381万票の設計図〜チームみらい躍進を数字で読む〜
2月1日に書いた記事がある。「チームみらいとは何か〜富裕層リベラルのための政党という実態〜」。消費税減税を言わず社会保険料引き下げを掲げるこの政党は、高所得都市部の利益を代弁している、と。
一週間後の選挙結果は、予想以上に雄弁でした。
地図の断層
東京23区の比例代表得票率を並べます。
中央区19.2%。港区18.5%。渋谷区18.4%。文京区18.4%。目黒区18.0%。千代田区17.6%。
全て自民党に次ぐ2位。中道改革連合でも国民民主でもない。チームみらいです。
足立区は9.9%と8.5%。葛飾区10.3%。江戸川区10.3%。下町では4位に沈む。
もっとわかりやすい例がある。大田区です。田園調布を含む26区が15.8%。蒲田を中心とする4区が11.9%。同じ区の中で4ポイント近く割れている。所得水準の地図と重ねると、得票率のグラデーションがぴたりと一致します。
SNSでは「不正だ」「組織票だ」と騒いでいる人がいる。違います。特定の所得層に正確に届くメッセージが機能した結果、この地図になった。むしろ不正がないことの証拠でしょう。
消費税に手を出さなかった理由
今回の衆院選で、消費税減税を掲げなかった野党はチームみらいだけでした。
安野党首は時事通信のインタビューで明言しています。「消費税減税よりも社会保険料の引き下げを優先する」と。毎日新聞の見出しは「消費減税レースに背を向けたチームみらい」。
なぜ背を向けたのか。支持層を考えれば、背を向けるのが正解だからです。
消費税は所得に関係なく一律に課される。減税の恩恵は低所得層ほど実感しやすい。年収300万円の世帯にとって2%の差は家計に直結する。年収1500万円の世帯には誤差です。
社会保険料は給与に比例して上がる。港区や渋谷区に住む専門職が「こんなに取られるのか」と感じているのは消費税ではなく社会保険料のほう。
子育て減税も同じ構造です。子どもの数に応じて所得税率を下げる。所得税率23%の世帯が子ども3人で3%になる設計。そもそも所得税率23%が適用されるのは課税所得695万円超。誰のための政策かは、税率表を見ればわかります。
全党が消費税減税に走る中、あえてそこに乗らなかった。ポピュリズムを避けた英断に見えるし、自党の支持層に不要な政策を切り捨てた冷徹な判断にも見える。おそらく両方でしょう。
152万と381万の差
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