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本の紹介22冊目:暴落予想「高金利・高インフレ時代の到来!エブリシング・クラッシュと新秩序」 エミン・ユルマズ

今回紹介するのは、2025年5月26日に出版されたばかりの書籍です。

筆者は、メディア露出が多く、トルコ人のエミン氏です。

日々YoutubeやNoteで情報発信していますが、1冊の書籍に情報がまとまっていて、非常にわかりやすいです。

私が知らなかった内容が多く、面白く、一気読みしました。


案内文の紹介

書籍の案内文は以下です。

2025年4月2日、アメリカのトランプ大統領が世界に向けて発表した関税政策は、世界中に衝撃を与え、世界同時株安を招いた。NYダウやS&P、NASDAQなどの米国の株価の主要指数の暴落は一週間ほど続き、日経平均も一時は500兆円もの時価総額を失うほどの暴落となった。いわゆる「トランプショック」である。

日々の経済データの分析のみならず、経済の歴史も深く研究している著者は、今回の「トランプショック」を単なる一時的なものとは捉えず、世界経済や国際政治が大きく変化するパラダイム・シフトと捉えている。BRICS諸国も台頭する今、人々は歴史的な転換期にあると考えている。米国と中国の新冷戦、それによる世界経済のディカップリングを早くから予見していた著者は、常に著書やSNSで最新の情報を発表してきた。本書では、それらを集大成し、世界が変わる重大な局面における、発想の転換を促す。

ますますひどくなる新冷戦によって世界経済がブロック化し、世界中がより高インフレに悩まされ、インフレ下の不況すなわちスタグフレーションに陥りかねないことに、著者は警鐘を鳴らす。先行きが見えない時代に、自分の資産を守るにはどうしたら良いか、歴史を学び長期的な視点を持つことの大切さを説く1冊。


私、桐島の予想

私も、数々の書籍を読んでいますが、最近、エミン氏に限らず、以下の主張が増えています。みんなが予想し始めることは実際にそのようになるということです。

景気は、みなさんの気配で成り立っていますので、同じ予想をする人が増えれば、実際にそのような事態に陥るのです(=自己実現効果)。

経済ってそういうものなのです!!!

●今回のトランプ・ショックは世界経済や国際政治が大きく変化するパラダイム・シフトに繋がる。
●新冷戦によって世界経済がブロック化し、世界中がより高インフレに悩まされ、インフレ下の不況すなわちスタグフレーションに陥いる。
●結果として、2025年中に株式が大暴落するタイミングがやってくる。

以前紹介した齋藤ジン氏の主張も同じです。


いつ世界経済の暴落は始まるのか?

私は以前、以下の記事でいつ世界経済の暴落は始まるのか?
を気にしていると述べましたが、この書籍はその答えを示してくれています。

さて、結論を先取りします。
ロジックに基づいた予想をしていて、好感が持てます。

1.いつ全世界的な景気後退が始まるのか?
⇒原油相場が65~66ドルラインを割り込んでいるためそろそろ

2.アメリカはどうなるの?
⇒製造業の復活は不可能(アメリカ人はモノ作りをしたくない。マクドナルドでハンバーガー売ることの方が好き。平均年収は日本の2.5倍なので、モノ作りしたら超高級なモノになる)
⇒資本主義が行き過ぎた結果生まれたあまりにもひど過ぎる格差社会をトランプは拡大させるので、アメリカは持続できない
⇒景気が弱くなるのにインフレが高まるスタグフレーションが起きる

3.いつアメリカの景気後退がはじまるのか?
⇒2024年末に米国債の長期金利と短期金利の逆転(=逆イールド)が発生しているため、歴史的にはその後1年~1年半後に景気後退が発生。つまり、2025年末~2026年半ばには景気後退に陥る。



どのように備えればよいか?

景気後退に備えるために、本書が提示する代表的なものをまとめます。

1.米株から日本株へ保有を移す(米株は上がり過ぎていて下落が大きいが日本株は下落は小さい、為替リスクを背負う必要のない日本株は必須)

2.ゴールドの価格が上がり過ぎているので、シルバーとプラチナが今後上昇する可能性がある。いまから買いか?

