【週初エッセイ】 連休明け一週間、 エンジンがかからなくていい
五月病と呼ばずに、 そっと向き合う
月曜の朝、カレンダーはいつも通り進みます。
予定は並ぶ。
通知は鳴る。
世界は平常運転の文字を大きく掲げている。
それなのに、身体はまだ休暇の速度のまま。
珈琲の湯気を見つめている時間が、いつもより長い。
Slack の入力欄に指を置いても、最初の一行が出てこない。
かつての僕は、ここで自分を急かしました。
「五月病だ」
「甘えだ」
「フリーランスなのに」
ラベルは、一瞬で心を固定します。
名前がついた瞬間に、対処法まで勝手に決まってしまうからです。
でも今年の僕は、少しだけ手を止めます。
エンジンがかからない一週間は、故障じゃないかもしれないと。
連休は身体の季節をひとつ飛ばす
連休というのは、便利な箱です。
カレンダーに休みと書かれた区間を越えると、社会は一気に平常へ戻る。
でも身体は、そんなに器用じゃない。
睡眠のリズム。
腸の動き。
光の量に合わせた目の開き方。
どれも、飛ばし読みができません。
フリーランスは、自分で休みを設計できるぶん、「休んだあとに取り戻せ」と自分に厳しくなりがちです。
吃音もあって、言葉が詰まる日ほど、頭だけが先に走ろうとして空回りする。
そのズレを、病名で縛る必要はないのかもしれません。
ただ、切り替えに時間がいるだけなのかもしれません。
五月病より前に置く、 小さな問い
僕が自分に聞くようになったのは、三つの短い問いです。
眠れているか。
食べられているか。
誰かと話す必要を、今日は減らせるか。
立派なセルフケアのリストじゃない。
ただ、身体の周波数を確認するためのチューニングです。
エンジンがかからないときほど、ハンドルを切りすぎない。
アクセルを踏みすぎない。
一週間のはじまりを、いきなり高速道路に出さない。
国道を少し走ってから合流するくらいでいいのです。
かからない週が、 次の週を軽くする
かからなかった一週間は、欠損じゃない。
次の週を軽くするための助走かもしれません。
僕はそう信じるようにしました。
焦らず、名づけず、そっと向き合う。
みなさんの連休明けが、裁きではなく観察で始まりますように。
ひとりごと
ラベルは楽です。
でも、楽なほど輪郭が粗くなることもある。
僕は今年、五月の最初の一週間を、もう少し長い呼吸で過ごしてみます。
みなさんのエンジンが、無理のない回転数で温まりますように。

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