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「指導死」とは何か?お菓子を食べた中2が命を絶った事件

2000年、沖縄の中学校で起きた話です。

お菓子を食べたことを咎められた中学2年生の男子生徒が、その夜に自ら命を絶ちました。

教員12人がかりで約1時間半の叱責。他にお菓子を食べた生徒がいないか密告の強制。臨時の学年集会で、全員の前での決意表明を求められた。13歳の子どもに対して、です。

彼が書いた反省文には「罪をつぐなう」という言葉がありました。ハイチューをもらって食べたことに対して。遺書には乱れた字でこう書かれていた。

「たくさんバカなことをして、もうたえきれません」「じゃあね ごめんなさい」

父親の大貫隆志さんはこの出来事を「指導死」と名付けて、25年間、問題提起を続けています。今日のYahoo!ニュースで報じられていたのは、大貫さんが沖縄県立コザ高校の教職員研修で講演した内容でした。

コザ高校では5年前、空手部の主将が顧問からの理不尽な叱責を受けて自殺しています。25年前と同じことが、形を変えて繰り返されている。


体罰は、25年前から禁止されていた

押さえておきたい事実があります。

2000年の時点で、学校教育法第11条により体罰は既に禁止されていました。殴る、蹴るといった身体的暴力は、法律で明確にアウトだった。

では、この事件で何が行われたか。

教員12人による集団での長時間叱責。密告の強制。学年集会での公開の決意表明。身体には一切触れていません。「体罰」には該当しない。

今どきの言葉で言えば、過度のパワハラです。これを13歳に対してやっている。

体罰が禁止されたことで、指導の圧力が心理的な方向に転化した。そう見ることもできます。殴れないから、言葉で追い詰める。一人で叱れないから、集団で囲む。直接罰を与えられないから、見せしめで間接的に追い込む。法律の網の目をすり抜ける形で、実質的な暴力が行われていた。

25年で変わったこと、変わらなかったこと

2013年、いじめ防止対策推進法が成立しました。ただこれは生徒間のいじめが対象で、教員の不適切な指導はカバーしていません。

2022年12月、文部科学省が「生徒指導提要」を12年ぶりに改訂。ここで初めて「不適切な指導」の具体例が公式に明記されました。大声で怒鳴る、威圧的な言動で指導する、児童生徒の面前で殊更に叱責する。これらが体罰と同様に許されない行為として挙げられた。

一歩前進ではあります。

でも、生徒指導提要はガイドラインです。法律ではない。違反しても罰則はなく、学校現場への「参考資料」に過ぎません。

整理するとこうなります。

身体的な体罰は、学校教育法で禁止。法律です。違反すれば懲戒処分や刑事罰の対象になる。心理的な不適切指導は、生徒指導提要で「やってはいけない」と書かれているだけ。法的拘束力はありません。

2020年にはパワハラ防止法が施行されて、大人の職場環境は法律で保護されるようになりました。企業には防止措置が義務づけられ、相談窓口の設置や事後対応が求められている。

大人の職場には法的な防波堤がある。子どもの教育現場にはない。

劇薬を常用してはいけない

大貫さんは講演でこう語っています。

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