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ナースステーションで水を飲むのはダメだ〜擁護派が見落とす論点〜

「ナースステーションで看護師が水を飲んでいた」とクレームが入った、という投稿が話題になっている。引用5万、表示202万。看護師・医療者・介護職から「水くらい飲ませろ」の大合唱で、クレーム主は袋叩きにあっている。

私は擁護派ではない。見える場所で飲むのは、やはりダメだ。


清潔の話

ナースステーションは、ただの事務スペースではない。注射器を準備し、薬剤を混合し、無菌操作の手前作業をする場所だ。点滴ラインを組む、内服を一包化から取り出す、検体を扱う。準清潔区域に近い扱いで運用される。

そこにペットボトルや水筒を持ち込むこと自体、本来は推奨されない。こぼせば書類も電子カルテのキーボードも汚染される。蓋の縁、ボトルの底、置いた机面。どれも清潔とは言いがたい。

「水分補給する権利」と「カウンター越しに患者から丸見えの場所で飲んでいい」は別の話だ。控室に下がって飲めばいい。1分で済む。

TPOの話

引用ポストの中に、こういうのがあった。

水飲むなら見えない場所で飲むのが礼儀だ。患者からすれば禁食や禁飲されてる状況でこれ見よがしに見せつけて飲むのは如何なものか⁉️

これは的を射ている。

術前絶飲食の患者がいる。IVHしか入っていない患者がいる。ターミナルで嚥下困難の患者がいる。彼らとその家族が廊下を通る。その目の前のナースステーションで、看護師がペットボトルをゴクゴクやる。

クレーマーがその家族だった可能性は、十分にある。 「水も飲めない父の目の前で」と。 そう書かれていたとしたら、医療者は何と答えるのだろうか。

擁護派の論理が破綻している

擁護派の主張を並べてみる。

「スーパーのレジ打ちは水を飲んでいる」 「自衛隊が被災地で温かい飯を食えないのと同じ清貧の押し付けだ」 「脱水の看護師に点滴を刺されたいのか」

どれも比較対象が違う。レジ打ちは患者を扱わない。被災地の自衛隊は被災者と同じ条件で動いている。脱水するほど我慢しろという話は、最初から誰もしていない。

論点は「水分補給の可否」ではなく「飲む場所」だ。 擁護派はこの論点を「水分を取らせない酷い病院」にすり替えている。すり替えれば勝てるからだ。クレーム主は「水を飲むな」とは一言も言っていない可能性が高い。「ナースステーションで」と言っただけだ。

そしてもう一つ、擁護派が混ぜている話がある。「救急隊がコンビニで弁当を買って叩かれた」「労働者を叩く日本人の悪い癖だ」というやつ。これは別問題だ。救急隊のコンビニ利用は、業務の合間に外部施設で食事を取る話で、清潔区域も患者の視界も関係ない。働く人を叩く心理という共通項で括って同じ問題に見せかけているが、ナースステーション内の飲食は感染対策と患者配慮の話。同じ土俵に乗せたら論点が崩れる。

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