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築20年、屋根の雨漏りが教えてくれたこと

築20年ほど経った頃、とある部屋の屋根が雨漏りした。

​私は、2社の工務店に見積もりを依頼することにした。

​1社はA社。10年来の付き合いがある地元の中堅業者だが、最近どこか「ぼったくり傾向」があるのではないか、という微かな違和感を感じていた。

​もう1社はB社。付き合い始めて数年だが、常に真摯な対応と良心的な価格を提示してくれる。

​今回は、その「違和感」を確かめるための比較だった。

​突きつけられた「桁違い」の差

​提示された内容は、驚くほど対照的だった。

【A社の提案】

​「築年数も経っていますし、屋根の総張替えを推奨します。費用は約300万円です」


300万。

確かに『カラーベスト瓦』の寿命は近いかもしれない。だが、私は定期的に塗装メンテナンスを繰り返してきた自負がある。

「そこまでボロボロだろうか?」という疑念が膨らんだ。

【B社の提案】

B社は、屋根裏まで潜り込んで撮影した写真を見せながらこう言った。

​「漏れている範囲は極めて限定的です。部分補修で十分に直りますよ」

​提示された概算見積もりは、わずか数万円

​桁が、二つも違った。

​「付き合いの長さ」という罠

​この一件を機に、私はA社との縁を切り、B社との本格的な付き合いを始めた。

​振り返れば、A社は何かと付帯工事を勧め、請求額を膨らませる傾向があったのだ。

若かった頃の私は、「プロが言うならそんなものか」と聞き流してしまっていた。

​だが、年を重ね、家と共に経験を積むと、かつての違和感は確かな「確信」へと変わる。

​一方で、安さだけを求めてホームセンターにカーポートを依頼したこともあるが、アフター対応の悪さに閉口し、結局それきりになった。

​最後に信じるべきは、自分の目

​2026年2月。家を建てて33年。

私が学んだのは、「付き合いの長さと信頼は、必ずしも比例しない」ということだ。

​「いつもお世話になっているから」

その言葉が、時に冷静な判断を狂わせる。

​やはり、見積もりは複数社に出すべきだ。

自分の家を守れるのは、施工業者でもメーカーでもない。

違和感を見逃さず、比較し、決断する「住み手」本人なのだから。

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