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【週末エッセイ】 完璧を手放す。未完成な 12 月を愛おしむ

師走の空気が、僕らを急かすけれど

街がクリスマスのイルミネーションで彩られ、スーパーにはお正月飾りが並び始める。

12 月に入ると、世の中全体の BGM が少しだけテンポアップしたように感じます。

「今年もあと 1 ヶ月しかない」
「あれもやってない、これも終わってない」

SNS を開けば、「今年中にやるべきことリスト」や「2025 年に向けた完璧な準備」といった言葉が飛び交い、無意識のうちに心がざわつきます。

かつての僕もそうでした。

手帳を開いては、チェックボックスが埋まっていないタスクを睨みつけ、「なんでこんなに進んでいないんだ」と自分を責める。

1 年の締めくくりを「完璧」にしないと、新しい年を迎えられないような強迫観念に駆られていました。

でも、今は少し違います。
温かいコーヒーを淹れて、窓の外の冬空を眺めながら思うのです。

「まあ、全部終わらなくてもいいか」と。

「やり残し」 は 「失敗」 ではない

僕らはつい、1 年という区切りに大きな意味を持たせすぎてしまいます。

12 月 31 日までに目標を達成できなかったら、その 1 年が「失敗」だったかのように感じてしまう。

けれど、人生という長い物語において、12 月 31 日は単なる通過点に過ぎません。

カレンダーが変わる瞬間に、僕たちの積み上げてきたものがリセットされるわけではないのです。

今年の初めに立てた目標。

その半分しか達成できていなかったとしても、それは「失敗」ではありません。

半分まで進んだという「事実」があるだけです。

手つかずのまま残ってしまったタスク。
それは「怠惰の証」ではありません。

今年一年、他のもっと大切なこと——例えば、急なトラブルへの対応や、大切な人との時間、あるいは自分自身の休息——に時間を使った結果かもしれません。

「やり残したこと」があるというのは、まだやりたいことがあるということ。

それは、未来への「種まき」が済んでいると捉えることもできるのではないでしょうか。

完璧な円よりも、歪な螺旋(らせん)を

フリーランスとして開発の仕事をしていると、つい「完了」を求めてしまいます。

仕様通りに実装し、バグを潰し、きれいに納品する。
そこには明確なゴールがあります。

しかし、生きることや暮らすことに、明確な「完了」はありません。
部屋を片付けてもまた散らかるし、技術を学んでも新しい技術が出てくる。
人間関係も、自分の心も、常に揺れ動き、変化し続けています。

完璧な円を閉じるように 1 年を終えようとすると、どうしても無理が生じます。

はみ出した部分を切り落としたり、足りない部分を無理やり埋めたり。

でも、僕らが描いているのは円ではなく、螺旋(らせん)なのかもしれません。

一見、同じような場所をぐるぐる回っているように見えても、少しずつ、確実に上に登っている。
あるいは深く潜っている。

今年の「やり残し」は、来年の螺旋へと続く大切な架け橋です。
途切れているからこそ、そこからまた新しい物語を紡ぐことができるのです。

未完成な自分を、そのまま抱きしめる

12 月の残りの日々。

僕は、何かを「終わらせる」ことよりも、今の自分を「味わう」ことに使いたいと思います。

読みかけの本を、無理に読み切らなくてもいい。
書きかけのコードを、完璧にリファクタリングしなくてもいい。
大掃除で、すべての汚れを落としきれなくてもいい。

「ここまでよくやったね」
「残りは来年の楽しみにとっておこうか」

そんなふうに、未完成な自分を許し、愛おしむ時間を持つこと。
それこそが、僕にとっての本当の「年の瀬の支度」なのかもしれません。

完璧じゃなくていい。
むしろ、完璧じゃないからこそ、余白が生まれます。
その余白に、来年の新しい風が吹き込んでくるのだと信じています。

今週末は、手帳の「未完了」マークを眺めながら、苦笑いしてコーヒーを飲むことにします。

「また来年、よろしく頼むよ」と、未来の自分にバトンを渡すような気持ちで。

みなさんも、どうか穏やかな週末を。

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完璧主義を手放し、自分らしいペースを取り戻すための思考法について、以下の記事でも綴っています。

がむしゃらに努力することだけが正解じゃない。

力を抜くことの大切さに気づいた物語です。

高い目標に押しつぶされそうになっている方へ。

自分にとって心地よい目標設定のヒントをまとめています。

忙しい日々の中で、意図的に「何もしない時間」を作ることの豊かさについて。

ひとりごと

「師走」という言葉の響きだけで、なんだか走り出さなきゃいけないような気になりますよね。

でも、走っているときには見えない景色が、立ち止まると見えてきます。

今年、僕が一番「やってよかった」と思うのは、何かを成し遂げたことよりも、こうして毎日 note を書き、みなさんと想いを共有できたことかもしれません。

この記事を読んで、もし少しでも肩の力が抜けたら、スキやコメントで教えてもらえると嬉しいです。

あなたの「やり残し」エピソードも、よかったらこっそり教えてくださいね。

2025© おおとろ

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