見出し画像

寝るだけで痩せる、は本当だった。医師が本気で語る睡眠とダイエットの話~子どもが寝た後のビールとおやつ、やめられない理由がホルモンでした~

今回のキーワードは「淋しいは口から始まる」。
でも、夜についつい何か食べてしまうのは、意志の弱さじゃなくてホルモンのせいです。

太っていた頃の夜を思い出すと、だいたいこんな感じでした。

子どもがやっと寝た。

静かになった。

ほっとした瞬間に、冷蔵庫を開けていました。

お腹が空いているわけじゃない。でも何か食べたい。ビールを開けて、おやつをつまんで、スマホを見ながらだらだらと。

「淋しい」は口から始まる。

お腹が空いているのとは違う。でも何か口に入れないと落ち着かない。

太っている時期って、食べることが完全に癖になっているんだと思います。ストレス解消でもあり、唯一の自分時間でもあり。

子どもがいたら、半分以上はとられてしまうであろうお菓子を自分一人で食べる小さな贅沢。

太るとわかっているのに、やめられなかった。



子どもと寝落ちすれば、食べなくて済む

ある時気づきました。

子どもと一緒に寝落ちした日は、晩酌も夜のおやつもなし。

当たり前といえば当たり前なんですが。寝てれば食べられない。

シンプルすぎる真実です。でもこれが、地味に効いていました。

ただ、正直に言うと、複雑な気持ちもあります。

子どもと寝落ちすると、本当に1日が終わります。
自分の時間が何もないまま朝を迎える。
読みたかった本も、見たかったドラマも、全部明日に持ち越し。

そしてその「明日」は来ない。

前の結婚がうまくいかなくなった理由のひとつに、圧倒的に夫婦の時間が足りなかったことがあると思っています。
子どもなしで話し合う時間。二人でいる時間。
子どもが小さいと、それって、子どもが寝静まった夜しかないんですよね。それがいつの間にかゼロになっていた。

だから「早く寝ればいい」という話が、全員に当てはまるわけじゃない。

自分の時間を削って寝ることの悲しさも、ちゃんとある。

それでも、睡眠とダイエットの関係を正直に。


夜の「口さみしい」の正体はホルモンだった

睡眠が足りないと、体の中でこういうことが起きます。

①グレリン(食欲増進ホルモン)が増える。

グレリンは「お腹が空いた」というサインを脳に送るホルモンです。睡眠不足になるとこれが増えます。つまり、寝不足の日は生理学的に食欲が増している。

②レプチン(満腹ホルモン)が減る。

レプチンは「もうお腹いっぱい」というサインを送るホルモンです。睡眠不足になるとこれが減ります。つまり、食べても満腹感を感じにくくなる。

この二つが同時に起きる。



食欲が増して、満腹感が感じにくくなる。夜の「口さみしい」はこのホルモンバランスの乱れが原因のひとつです。

意志の力でどうにかなるレベルの話じゃない。体が食べろと言っているんです。

今は仕事をセーブしていますが、昔、当直をしていました。

一晩中働いて、仮眠は取れても2〜3時間。翌日の体の重さ、食欲の異常な増加、甘いものへの強烈な欲求。

当直明けに売店でチョコレートを買い込んでしまうのは、グレリンが爆発しているからです。意志の弱さじゃない。体が正直に反応しているだけ。

睡眠不足がいかに体を狂わせるか、当直のたびに身をもって実感していました。


自分の淋しさと甘えに理由があった。
なんだかそれだけで気持ちが楽になる。



同じものを食べても、睡眠不足の日は太りやすい

さらに怖い話があります。

血糖コントロールの記事でも触れましたが、睡眠不足の日は同じ食事でも血糖が上がりやすくなります。インスリンの効きが悪くなるからです。

つまり睡眠不足の状態では、
①食欲が増す
②満腹感が減る
③同じものを食べても太りやすい
という三重苦が起きています。

しかもストレスホルモンであるコルチゾールが増えると、脂肪が蓄積されやすくなります。特にお腹周りに。

「寝不足が続いたらなんか太った」は気のせいじゃない。医学的に正しい現象です。


睡眠自体に「痩せ」につながるメソッドがある

ここからは嬉しい話です。

ちゃんと眠ることは、ただ食べない時間を作るだけじゃない。眠っている間に体が痩せる方向に動いています。

成長ホルモンの分泌。

深い睡眠(ノンレム睡眠)の間に成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは脂肪を分解してエネルギーに変え、筋肉を修復・合成する働きがあります。

つまり寝ている間に脂肪が燃えて、筋肉が育っている

ジムに行かなくても、寝るだけで体が変わる。

これがちゃんと睡眠をとることの医学的な意味です。



何時間寝ればいいのか。

研究によると、7〜8時間が最も代謝的に良いとされています。
6時間以下が続くと肥満リスクが上がるというデータがあります

ただし令和の大人に8時間は難しい。

それは現実として認めた上で、取れる時に質の良い睡眠をとることを意識するだけでも違います。


🌷少ない時間で少しでも睡眠の質を上げるために今日からできること。


どうせ寝るなら、コスパよく寝ましょう。



最強のダイエットは、早く寝ること

結論を言います。

ダイエットのために何か特別なことをする前に、まず睡眠を整えてほしい。

食欲を整えるために。満腹感を正常に戻すために。脂肪を燃やすために。筋肉を育てるために。

そして夜の「口さみしい」という癖を断ち切るために。

子どもと一緒に寝落ちすることを、もう「失敗した夜」と思わなくていいかもしれません。
自分の時間がなくなる悲しさは、本物です。

でも体にとっては、最高の選択をしている夜かもしれない。

そう思うと、少しだけ気が楽になりませんか。


冒頭で書いた「淋しいは口から始まる」。

でも今ならわかります。

あの夜の口さみしさは、半分はホルモンのせいで、半分は本当に淋しかったんだと思います。

子どもが寝静まった一人の夜。誰かと話したい。でも話す相手がいない。
その淋しさを、食べることで埋めていた。

睡眠が少し整って食欲ホルモンが落ち着いた今も、淋しさが消えたわけじゃない。

でも少なくとも、淋しさを冷蔵庫にぶつけることは減りました。

それで十分、前進だと思っています。

睡眠を整えてもどうしても食欲が抑えられない場合の医学的な補助として。
より根本的に食欲や代謝を医学的にコントロールする方法として、GLP-1という選択肢があります。私自身の失敗談も含めて、こちらで詳しく解説しています。

[GLP-1の真実|医師が自分で試してわかったこと→]


最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回は…

「マラソン挑戦記。AIと走るフルマラソン。」

これは自己満足なんですが、今年の秋のフルマラソンに向けてのこれまでの軌跡を自分の記録として残そうと。

運動音痴の私でもここまで走れるようになったぞと、皆さんのランニングへのハードルをそっと下げるような記事を書きたいです。

2日後にお会いしましょう🌷

よろしければ質問箱・コメントもどうぞ🌷

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集