辺野古転覆第3報〜船の下で70分間、彼女は浮かべなかった
前稿(3月17日22時時点)から48時間が経ちました。事故の輪郭がさらに見えてきています。
70分間の閉じ込め
3月19日、共同通信と京都新聞が報じた内容です。
武石知華さん(17歳)は平和丸の転覆後、船体の下に閉じ込められていました。救命胴衣を着けていたにもかかわらず、その救命胴衣が船体の内部構造に引っかかり、自力で浮上できなかった。
海上保安官が船底下に潜って発見し、救命胴衣を外して引き出したのは、転覆から約70分後です。他の20人は10〜40分で救助されています。武石さんだけが、70分間、ひっくり返った船の下にいました。
救命胴衣が命を奪う側に回った。この事実は、船の構造と救命装備の適合性がまったく検証されていなかったことを意味します。
平和丸船長の証言
日経新聞と東京新聞が18日に報じています。
平和丸の船長は関係者に対し、「不屈が転覆したのを見てパニックになった。助けるしかないと思って向かった」と話しています。不屈の転覆から平和丸の転覆まで、わずか約2分。救助に向かおうとした平和丸が同じ海域で同じように横波を受けました。
琉球新報は別の乗船者の証言も報じています。リーフの際で白波が立っているのを見て違和感を覚えたが、船長には伝えなかった。「伝えていれば」と後悔していると。
TBSの取材に応じた乗組員はこう語っています。「引き返すべきだった。すごく後悔している。ここまでの高波がくるとは思わなかった。本当に怖かったと思う。本当に申し訳ない」。
海保の調査艇も転覆した
あまり大きく報じられていませんが、事故当日の3月16日午後5時5分、事故現場を調査していた那覇海上保安部の小型艇も転覆しています。乗っていた海上保安官6人は全員救助されましたが、事故を調べに来たプロの船すら覆る海だった。
この事実は、事故当日の海況がどれほど危険だったかを示しています。
3本の捜査が走っている
前稿では11管が業務上過失往来危険・業務上過失致死傷で捜査を開始したと書きました。
3月18日、琉球新報が追加報道しています。11管は海上運送法違反容疑でも捜査に着手しました。無届けで人を運んでいた疑い。これで捜査は3本立てになりました。
同日、11管は金井創さんと武石知華さんの司法解剖を実施しています。死因と転覆の因果関係の特定が焦点です。結果はまだ公表されていません。
産経の元検事コメントでは「難しい捜査になる」との見方が示されています。出航判断のどの時点で過失が成立するのか。波浪注意報が出ていたのに出航した判断か。リーフ外に出た判断か。救助に向かった判断か。複数の判断が連鎖しています。
「重大事故」認定
運輸安全委員会は本件を「重大事故」と認定しました。那覇事務所から本省に調査が移管されています。
知床遊覧船事故(2022年)と同じ扱いです。あの事故を受けて2022年に海上運送法が改正され、小型船でも5年ごとの免許更新や安全報告が義務付けられた。その法律を一切適用されていない船で、同じ「重大事故」が起きた。
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