実体験から考えるギバーと引き寄せの法則
先日、非常にお世話になっている方とお会いしました。定期的に情報交換をさせていただいている方で、年齢は2回り上、24歳ほど上の大先輩です。経済界にも広いコネクションをお持ちで、お会いするたびに学ばせていただいています。
その方と話していて、改めて強く意識させられました。ギバーの精神と引き寄せの法則についてです。
「運が良かった」と言った人の正体
その方との出会いは、1回り上の先輩に紹介していただいたことがきっかけでした。2025年の年末頃、「AIやブロックチェーンに詳しい人と話したい」という相談があったそうです。
たまたま私がAIの仕事をしていて、以前はブロックチェーンの仕事もしていた。先輩の持つ手札の中でマッチするカードだったので、ご紹介いただいたという経緯です。
先日お会いした際、こんな話を聞きました。
もともとその方は、お客様との会話の中で「2026年3月末までにプロトタイプを見せる」と約束していたそうです。新しいビジネスを早いスピードで立ち上げたいという思いがあったものの、3月末という期限はかなりハードな目標でした。
ところが、2025年末に私と話をさせていただき、相談を聞いた結果、2026年1月中旬には私がプロトタイプを完成させてしまいました。
こんなスピードで作れるのか
と驚かれたそうです。結果的に2月上旬にはお客様にお見せでき、約束より1か月半以上早いタイミングで納品できました。お客様もかなり前向きになったとのことです。
そのとき、その方はこうおっしゃいました。
本当に運が良かった
私はこの言葉に感銘を受けました。この方は紛れもなくギバー(与える人)です。出会ってからまだそれほど経っていませんが、すでに多くのことを学ばせていただいています。私を紹介してくださった先輩も、7〜8年この方と関わる中で多くのことを学んできたとおっしゃっていました。
下の世代に惜しみなく与える。おそらくお客様にも同じ姿勢で接していらっしゃる。だからこそ、困ったときにネットワークの中から私のような人間が現れ、力になれた。「運が良かった」のではなく、ギブを続けてきた結果として引き寄せたのです。
私自身も、この方には非常にお世話になっているので、この方のためなら無下にはしたくない、何とか返したい。これこそが、ギバーが結果的にもっともテイクしているという法則性なのかもしれません。
人生の恩師に見たギバーの姿
この方以外にも、私には人生の恩師と呼べる方がいます。大学時代、宇宙物理のアカデミアの世界ではなくビジネスマンになろうと決断させてくださった方です。大学の野球部の先輩で、ちょうど12歳上になります。
この方も非常に強いギバーです。ビジネスマンとして数々の結果を残していますが、見返りを求めません。大学院に通いながらその方の右腕としていろんな経験をさせていただきました。社会人になってからは東京や香港に住むことになり、大阪にいらっしゃるその方と会う回数は減りましたが、会うたびに学びを与えてくださいます。
その方の周りには、素晴らしい人たちが集まっています。これも引き寄せの法則なのでしょう。
ギバーの周りからテイカーが消える理由

本来、ギブする人というのは、テイカー(奪う側の人間)から見れば格好の標的です。「あの人の近くにいれば利益がありそうだ」と考える人間が寄ってくることもあります。
ただ、真にギブをしている人はそんなことを気にしません。それでも与え続けます。
すると何が起きるか。周囲の人間がテイカーを引き剥がそうとするのです。結果として、ギバーの周りには素晴らしい人ばかりが残ります。
私はこれまでの人生で、そうした光景を何度か見てきました。ギバーで居続けることは、テイクするほど楽ではありません。与え続けるというのは大変なことです。だからこそ、それを体現し続けてきた人の周りには素晴らしい人が集まり、成功している方が多いのです。
一方で、誰かの隙を突いて何かを奪ってやろうというヴィラン的マインドの人は、どこかで消えていく。うまくいかなくなる。そういう印象があります。
上から受けたものを下へ送る

今回のケースで改めて気づいたことがあります。
大学の先輩も、会社の先輩も1回り上。そして先日お会いした方は2回り上です。私は1回り上、2回り上の方々から多くのものを授かってきました。
そうなると、私がやるべきことは明確です。自分の12歳下、つまり25歳くらいの世代にギブを返すことです。
そして若い世代を育てると、その層が今度はさらに1回り下の層を可愛がる。現在13歳くらいの子どもたちが大人になった頃、いつか困ったときに「あの人に相談しよう」と頼ってもらえる。そんな人間関係の連鎖が築けるのではないかと考えています。
だから私は、今まで受けてきたギブを自分で溜め込まず、下の世代に送り出せる人間になりたい。その決意があります。自分のところで止めてしまっては、自分はプラスかもしれませんが、それは少し悲しい。ギブを送れないということは、自分に余裕がないということだと思うのです。
ギブできるのは余裕があるから
他人にギブできるかどうかは、本人に余裕があるかどうかに強く関係しています。
少し話が逸れますが、私の両親も妻の両親も、大富豪ではありません。一般的なサラリーマン家庭です。ただ、時代が良かったこともあり、高齢者世代には少しばかりの余裕があります。だから孫を連れて行くと嬉しそうにしてくれる。その姿を見ると私も嬉しくなります。
お互いの両親を喜ばせてやれるのは、自分にも一定のお金や心の余裕があるからでしょう。
根っからのギバーという話もあるかもしれません。ただ統計的に見ても、自分が満たされている人、人生に余裕がある人は、他人にギブする余裕があるのでしょう。
つまり、私が上の世代からギブをもらってきたように、下の世代にギブできるかどうかは、私自身がしっかり結果を出して余裕を作れるかどうかにかかっています。しっかりやっていれば、1回り下、2回り下の世代から将来頼ってもらえる存在になれるのではないか。そうあるべきなのです。
退職を控えた人に人が集まった話
ファーストキャリアの会社でこの3月末で定年退職を控えている方と、先日食事をする機会がありました。
食事の後、私が在籍していた時にその方の部下だった同期や先輩たちに連絡しました。「◯◯さんと食事をしました」と伝えると、「先週お祝い会やったよ」「今度お祝い会をやるよ」という話が返ってきました。
今は人事異動でバラバラになっているにもかかわらず、退職のタイミングで皆が集まる。これはその方の人徳なのでしょう。

サラリーマンの飲み会でお金を多く出し続けたから尊敬されるわけではないはずです。その人自身の人徳が、10年前に若手だった人たちの心に残っていて、最後に寄り添いたいと思わせる。しんどいときに周囲から癒してもらえる人格というのは、非常に素晴らしいものです。これもギバーの姿です。
魂から溢れるギバーでありたい
仕事をしたり人と繋がったりするというのは、非常に社会的な活動です。その中で一人で居続けるのは難しい。だから組織に所属したり、いろんな方と繋がるわけです。その繋がりの中で生きていく上で、好感度や魅力を伝えるにはギバーのマインドが欠かせないのではないでしょうか。
ギバーの精神と引き寄せの法則。魅力的な人は魅力的な人を引き寄せる。私の実体験を通じて、これは確かに起きるのです。
ただ、これは「テイクしてやろう」と狙ってできるものではありません。魂から溢れるギバーの精神が周囲に伝播し、結果としてそうなっている。狙ってなれるものではないでしょう。
だからこそ私は、自分自身が精一杯生きて余裕を作り、与えてもらったものを活かし、次の世代に送っていく。上の世代には感謝を伝えつつも、受け取ってもらえないことが多いので、次の世代に返すことを意識する。
誰かにとって気持ちいい存在でありたい。そう願いながら、自分に問いかけ続けていきます。
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