イラン空爆48時間後に何が起きたか
テヘランが燃えた48時間後
前の記事を書いたのは2月28日の攻撃開始直後だった。あれから丸一日が過ぎた。
時系列
2月28日、午前9時45分(イラン時間)。イスラエルの作戦名「Roaring Lion」、米国の作戦名「Operation Epic Fury」。テヘラン、イスファハン、コム、カラジ、ケルマンシャー。5都市で同時に爆発が起きた。イスラエル空軍は約200機を投入し、500以上の軍事目標を叩いた。同空軍史上最大の出撃だった。
ハメネイ師はそのとき、側近との会議中だった。Reutersによれば、シャムハニ最高安全保障会議元書記、ラリジャニ同会議書記と「安全な場所」で集まっていた。イスラエル情報機関がこの会合を検知し、作戦が前倒しされた。本来は土曜夕方の予定だった。「最初にハメネイ師を叩く」。不意を突く必要があった。
午後、イラン赤新月社が死者201人、負傷者747人と発表した。少なくとも110人が民間人だった。
南部ミーナーブ市では女子小学校が被弾し、108人の児童が死亡、92人が負傷した。この件は後で書く。
夕方からイランの報復が始まった。標的はイスラエルだけではない。バーレーンの米海軍第5艦隊司令部、カタールのアル・ウデイド空軍基地、クウェートのアリ・アル・サレム空軍基地、UAEのアル・ダフラ空軍基地、サウジアラビアのリヤドと東部州。ペルシャ湾全域に向けてミサイルとドローンが飛んだ。
ドバイのパーム・ジュメイラ付近に着弾し、フェアモント・ザ・パーム・ホテルが炎上した。ブルジュ・アル・アラブにも迎撃弾の破片が落下した。クウェート国際空港が被弾。アブダビではアジア系市民1人がデブリで死亡した。
イスラエル側の死者は、テルアビブへの直撃で亡くなった女性1人。報復攻撃全体を通じて、この1人だけだった。
深夜。イスラエル当局がハメネイ師の遺体を確認したとReutersに通告した。トランプ大統領はTruth Socialに書いた。「歴史上もっとも邪悪な人物のひとり、ハメネイは死んだ」。
イラン外務省は当初「生存している」と主張した。数時間後、革命防衛隊系のファールス通信がハメネイ師の娘、義理の息子、孫、義理の娘も空爆で死亡したと報じた。
3月1日未明、イラン国営メディアがハメネイ師の死亡を公式に認めた。40日間の服喪が宣言された。
同じ時間帯に、テヘランとマシュハドで市民が街頭に出た。ハメネイ師の銅像が引き倒された。治安部隊が展開し、インターネットは再び遮断された。NetBlocksの計測で、接続率は通常の4%まで落ちた。
3月1日午前、イスラエルが第二波の攻撃を開始した。イラン中部の弾道ミサイル発射台と防空施設を狙ったと発表している。攻撃は「継続中」。
誰が死んだか
前の記事ではハメネイ師の事務所付近への被弾と、モフセニエジェイ司法長官の排除まで書いた。
その後の確認。IDFが死亡を認定したイラン安全保障指導者は少なくとも7人。ハメネイ師本人に加え、シャムハニ(最高国防評議会議長格)、ナシールザーデ国防相、パクプール革命防衛隊司令官。情報省幹部4人。アサディ情報・緊急司令部長、シーラーズィー最高指導者軍事事務所長、SPNDのジャバル・アメリアン現所長とモザッファリニア前所長。CBSは「少なくとも40人のイラン高官が殺害された」と報じた。
ペゼシュキアン大統領は脚に軽傷を負ったとされるが、イラン側は「無事」と発表している。ラリジャニ安全保障会議書記の生死は不明。
CIAは攻撃前の事前評価で、ハメネイ師が殺害された場合、後継者は革命防衛隊の強硬派になると結論づけていた。Reutersがこの評価書の存在を報じている。
湾岸という巻き添え
イランの報復ミサイルが飛んだ先を並べる。バーレーン、クウェート、カタール、UAE、サウジアラビア、ヨルダン。米軍基地を狙ったとイランは言った。着弾したのは空港、ホテル、住宅地だった。
サウジは「卑劣なイランの攻撃」と呼び、「自衛のためのあらゆる措置を取る」と声明を出した。UAEは「主権に対する露骨で卑怯な侵害」と非難し、反撃の権利を留保した。カタールは領土へのミサイル着弾を「主権の侵害」と断じた。クウェートも同じ言葉を使った。GCC(湾岸協力会議)が連名でイランを非難する声明を出した。
3年前、この構図はありえなかった。
2023年3月、中国の仲介でサウジアラビアとイランが国交を回復した。7年間断絶していた関係が再開し、大使館が再び開いた。UAEも、イランとの貿易と対話を静かに拡大していた。湾岸諸国は、イランとの緊張を管理しながら経済開発に集中する路線を選んでいた。ドバイ、アブダビ、リヤド。金融と物流とAIのハブになることに賭けていた国々だ。
Foreign Affairsのインタビューでサジャドプール氏が述べている。「中東には二種類のアクターがいる。建設を仕事にしている者と、破壊を仕事にしている者だ。湾岸諸国はこの50年、イランとはまったく異なる優先順位を持ってきた」。
その建設の成果に、イランのミサイルが落ちた。フェアモント・ザ・パーム・ホテルが燃え、ブルジュ・アル・アラブに破片が当たり、クウェート国際空港が被弾した。
4週間前、サウジはイランに対して「自国領空を攻撃に使わせることは絶対にない」と伝えていたとの報道がある。結果としてイランは、味方に引き入れるはずだった隣国をすべて敵に回した。中国が3年かけて仲介した外交が、一晩で吹き飛んだ。
サウジとUAEは今回、米国・イスラエルの攻撃を非難していない。イランの報復攻撃だけを非難した。立ち位置が明確になった。
ホルムズ海峡
前の記事で「ホルムズ海峡が封鎖されるか」と書いた。
正確に言えば、封鎖はされていない。されていないが、ほぼ止まっている。
革命防衛隊がVHF無線で船舶に通告した。「ホルムズ海峡の通過は許されない」。英海事機関UKMTOがこの傍受を確認した。イランメディアは「実質的に閉鎖」と報じた。テヘランからの正式な封鎖宣言は出ていない。
機雷が敷かれたわけでも、軍艦が封鎖線を張ったわけでもない。無線で「通るな」と脅し、船会社が自主的にリスクを避け、結果として通航量が激減した。MarineTrafficのデータで70%減。Kplerによれば、LNGタンカー11隻がバラスト状態で減速・迂回・停止した。海峡の入口の内外で、タンカーが滞留し始めている。
一部の船はまだ通過を続けている。Bloombergのコモディティ記者Javier Blasは「イランはホルムズ海峡を『閉鎖』していない」と書いた。だが通航量が7割減った海峡を「開いている」と呼ぶのも正確ではない。
宣言なき封鎖。あるいは、脅迫による自主規制。呼び方はどうあれ、世界の海上原油の約20%、LNGの約18%が通る水路が、事実上の機能不全に陥った。
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