今、考えるユーロの基軸通貨性(前編)
早いもので9月ももう終わりです。今週も新しい動画を配信させて頂いております。エコラボではスイスに焦点を当て、なぜここまで日本円とスイスフランに差がついたのかを解説しました。完全に私の趣味に走ったテーマですが非常に良く視聴されており、だんだんエコラボもマニアックな固定ファンが付き始めたのではないかと勝手解釈で喜んでおります:
改めて考える、ユーロの基軸通貨性
さて、今回は楽しみにしている人も多い(はず)の長考モノです。
テーマはずばり「ユーロの基軸通貨性」です。為替市場に参加されている方はお感じの通り、年初来、上述のスイスフランに並んで、ユーロも堅調が続いております。対ドルでは1.20に肉薄し、対円では175円弱の高値で推移しています。そのような記事もよく目にするようになりました:
周知の通り、第二次トランプ政権発足以降、米国が孤立性を深めるに伴い「ドルの基軸通貨性」が為替市場、いや金融市場全体で争点化しています。具体的には「ドルの基軸通貨性は毀損しているのか」という問題意識が浮上しているわけですが、それは同時に「結果として浮上する通貨は何か」という問題意識とも重なるわけです。
「ドルの基軸通貨性」が毀損しているとはいっても、それは「ドル一強体制」から「多極通貨体制」への移行を意味するでしょうから、引き続きドルの支配的な地位を踏まえた上で「ドル+α」の世界観を想像することになります。過去のnoteでも米財務省統計(TICデータ)を通じ「安易にドル離れや基軸通貨性の崩壊を煽るのは良くない」という議論を展開して参りました:
引き続きドルが早晩、基軸通貨から転がり落ちるようなストーリーは刺激的ではありますが、非現実的だとも思います。実際に金融市場の見通しを検討する上では「ドル+α」の世界観を前提としつつ、α部分に関しどの通貨の台頭を想像するかが重要になるはずです。
言い換えれば「最強なのはドルとしても、相対的に浮上する通貨はあるはず」という目線が中長期的に重要な話になると思います。
この点、ドルの写し鏡としてユーロが当然注目されやすく、年初来の堅調をその文脈から理解しようとする向きは少なくないでしょう。
実際、今年に入ってからその守護者であるECBからも同論点への言及が多く見られ始めています。そこで改めて「ユーロは第二の基軸通貨足り得るのか」という点に関し、最近、ECB自身が提示した議論を踏まえ、論点整理を行いたいと思います。資産運用戦略はこうした長期的な視座と戦略の下、「過小評価されている資産を如何に仕込むか」が大事になってくるわけですから、今回の議論は知っておいて損はないと思います。
ここから先は
この記事は noteマネー にピックアップされました
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?

