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中村心大(早稲田実業3年)


【速報】まさかの2連続被弾KO

センバツとは打って変わり、エースナンバー剥奪からの背番号9で春季東京大会に臨んでいた中村が、日大三高との準々決勝で完敗を喫している。

中盤までに2点を奪われ、トドメは8回だった。日大三高の松岡翼本間律輝によるアベック弾を浴びたところで、マウンドを降りている。

試合も主砲の山中晴翔が放った2試合連続アーチの1点のみ。昨夏の西東京大会決勝において壮絶な乱打戦の末、9回サヨナラ負けを喫した日大三が6-1で早実にリベンジ。


U18侍メンバーに選出

センバツ初陣でアップデートの快投劇を披露した中村が、侍ジャパンU18高校日本代表候補の強化合宿メンバーに選ばれている。

合宿は4月3~5日の3日間、場所は公表していない。あくまでも今回は第一次候補の召集で、合宿後は各々が自分たちの学校へと戻る。


投げる姿は、大野豊。かつて広島カープの元祖黄金期を支えたレジェンド左腕を彷彿とさせる、低い重心からの大胆なテイクバックだ。

それでいて繰り出すストレートはドシっと重たい。独特の投球フォームながら、球質も体格も大野豊とは一線を画す。投球スタイルも、決して大野のようにスマートではない。

例えるなら、常に苦戦と隣り合わせでも粘り強く投げ抜き、「ミスター完投」の異名をとった黒田博樹

点を取られようが負けようが、しっかり勝ち星を残した、なんとも謎なメジャー時代の黒田とも重なる。

彼の名は中村心大、オールドファンから「王貞治の再来」と期待を集める早実の二刀流だ。

神宮枠から掴んだセンバツ切符。主将の中村心大を投打の軸とする早稲田実業が、王貞治以来となる68年ぶりの紫紺旗奪還に向けて走り出した。

センバツ2025での活躍は、下部の特集コーナーにて掲載。ぜひ最後まで読み進めてくれ。


中村心大:プロフィール

「なかむら こうだい」
2007年7月生まれ 京都府出身
京都市立烏丸中学校(京都ベアーズ/軟式野球)
177cm85kg 左投げ左打ち 勝ち運◎

MAX146km 遠投100m 50m6.5秒
カットボール、スライダー、カーブ、フォーク

最下部のソース(情報源)一覧参照

令和の王貞治

早実出身のビッグネームと聞いて真っ先に思い浮かべるのは、今の10〜60代の高校野球好きなら、ハンカチ王子こと斎藤佑樹、ホームランを量産した清宮幸太郎、あるいは荒木大輔の3人が鉄板だ。

とはいえ、早実の歴史は古い。なにせ早実は甲子園第1回大会からの出場歴を誇る。

それだけに今の70代以上の熟練された高校野球フリークにしてみれば、荒川博から榎本喜八、さらには王貞治にいたる系譜、いわば早実御三家を抜きには語れないところ。

そんな御三家には「荒川道場」という3人に共通する有名な語り草がある。

荒川が伝授した打撃の極意によって、榎本は通算2000本安打の最年少記録を打ち立て、王は言わずと知れた世界一のホームランキングに。王の世界記録はもちろんだが、榎本の31歳で達成というNPB記録も未だ破られていない。

