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血圧が下がらない、、、そんなとき薬を増やす?それとも足す?

📣 はじめて来てくださった方へ

この記事は、外来・当直・病棟で迷いやすい臨床判断を、若手医師向けに整理した実践記事です。

このnoteでは、高血圧、糖尿病、脂質異常症、CKD、心不全など、日常診療でよく出会うテーマを、

👉 どう考えるか
👉 どこで迷いやすいか
👉 明日からどう動くか

まで落とし込んでまとめています。

はじめての方は、まずこちらに全体の歩き方をまとめています。


今回はその中でも、高血圧診療でかなり迷いやすい、

👉 「薬を増やすのか、別の薬を足すのか」

というテーマに絞って整理します。

初回処方はなんとか決められても、次の外来で血圧が下がっていないと、急に手が止まることがあります。

アムロジピンを増やすのか。
ARBを足すのか。
利尿薬まで進むのか。
それとも、そもそも本当に効いていないのか。

ここを“なんとなく”で進めないための記事です。


👉 この判断、なんとなくで決めていませんか?


実はここ、

👉 “明確な正解がある領域”です

単剤を増量しても、

  • 効果は頭打ちになりやすい

  • 副作用だけ増える


👉 “効かない治療”になってしまうことも多い


一方で、

👉 適切に併用すると一気に下がることもある


つまり、

👉 「どう強化するか」で結果が大きく変わる


この記事では、

  • 増量 vs 併用の正しい判断

  • 用量一覧(通常・最大)

  • 併用療法の基本パターン

  • 治療抵抗性の見極め方

を、実践ベースで整理します。


さらに最後に、

👉 そのまま使えるステップアップ実践表

も付けています。

👉 「迷ったときに戻れる1本」

としてまとめています。


📣 ちなみに、そもそも「最初の1剤をどう選ぶか」で迷う方は、先にこちらを読むと整理しやすいです。

この記事では、初期選択を、

👉 合併症
👉 年齢
👉 腎機能
👉 frailty

から選ぶ考え方をまとめています。


■ なぜ血圧は“効かない”のか

「薬を出しているのに、なぜか下がらない」

この場面、かなり多いと思います。

  • 1剤で様子を見たけど変わらない

  • 2剤にしてもまだ高い

  • そろそろ増量するべき?

👉 どこで何をすればいいのか分からなくなる

でも実は、

👉 “効かない理由”はある程度パターン化できます

例えば、

  • そもそも血圧が本当に高いのか

  • 薬が適切に効いているのか

  • 別の原因が隠れていないか

👉 「効かない=薬が足りない」ではない

ここを整理しないまま増量するのが一番危険です。


■ 【最重要】増量か?併用か?の判断

血圧が下がらないとき、

👉 「とりあえず増量しよう」

と考えがちです。

でも実は、

👉 この判断はズレていることが多い

なぜか?

👉 単剤の増量には限界があるからです

  • 効果は頭打ち

  • 副作用は増えやすい

👉 “効かない+副作用”になりやすい

一方で、

👉 別の薬を少量追加すると

  • 作用の違う経路に同時に効く

  • 降圧効果が相乗的に増える

👉 むしろ効きやすい

📣 ここで一度整理

❌ 未達 → 増量
⭕ 未達 → 併用

👉 これが基本戦略です

ただしここで迷います。

👉 どこまで増量していいのか?


■ 用量の考え方(初期・通常・最大)

用量は3段階で考えます。

初期量(少量) → 安全確認
通常量 → 標準的な効果
最大量 → 限界(基本は目指さない)

👉 通常量=臨床で一番使う基準

例えば、

  • アムロジピン → 5 mg

  • テルミサルタン → 20–40 mg

👉 このあたりが通常量

そして重要なのがこの流れです。

少量で開始
→ 通常量まで増量
→ 未達なら併用

👉 最大量まで粘らない

理由はシンプルで、

  • 効果はあまり伸びない

  • 副作用は増える

👉 効率が悪い

例外として、

・最初が少量
・副作用なし
→ 通常量までは増量OK

それ以上は併用へ進みます。
※ページの最後にガイドラインに準拠した各種薬剤の用量一覧をのせています!


■ ステップアップの基本

治療は段階的に強化します。

👉 単剤で開始し、効果を評価する
👉 未達なら併用へ進む

この流れが基本です。

STEP1:単剤
↓(1ヶ月評価)
STEP2:2剤併用

STEP3:3剤併用

👉 未達なら次へ進む

ポイントは3つです。

  • 1ヶ月で評価

  • 迷ったら止まらない

  • “様子見”を長くしない

👉 臨床イナーシャを避ける


■ 併用療法の黄金パターン

よく使う組み合わせはこの3つです。

  • RAS阻害薬 + Ca拮抗薬

  • RAS阻害薬 + 利尿薬

  • Ca拮抗薬 + 利尿薬

👉 作用の違う薬を組み合わせる

イメージはこれです。

血管 → Ca拮抗薬
RAAS → ACEi / ARB
体液 → 利尿薬

👉 多方向から抑える

👉 単剤の延長ではなく戦略的な治療


■ 【ここが分岐点】本当に抵抗性か?

血圧が下がらないとき、

👉 すぐに薬を増やしたくなる

でもその前に、

👉 必ず確認することがあります

□ 白衣高血圧
□ アドヒアランス
□ 測定ミス

👉 ここを見逃すと無駄な増薬になる

📣 なお、血圧がかなり高い場面では、「薬を増やすか」より前に、まず緊急症かどうかを判断する必要があります。

特に、SBP 180mmHg前後を見たときは、

👉 数字だけで慌てない
👉 急性臓器障害を確認する
👉 点滴降圧が必要な状況かを見極める

ことが重要です。

この判断はこちらの記事で詳しく整理しています。


さらに、

・低K
・若年
・急激悪化

👉 あれば二次性を疑う

👉 “効かない=薬が足りない”ではない

👉 原因を見極めるのが先


ここまでで、

👉 増量 vs 併用の考え方
👉 用量の基本
👉 ステップアップの流れ

が整理できました。


ここから先では、単なる考え方ではなく、

👉 どこまで増量してよいか
👉 どこから併用に進むか
👉 2剤・3剤をどう組み合わせるか
👉 治療抵抗性高血圧をどう見極めるか
👉 どこで二次性高血圧を疑うか

まで、実務レベルに落とし込みます。

高血圧治療で本当に迷うのは、初回処方よりも、むしろ「効かなかった次の一手」です。

“増やす”のか。
“足す”のか。
それとも“立ち止まって原因を見直す”のか。

この先では、その判断を1つずつ整理していきます。

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