3.利回りが4%以上あり、もっとも安全性に富む米国10年債を購入する(ウォーレン・バフェットが既に実施していること)



アメリカの景気後退

私が、この本で1番面白かった箇所は、

2024年末に米国債の長期金利と短期金利の逆転(=逆イールド)が発生しているため、1年~1年半後の2025年末~2026年半ばに景気後退が発生するという分析の箇所です。

以下の図には、赤丸印の逆イールドが発生してから1年~1年半後に、青枠の景気後退が始まる法則が示されています。

「逆イールドがいったん解消された後」と時間差があるのが面白いです。


なぜ長期金利と短期金利が逆転するのか?

普通は、国債は長期金利の方が金利が高いです。上の図でも

10年国債金利-2年国債金利=+(正の値)になっています。 

しかし、2年国債金利の方が高くなるというのは、以下の流れです。

多くの投資家が、今後米国の景気が悪くなると予想する

はやく金利が高い10年債を買って高い利率(4.1%)で金利をロックしたい

10年債の人気が上がるため、10年債の金利が下がる(たくさんの人が欲しいと思えば、金利は下がります)

2年債の人気は下がるため、金利が上がる

2年債の金利(4.3%)と10年債の金利(4.1%)が逆転する



外国人に対する金融課税

いまやアメリカ人以外の多くの投資家も、米国債を購入しています。

しかし、ここにきて、トランプが、米国債を保有する外国人に対して金融課税をするという不穏なニュースがあります。

つまり、100万円の米国債を購入して、年間4%の4万円の金利がもらえると思っていたら、その4万円に20%の課税がなされ、もらえる額が3.2万円に減るということです。

米国債、人気ががた落ちですね、、、米国は信用できない国なので、米国の株や債券の購入が怖くなります。

トランプ政権の外国人投資家課税強化策、米国債需要に影響か
2025年05月30日(金)12時04分
[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米連邦議会下院が5月22日可決した、包括的な税制・歳出法案には外国人投資家への課税を強化する政策が盛り込まれており、米金融業界では法案が成立すれば米国債やドルの需要を冷え込ませるのではないかと懸念する声が出ている。

トランプ大統領が成立を求めている同法案には、米国が不公平と見なす税を課している国・地域の個人・企業に対して課税する第899という項目がある。この項目は外国人投資家について、配当やロイヤルティー収入などパッシブインカム(受動的な収入)に最大20%の累進税率で課税するとの提案を含んでいる。

議会予算局(CBO)の試算によると、この法案が上院でも可決されて成立した場合、外国人投資家への課税強化で向こう10年間に1160億ドルの税収が見込まれている。

ドイツ銀行の外為調査ヘッド、ジョージ・サラベロス氏は29日のノートで「この法案は、米政府が望めば貿易戦争を資本戦争に転換する余地を作るものだとわれわれは見ている」と書き、新たな課税は米国債の需要にとってマイナスの影響を与えるだろうと付け加えた。

折しも、米国の財政赤字拡大や新たな通商政策によって市場では「米国例外主義」に懐疑的な見方が広がり始めている。

モルガン・スタンレーはノートで、新たな課税制度によってドルが下落し、米資産に対する外国からの引き合いが弱まると予想した。



オルカンやS&Pはやばい

このような米国の動きを見るにつけ、米国企業や債券に投資するのは、リスクが多く、バカバカしくなります!!!

私も「分散投資」を信じて、オルカンやS&Pを保有していますが、徐々に売却しています。完全に損していますが、今後の米国を全く信用することができません!

本書を読むと、米国市場を信用できない人が世界で増加しているという実際の動向が把握できます♪



桐島に刺さった内容

さて、米国の景気後退の話に最も感銘を受けましたが、それ以外に面白かった内容を抜粋します。

●(今後の株価の)暴落相場は、一気にクラッシュが起きるというよりも、反発を入れながら、指数がじわじわと下がっていくパターンになるのではないかと思っている。(中略)関税の影響を受けない内需関連で連れ安している銘柄は、買い場のチャンスをじっくり観察すべきだろう。しかし、輸出関連企業の銘柄は、相場が落ち着くまでは、しばらくは避けたほうが無難だと思っている。(P21)

●「金利の高い米国債よりも、超低金利の日本国債のほうがまだマシ」だと市場が思っているという異常な状況で、米ドルと米国債への信頼が揺らいでいる証拠でもある。日米金利差を見ると当然ながら上昇している。(P29 )

