新築から33年。あの風呂場の教訓
2026年2月。
今から33年前、私は家を新築した。
新築場所は、当時の自宅から車で約1時間。
建築時、その気になれば、頻繁に現場を見に行くこともできた。
だが……私は何も知らなかった。
建築の知識も、水回りの恐ろしさも。
そしてそれは、家が完成した後も同じだった。
違和感の始まり
入居して3年ほど経った頃。
風呂場の入り口の床が、ふわりと柔らかくなっていることに気づいた。
当時はまだ「ユニットバス」が出始めた頃。
「高い」「狭い」という印象が強く、我が家はあえて風情のあるタイル張りの浴室を選んでいた。
次第に床が黒ずみ腐食している事がハッキリした。
原因は当然、タイル目地からの水漏れだと思った。
だが、目地は健全だった。
建設したハウスメーカーに修理を依頼し、床を張り替えてもらった。
しかしその際、担当者はこう言い残した。
「お風呂の出入りでは、よく体を拭いてからお願いします」
まるでこちらの使い方に問題があるかのような言い草。
釈然としないまま数年が過ぎ、……また同じ場所が腐った。
突き止めた「正体」
「さすがにおかしい」
そう確信した私は、ある実験を試みた。
風呂場の内側から、ドアに向かって思い切り水をぶつけてみたのだ。
すると……。
ドアパッキンの下から、水が大量に漏れ出してきた。
これだ。
原因は使い方ではない。明らかに施工ミスだった。
だが、時すでに遅し。
保証期間は過ぎており、結局は自腹での修理となった。
その後、タイルの劣化も進んだことで、最終的にはユニットバスへとリフォームした。
「最初からそうしていれば……」と、何度後悔したことか。
家は、建てて終わりではない
一番の反省は、「建築直後に、水回りを徹底的に確認しなかったこと」だ。
完成したばかりの家は、どうしても“完璧”に見えてしまう。
プロが作ったのだから、不具合などあるはずがない。
そう信じ込み、疑うことを忘れてしまう。
だが、家は使って初めてその「本性」を現す。
あの柔らかくなった風呂場の床は、私に大切なことを教えてくれた。
家は、建てて終わりではない。
住み手が点検し、疑い、守り続けるものなのだ。
33年が経った今も、私は水回りだけには必ず鋭い目を光らせている。
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