同じ日に通った二つの再生医療〜証拠の強さと注目度は逆を向いていた〜
2026年5月13日の中医協で、二つの再生医療等製品が同じ日に薬価収載された。アクーゴ7271万円、アムシェプリ5530万円。
アクーゴは、外傷性脳損傷の後遺症に対する細胞治療だ。健常者の骨髄由来の間葉系幹細胞を加工し、脳に注入して、分泌される因子を介して損傷部の機能回復を促す。アムシェプリは、パーキンソン病に対する細胞治療だ。iPS細胞からドパミン神経の前駆細胞を作り、脳の被殻に移植して、失われたドパミン産生を補う。どちらも脳に細胞を入れる再生医療だが、由来する細胞も、狙う疾患も違う。
報道はアムシェプリに集中した。iPS細胞由来の製品として世界初。山中伸弥のノーベル賞、京都大学、十数年の積み重ね。物語のある言葉が並ぶ。承認時には厚労大臣も閣議後会見で、山中教授のiPS細胞をもとにした日本発の治療製品が世界で初めて実用化されたことを歓迎すると述べた。行政のトップまでが言葉を添えている。アクーゴの扱いは小さかった。
ところが、同じ日に出た二つの中医協文書で有効性の根拠を読み比べると、証拠の質はかなり違う。そして注目度の高い方が、証拠は弱い。
入口は同じ一文
二つの文書には、収載の建て付けを述べた箇所がある。作用機序を説明したうえで、「医薬品と同様に薬理的な作用による治療効果が期待される製品であることを踏まえ、医薬品の例により対応する」。
ほぼ同じ定型句が、両方に使われている。アクーゴもアムシェプリも、この一文で医薬品と同じ収載ルートに乗る。証拠の中身に入る前の段階では、二つは横並びに扱われている。
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