AI検索の落とし穴【深層編】〜患者が無自覚に作る「都合のいい診断」〜
「先生、AIに相談したら、やっぱり甲状腺の問題だって言われました」
外来でこう言われる場面が増えました。患者さんは真剣そのものです。AIに症状を詳しく説明し、丁寧な答えをもらった。だから確信している。
ところが診察してみると、甲状腺ではない。むしろ不安障害の可能性が高い。
「AIが間違っているんですか?」
いいえ、違います。AIは間違っていません。
これが今回のテーマです。前2回の記事では、AIの情報が不正確だったり誇張があったりする問題を扱いました。今回は全く別の話。AIが正確に答えているのに、問題が起きる。
AIは正しく答えている
ある患者さんの例を挙げます。
30代女性。最近、動悸がする。夜眠れない。体重が減った。
彼女はAIにこう質問しました。
「動悸がして、眠れなくて、体重が減っています。何の病気でしょうか?」
AIの回答はこうです。
「その症状は甲状腺機能亢進症(バセドウ病)で見られることがあります。動悸、不眠、体重減少は典型的な症状です。内分泌科での検査をお勧めします」
完璧な回答。医学的に正しい。
彼女は確信しました。「やっぱり甲状腺だ」と。外来に来て、「甲状腺の検査をしてください」と言います。
無自覚な情報の絞り込み
しかし、私が問診するとこんな情報が出てきました。
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