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タティス三冠で返り咲いたメジャーの頂点。それでも鎮まらない論争「MLB守備表彰」を日本一ガッつり解説

今回はMLBに混在する、守備表彰の「ゴールドグラブ賞」と「フィールディングバイブル賞」についてだ。日本のプロ野球と違って、メジャーリーグには2つもある。

ゆえにアメリカでは毎年、特に年末にかけて守備表彰後の論争が絶えない。その論点は「結局どっちがスゴいのか」「守備の一番は誰なん」という声だ。

ただ、どっちが上に関しては明確な答えがある。詳細は後述するとして、より普遍的な評価をしているフィールディングバイブル(以下FB賞)の方が上だ。

もう1つの「守備の一番」については、なかなか難しいが、以下のようには言い表わせる。

【今季のMLBベスト守備選手は3人】

フェルナンド・タティスJr.

ナ・リーグPG賞

Fernando Tatís Jr.

ボビー・ウィットJr.

ア・リーグPG賞

Bobby Witt Jr.

パトリック・ベイリー

FB賞・最優秀守備選手

Patrick Bailey


というように、たまたま今季は2年連続で捕手・内野・外野と綺麗に出揃った。なので答え方としては「MLBのキャッチャーの1番はベイリー、内野の1番はウイット、外野の1番はタティス」となる。

けれども誰かに説明する際、そんな風にイチイチ全員を出すのはまどろっこしい。

会話レベルであれば、大概はタティス一択で通用する。今回の内容を把握した上で使うのであればの話だが。

それにタティスJr.は今季、唯一の守備版トリプルクラウンの達成者だ。2年前にも、この「守備三冠」を手にしている。もし話がこじれても、まず論破されることはない。

そもそも、名実ともに球界を代表するタティスJr.なら「打撃もスゴいけど守備は断トツ」なんて言い切っても、ムキになる奴はいないだろう。それはウイットJr.も然りだ。

ただし“迂闊のベイリー”だけは気をつけろ。守備論で語るとなっても、打てな過ぎるからタティスやウイットのようにはいかない。ちゃんと補足しないと、それこそ論争に発展する可能性大だ。

ここら辺の話は、俳優の藤木直人も普通に頷いてくれるだろう。彼は芸能界屈指の熱烈なMLBファンとして知られているが、その歴も長い。

PG=プラチナグラブ賞とは

MLBには、唯一のファン投票で決める守備表彰もある。これが両リーグのゴールドグラバーから、それぞれ最多票の選手に贈呈されるプラチナグラブ賞だ。この手の守備表彰はNPBにはない。

まだ日本人メジャーリーガーの受賞者は皆無、あのイチローでさえ逃している。ましてや大谷翔平のMVPやホームラン王が強烈すぎるだけに、昨今は守備表彰に対する日本の関心も薄まりつつあるのが現状だ。

イチローでも縁がなかった新設表彰

ゆえに日本におけるPG賞の認知度は低い。逆にアメリカにとってのPG賞は、その年を象徴する「守備のトップオブトップ」だ。ファン投票という“推し”で決まることが、より人気に拍車をかけているのだろう。

2011年の創設とPG賞の歴史は浅い。奇しくもイチローがMLBデビューから築き上げた、10年連続GG賞の翌年に発足している。イチローは以降、GG賞に輝くことはなかった。

賞金などはPG賞・GG賞・FB賞、いずれも特に設けていない。

GG=ゴールドグラブ賞とは

この守備表彰はNPBのゴールデングラブ賞と大差ないが、選考条件は少し異なる。特徴的な違いは、日本にはない全球団の監督・コーチ投票がある点だ。

各球団の首脳陣7人に投票権が与えられ、自軍の選手には入れられない。対象は自軍が所属するリーグの選手で、そこから条件を満たす出場試合数やセイバーメトリクスを用いて絞っていく。

概ね700イニングの出場、ここに開幕から138試合目の到達時点まで、という前提を設けているのが野手の基準だ。9イニングの出場で約78試合、7イニングなら100試合換算になる。

まとめると、開幕から138試合が経過→700イニングを満たしていればクリアだ。それ以外は認められない。

混沌とする伝統と時流

つまり、開幕から出場を続けるフルタイムの選手には有利に働く一方、たとえば復帰や昇格などで「シーズン中盤以降に活躍した選手はどうなるんだ」という側面も。

なお前述した通り、GG賞に賞金などはない。ローリングス社による1957年創設と歴史が古いため、いつしか「守備の名誉賞」と呼ばれながら定着していったアメリカンレガシーを有する。

ローリングスといえば、言わずと知れたスポーツ用品メーカーの最大手だ。いわゆる野球グローブにルーツを持つ超老舗だけに、GG賞のレプリカ製品をコレクションとする著名人は少なくない。

ローリングス社が市販するGG賞のレプリカグローブは約30万円といわれている。

そんな「名誉のGG賞」と両極にあるのが、科学を駆使した「栄誉のFB賞」だ。名誉と栄誉のように、ただでさえ紛らわしいにも関わらずらず、FB賞は2023年から最優秀守備選手というオンリーワンの表彰も始め出す。

ざっくりなところ、これが現地の物議を拡大させた源だ。もちろん後述するが、ちゃんと因果もある。ただ理不尽に騒いでいる訳ではない。

そうしたなか、タティスは火種燻る2023年に守備三冠を達成。からの1年挟んで、今季2度目の守備三冠という快挙を成し遂げている。

さて、ここから先は有料だ。


インスタで大谷翔平に次ぐメジャー2位のフォロワー数を誇るタティスJr.は、本拠地サンディエゴと接するメキシコ国民まで虜にするほど支持層が幅広い。

子どもの頃から学業優秀なバイリンガルで、記者会見などで発する知的なコメントにも定評がある。中学生にして当時、母国ドミニカに滞在していたアメリカ人コーチの通訳を難なくこなし、大人達を驚かせた逸話は地元の語り草だ。

ルックスもスタイルも、まさにスーパーモデルさながら。どこに行ってもファンから愛され、いつだってキッズたちを大切にする非の打ちどころがないスター選手、それがフェルナンド・タティスJr.という男だ。

とはいえ、今回のタティス最強説は決して人気だけではない。それを裏付ける揺るがない領域まで踏み込んでいる。

日本では報道されないMLB守備表彰の記録から、ひいては今が旬の長嶋茂雄賞までを網羅してみた。まずは前出の最優秀守備選手を詳らかにした、フィールディング・バイブル・アワードについて見ていこう。

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