早実時代においても、3人はチームの主力として甲子園で活躍した共通点がある。

特に王は最後の夏を除く4季連続の甲子園出場をスタメンで果たし、関東初のセンバツ優勝や真夏のノーヒットノーランなどをもって高校野球史に名を刻んだ。

その頃の王は「早実の1番」を背負うエースで4番、体格も当時の平均を大きく上回る身長176cmほどのガッチリめだったという。

かれこれ優に半世紀以上が経過しているとはいえ、オールドファンからすれば色褪せない王貞治を、令和に現れた早実の二刀流に重ねてしまうのは無理もない話だ。

同じサウスポーで左打者、体型までもがカブるのだから。

それに強運に恵まれていたり、荒川つながりだったりもあるので、ひとまず読み進めてくれ。


原動力は京都から移住の家族パワー

中村心大の地元は京都市上京区で、京都御所や北野天満宮、はたまた西陣織でも知られる京都観光のど真ん中だ。

中村は西陣中央小学校に入学し、1年生の時から軟式野球を始める。烏丸中学時代も部活とは別の軟式野球チームに所属していた。

つまり硬式野球の世界に飛びんだのは高校から、それも名門の早稲田実業で。さらに早実は野球部寮を設けていないことから、家族ともども上京する形で移り住んでいる。

入学直後の春季都大会はベンチ外だったものの、夏には背番号18でメンバー入りを果たす。公式戦デビューは夏の西東京大会ベスト16いきなり先発のマウンドを用意された。

結果は2イニングで4四死球ながら無失点、チームもコールド勝利を収めている。しかし次戦で敗退し、中村の出番もデビュー戦の1試合にとどまった。

続く秋の大会は背番号11結果的に投手陣の主軸を担うことになる。この1年生の秋は、中村にとって最初の試練で、ターニングポイントでもあった。


荒川パイセンからの

新チームが発足し、早実のエースナンバーを引き継いだのは上級生の荒川稟治郎。中村と同じ京都から早実の道を選んだ身長190cmの本格派右腕で、次期ドラフト候補としても注目されていた。

夏に一皮剥けた荒川は、この秋も初陣から2戦連続で登板。いずれも好投を見せたが、チーム3戦目以降に突如としてベンチ入りメンバーからも外れてしまう。

この唐突な離脱で中村が実質エースの役割を担いつつ、チームは毎試合苦戦を強いられたなかベスト4まで勝ち進んだ。

特に岩倉との3回戦は、両チーム合わせて21点の壮絶な打ち合いの幕切れが逆転サヨナラ勝ち、という中村にとっても象徴的な試合だった。


逆境で覚醒した勝ち運

この岩倉戦で中村は毎回のようにピンチを背負いながらも、1人でマウンドを守り抜いている。150球以上の大力投にチームも最後の最後まで諦めず、中村の公式戦初完投に花を添えた。

中村の代名詞である打たれ強いスタミナピッチング、ひいては勝ち運に恵まれた投球スタイルが確立していく、その第一歩を刻んでいる。

総じて秋季大会はチーム全5試合すべてに登板し防御率5点台被安打20以上、与えた四死球も10に迫る勢いで、奪三振は20以上だった。

いくら三振が奪えるとはいえ、これだけ打たれて球数も多く制球力まで定まらずに勝ち名を残せるピッチャーも珍しい。

中村心大には「この男を勝たせたい」だったり「絶対に負けさせたくはない」といった他を惹きつけるカリスマ的なもの、あるいはマウンドで発する気魄やオーラみたいなアドレナリンが人一倍あるのだろう。

どこか栗山監督のような「常に謙虚」を伺わせる人柄が、ベースにあるに違いない。


続パイセン

ちなみに荒川稟治郎の行方は、現時点も謎のままだ。あの3回戦以降、果たして早実に在学しているのか、それとも編入したのかなどは明らかにされていない。

実はこの荒川をはじめ、二松学舎から我孫子二階堂に転校した神谷虎之介、慶應の甲子園優勝投手で留年している小宅雅己は、知る人ぞ知る2024年世代の関東三大隠れドラフト候補でもある。

3人の今後には引き続き注目していきたい、特に荒川つながりもあるだけに。

王貞治との師弟関係とは一線を画すものの、中村心大が同郷の先輩である荒川稟治郎から直にエースナンバーを引き継いだ点は興味深い。


再び話を本線に

翌春のセンバツ切符は、早実をベスト4で退けた関東一校が掴んだ。そうしたなかで中村の球春は、迎えたセンバツ2024の開幕とは裏腹に遠のいた

この時期に生命線である左肘が悲鳴を上げ、ノースロー調整を余儀なくされる。春の都大会は全休し、リハビリと下半身強化に時間を費やした。

幸いにも大事にはいたらず、一家上京を決意した家族に支えられたことも大きい。父のアドバイスで取り組んだ下半身の筋トレが成果を上げる。それ以上に強くしたのはメンタル面だったという。