●原油が米中貿易戦争時にも割り込んだサポートライン(65~66ドル)を大きく割ってしまったということは、世界のエネルギー需要が低下しているということだ。(中略)これから先の不況を、象徴するサインかもしれない(P32)

●これから4年後にトランプが白人高卒の支持者のために何か実績を残せるかといえば、結局、何もできないだろうと、私は思う。
前回のトランプ政権時を振り返ってみればいい。前回大統領を務めた4年間で、トランプは何をしたのか?富裕層・法人税減税を行った。株高を膨張させた。それ以外には何もしなかったではないか。結果的に得をしたのは富裕層と法人だけだった。(P45)

●業界から寄付をもらったから、暗号資産に対する考えがくるりと変わったりするところなどは、いかにも損得で動くトランプらしい。おまけに就任直前に自分と妻の名前でミームコインを出したことは、さすがに私も予想外だった。(P51)
●トランプが行ったことは完全にアウトである。大統領就任前日に自分とメラニア夫人の名前で、ミームコインを販売した。そのミームコインを詐欺容疑で捜査を受けていた中国人の資産家チャンポン・ジャオ氏が7500万ドル分(約100億円分)購入した。その直後、ジャオ氏に対する捜査が停止となった。これは体のいい賄賂で、トークンの75%の利益をもらう仕組みになっていた。仮想通貨を通して、直接お金が入る方法をトランプ側が見つけた模様である。(P54)

●シークレット・サービスはどこに寝泊まりしているかというと、すべてトランプが経営するホテルに泊まっていて、そこで発生する経費はすべて米国政府に請求されている。トランプの公私混同はこんなところにも表れている。(P55)

●誰もが知っているように、米国でモノをつくる”コスト”は馬鹿馬鹿しいほど高い。それを裏付けるのが、米国の一般的な人たちの年収の高さだ。(中略)2023年には米国人の平均年収は日本人の2.5倍まで広がった。(P60)

●習近平の最終第3期目とトランプ政権が重なったことで、台湾有事のリスクが高まったと思う。その理由の1つとして、トランプの次の発言が挙げられる。「ロシアのほうが大きいのだから、ウクライナはロシアの要求を呑むべきだった」このロジックはそのまま中国と台湾にも通用するのではないか。(P70)

●トランプはこう訴えた。「ガザの原住民を周辺国に送って、そこをリゾート地に開発すれば大儲けできるではないか」(中略)元からの住民を他所へ根こそぎ移住させることを提案するなど、住民に寄り添うどころか、本末転倒の強欲を露わにしてみせる。こんなことを米国の大統領が悪びれずに語っているとは、おぞましい限りと言うしかない。(P72)

●日本ではあまり知られていないことだが、トランプの大統領返り咲きを実現に導いた重要な公約、それは「米国内の卵の市販価格を下げる」であった。それほどここにきて米国の卵価格は鳥インフルエンザの流行を契機に高騰し、国民生活、外食産業を疲弊させている。(中略)
大掛かりな不法移民の追跡は、米国に何をもたらすのか?
労働現場の実情を見る限り、米国のインフレの再燃は必至だと、私は思う。(P75)

●欧州はもはや米国に頼るべきではない。欧州は独自で軍隊をつくるべきだとする論調に傾いている。(P80)

●私自身は米国が抱える最大の問題は移民云々ではないと思っている。資本主義が行き過ぎた結果生まれた、あまりにも酷すぎる格差社会だと捉えている。(中略)
(米国の鉄鋼会社の)クリーブランド・クリフス社のローレンス・ゴンサルベスCEOの年収をご存知だろうか?
日本円にして40億円である。世界の鉄鋼メーカーの生産量ランキング(2023年)において日本製鉄4位、クリーブランド・クリフスは22位。雲泥の差がある。かつての米国のCEOの年収は、当該企業の平均年収の多くても20倍から30倍であった。それでは現在はどうなのか?米国のCEOの収入は平均年収の200倍から300倍に跳ね上がっているのである。(P88)

●製造プロセスを任せられるプロフェッショナルが米国で育っていない。そうした人材に関して米国は海外に頼ってきたからだ。(中略)エンジニアをきちんと育てているのは、むしろ台湾や、中国のほうなのである。(P91)

●コロナ禍を経て米国で加速しているのが非婚率の高さだ。(中略)米国の若い世代には自分の人生設計が描けない人が多い。(P93)

