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「事件」と名づけた〜遺族が会を設立した日〜 辺野古転覆事故・第51稿

八月七日、遺族のnoteが更新された。題は、調査報告書を読んで① 責任について。本文百六十二頁に別紙を加えた報告書を、遺族が自分の言葉で読み始めた最初の投稿である。

その末尾に、一つの報告が置かれていた。「辺野古転覆事件の全容解明と再発防止を求める会」を設立した、と。

会の設立は七月二十二日付。代表は父が務める。ホームページは既に開設され、寄付金口座が用意され、クラウドファンディングは数日内に公開予定だという。七日夜から八日にかけて、共同通信、京都新聞、朝日新聞、産経新聞が報じた。

この稿では、会そのものの評価はしない。設立の報告に含まれていた三つの選択(名前、日付、器)を、順に記録する。


事件、という語

まず、会の名前を見てほしい。辺野古転覆事件の全容解明と再発防止を求める会。

事故、ではない。事件、である。ホームページの経緯欄も、乗船していた生徒十八名が海に投げ出された「重大事件」と書く。

この連載は、出来事の名前が主体ごとに違うことを数えてきた。学校と報告書はあの日の乗船を、平和学習、と呼んだ。協議会の初期の謝罪文は、修学旅行の海上視察、と記した。第五十稿で書いたとおり、何が行われていたのかの名前さえ、当事者の間で一つではない。

そこに、遺族の選択が加わった。報道は各社とも、事故、と書き続けている。僕のこの連載も、事故、で通してきた。遺族だけが、組織の正式名称に、事件、を刻んだ。

事件という語が何を含意するのかを、僕はここで確定させない。刑事告訴をした遺族にとって、過失の有無が捜査で問われている出来事は、既に事件である。そう読むのが素直だろう。ただ、それは読みである。確かなのは、名前を選べる場面で、遺族が事故を選ばなかった、という事実だ。

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