── 最後に、AI時代におけるエンジニアの価値について伺えますか。
川村: 根本的なところとして、エンジニアが「課題解決をする力」であることは変わらないと思っています。ただ、そこに至るまでのアプローチが変わってきますよね。
── AIに作らせるだけでなく、その先の「目利き」になれるかどうか。
川村: その通りです。Carelyのように働くひとの健康を支えるプロダクトには、高い誠実さが求められます。AIを賢く使いこなしつつ、最終的な品質には自分が責任を持つ。そんな「安心感のあるエンジニア」として、iCAREのチームを支えていきたいですね。
生成AIを使えば、これまで時間がかかっていたものが数秒から数十分で出来上がります。ただ、大量に出来上がったものに対して「誰が責任を持つのか」というと、最終的には人間が持つしかありません。出来上がったものを評価できなかったり、嘘が含まれていることに気づかずにそのまま出してしまうと、求めていた結果にはなりません。
自分でコードを書きながら「あ、ここはおかしいな」と修正していくスタイルから、AIが作るための事前準備をしっかり行い、出てきた成果物を評価・判断していく動き方に変わると思います。分業する中での「担当するポジションが変わった」というのが、一番大きいような気がしますね。
川村さんの言葉からは、25年のキャリアに裏打ちされた技術への向き合い方と、プロダクト開発に対する冷静な視点が感じられました。
AIが瞬時にコードを生成するようになっても、最終的にその成果物の品質を評価し、責任を持つのは人間である
技術の進化を柔軟に受け入れつつも、エンジニアとしての根本的な役割を見失わない川村さんが、今後Carely開発チームにどのような変化をもたらしていくのか注目です。
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