●(トランプは)自信の権力のバウンダリー(境界)を試しているのだと思う。大統領としてどこまでが許されるのかを。例えば、裁判所の命令を無視してもいいのか。気に入らない裁判官を更迭してもいいのか。少しずつためしている。2021年1月6日に起きた米連邦議会襲撃事件において、実質的にクーデターをけしかけたトランプを刑務所送りにできなかったのは、米国にとって取り返しのつかない失敗ではなかったか。
大統領に返り咲いたトランプは、大統領就任初日に裁判で有罪となった約1600人に大統領令発動で恩赦を与えた。また長期刑を受けていた14人も釈放された。
こうしたトランプの振り舞いは、米国の権威主義もしくは独裁主義への動きが間違いなく起きている証左でもある。(P99)

●現在のウォーレン・バフェットは記録的なキャッシュ水運にあるのだが、このタイミングでわざわざ日本株を買いに来た。この選択はメイクセンスで、確かに関税に振り回されるご時勢において、日本の総合商社の役割は増す。なぜか。一般的な独立エージェントには国際的取引を行うことが難しくなるからだ。日本の総合商社は資金豊富だし、専門性も豊富な経験もある。(P103)

●2025年2月末の米国の株式市場の時価総額は61.4兆ドル。ところが、これだけ株高にもかかわらず、利益は2兆ドルしかない。このことは米国で株式に投資したら、元を取って利益に与るには27年間も待たなければならないことを意味する。そう考えると、米国株は途方もなく”割高”と言わざるを得ない。(P108)

●ダウ理論によると、NYダウ平均が最高値を更新しているときは、ダウ輸送株指数も連れて最高値を更新しなければならない。もしそうでなければ、NYダウ平均の最高値更新については単なる”投機”と見なすべきであると。その理由はいたってシンプル、かつ明確なものだ。その国であれ、経済が活発で景気が上向いている環境ならば、当然、輸送量、貨物量は増加するという考え方に基づいている。(中略)ダウ輸送株指数がNYダウンの最高値に連動していない。(中略)このダイバージェンスはかなり”危険”だと私は捉えた。(P125)
●2024年1月末に貨物大手UPSが1万2000人規模の大量リストラに踏み切ったことだった。運輸のUPSがリストラをしなければならない時期に、米国の景気が良いわけがないではないか。(P153)

●私が長期的なスタンスで日本株に強気なのは、今後、米国をはじめとする世界各国における株式バブル崩壊を経て、日本にマネーが還流してくると捉えているからだ。(P145)

●(AIは)いま盛り上がっているのはデータセンターの建設ラッシュに対する過剰反応にすぎない。それがAIに対する強気観測と楽観論をことさら刺激したのではないか。(P154)

●私の予測では、生成AI製造は次第に”コモディティ化”してくるはずである。(P216)

●イーロン・マスクは派手な政治ギャンブルに挑戦して一見、うまくいっているように見える。だが、その経緯をつぶさにチェックしてみると、彼の事業は結果的にはすべて米国政府からの”補助金”で成り立っている。(P223)
●私自身はすでに実質上、テスラブランドは終わったと見ている。彼は自滅したと考える1人である。(P237)

●欧州は戦後1番大きいパラダイムシフトを開始したと思われる。この長期的な戦略変更は米国には痛手ではないか。(中略)むしろ欧州諸国と中国との関係が改善する方向へと向かう。(P230)

●世界の大きな流れとしては、トランプが米国大統領に返り咲いたことで、世界経済がグローバル化から大きなブロック化へと向かいつつある。この流れは変えられない。(P253)


私は、トランプ第一次政権中に、アメリカのボストンに留学していました。
当時でさえも、「現在のグローバル化の進展からの反動」を予想していて、以下のようにマトリックスにまとめました。


桐島の反省

2017年当時から、世界経済の「ブロック経済化」は起きていました。

今回のトランプ2次政権で、ますます、それが加速するに過ぎません。

私は、2024年1月から開始した拡大NISAの口車に乗ってしまいました。

そして、S&P500のインデックスファンドを購入してしまいました。

最近では、損失を出しつつ、徐々に売却していますが、過去に予想していた未来どおりになっているにも関わらず、それを忘れていたことが恥ずかしいです。

間違えると、反省するものですね、、、

自分の予想を、自分の行動が裏切っていることが情けないです。

そんなことを思い出させてくれたこの本に、感謝したいと思います。


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