大会終了後からは練習試合に合流。最長4イニングに設定し、実践感覚を掴んでいった。


暴れん坊早稲田旋風

夏の西東京大会は初のエースナンバーを託され、初陣から先発マウンドに上がる。相手は昨夏ベスト4明大八王子、試合前から大会序盤のビッグカードと耳目を集めた一戦だ。

実際に下馬評通りの接戦を繰り広げ、延長10回タイブレークまでもつれ込むも、終盤から反撃モードで巻き返した早実に軍配が上がった。

中村は4失点163球の完投で劇的な復帰戦を飾るが、これはまだ序章に過ぎない。中村と逆転の早実打線が、ここから次々とドラマを重ねていく

この夏は、一瞬エヴァのヤシマ作戦をチラつかせる、早実伝統の鉄板チャンステーマが、嵐のように分厚く鳴り響いた。


「取られても倍返し」西東京ナンバーワン打線

兎にも角にも中村は、秋より輪をかけて打たれまくった。それでも最終的に早実は、西東京の頂点まで駆け上がる。

全6戦で31失点1試合あたり5失点以上を許し、エース中村に至っては5試合登板で防御率7点台だ。これで甲子園に出られるとは、もはや奇跡としか言いようがない。

ただ、この時の早実は世代最多の高校通算64本塁打数を記録した、宇野真仁朗を擁する打線もパワフル

超高校級スラッガーの宇野を筆頭とする111発トリオに加え、中村心大・山中晴翔・國光翔の2年生トリオも躍動し、6試合で58得点を叩き出している。

必要以上に点を許す分、倍返しの逆転ミラクルで激戦区・西東京を制したのが、このチームの全容だ。表裏で例えるなら、中村の勝ち運が露わになった大会とも言える。

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2度目の転機

自身初の聖地は初陣こそ“いつもの制球難”を発動させてしまったが、次戦以降は立て続けにピリッと引き締まる。

特に鶴岡東戦では、高校初完封勝利を自らのバットで決め、大きな話題を振りまいた。

続く大社戦も前試合同様の好投を披露し、チームは惜しくも敗れたが、語り継がれるベストバウトの1つとして聖地に名を刻んだ

@nettoh_koshien

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中村心大は17イニング連続自責点ゼロのまま、甲子園を後にしている。

続く秋は中村を主将とする新チームが発足。ベンチスタートで幕を切ったが、次戦以降「早実の背番号1」が投打で光のフル稼働を見せる。

投げては防御率1点台前半で奪三振率10以上をマークし、打っても高校初長打を含む毎試合ヒットでセンバツ切符を手繰り寄せた。

聖地で見せた変わり身が、この秋しっかり根差したといえるだけの成績を残している。俗に甲子園で得た経験値は計り知れないと言われるが、まさしく中村もその1人だ。

@mainichi_live

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ギア3rdで新章突入

まさにギアを一気に2段階もアップさせた中村は、センバツ2025に出場する投手の中で奪三振率トップを誇る。

昨夏は持ち前の奪三振ショーを発揮できずに終わったが、今度は大会注目の「ドクターK」としてきりきり舞いでも魅了させてくれるに違いない。

ちなみに中村とタイプが近い左腕を挙げるなら、重たい球質で体格も似ている徳永啓人(広島商業)だ。

古豪復活のキーマン徳永啓人 origin.daily.co.jp/baseball/202...

ドラ穴「ドラフト・レポート・アナザー」 (@hajimeou.bsky.social) 2025-02-28T09:23:52.481Z

仮に両チームの激突が実現すれば、超絶伝統校同士による豪華カードを、大会屈指の両左腕対決で大いに盛り上げてくれるだろう。


中村心大:全データ

そんな訳で、ここからは中村の出場記録を各大会順に振り返りつつ、要点を挟んだ解説になる。

さらには、中村の貴重なプレイバック動画集もあるので置いてみた。



夏の西東京大会2023(ベスト8)

先発1

チーム3戦目、相手は都立杉並。中村は2回を投げ44球、四死球4つとデビュー戦から制球難の片鱗を覗かせている。

それでも点は許していないが、打席機会を待たずの降板となった。

秋季東京大会2023(ベスト4)

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松井稼頭央がPL学園時代に打ち立てた「大阪大会の奪三振記録」は未だ破られていない。