約30年続いたのではない。変化のたびに役割をつなぎ直してきた|製薬業界で支援を続けてきた理由
製薬業界で、契約や体制が変わっても支援を続けてきた理由
ディーシステムには、創業当初から続く製薬業界での支援実績があります。
そう聞くと、同じ顧客と、同じ契約、同じ体制のまま、仕事が長く続いてきたように見えるかもしれません。
しかし、実際はそうではありませんでした。
元請けや協業先が変わり、直接契約から別の商流へ移る。顧客側の担当者や委託体制も変わる。新しい業務へ挑戦したものの、短期間で終了した案件もありました。
では、なぜ支援を続けてこられたのでしょうか。
過去の取引実績があれば、そのまま現場へ残れるでしょうか。一度信頼を得れば、次の契約も自然に決まるのでしょうか。
そんなに単純なものではありませんでした。
契約や体制が変われば、新しい関係者へ、自分たちが何を担っているのかを説明し直す必要があります。これまでの役割が不要になれば、現在の体制で、別の何を担えるのかを考えなければなりません。
一つの契約が、そのまま長く残ってきたわけではないのですから。
変化が起きるたびに、顧客や協業先との関係をつくり直し、その中で必要とされる役割を考えてきました。
しかし、我々の長期にわたる支援の実態は、そこにあります。
最初から、製薬業界に詳しかったわけではない
ディーシステムが製薬業界へ関わるようになった入口の一つは、人からの紹介でした。
紹介をきっかけに、現在の大手製薬企業につながる企業との仕事が始まります。
ただ、紹介でつくられるのは、現場へ入る機会までで、その後も仕事を任される保証はありません。
創業当初から、製薬業務に関する知識を体系的に備えていた、と美化することもできません。
業務の流れも、システムが使われる背景も、顧客ごとに異なります。誰が判断し、どの部門と調整するのか。どの変更が業務へ影響するのか。
そうしたことは、実際の仕事を通じて学んでいきました。
一つの機会を得た後、その現場で何を理解し、何を返したのか。
次の仕事につながったのは、紹介そのものではなく、参画後に積み重ねた対応でした。
構築後も、システムを使い続けられる状態を支える
当時、システムの仕事では、新しいものをつくる構築工程が目立っていました。
要件を整理し、設計して、開発する。新しいシステムを導入する。
形として見えやすく、成果も説明しやすい仕事です。
とはいえ、システムは完成したら終わりではありません。
利用者から問い合わせが寄せられ、障害が起きる。業務やルールが変われば、データや機能の変更も必要になります。利用者が増えれば、使い方の説明や権限の調整も発生します。
導入後も、顧客の業務は続いていきます。
当時は、構築に比べると、運用保守の価値が見えにくい時代でもありました。大手事業者が構築を担い、その後の継続的な運用を別の会社が担うこともあります。
ディーシステムは、その運用保守を引き受けてきました。
構築後に残った作業を受け取った、という意味ではありません。
構築は、システムを使い始められる状態にします。運用保守は、そのシステムを、顧客が業務の中で使い続けられる状態にします。
正常に動いているかを確認し、問い合わせへ対応する。障害が起きれば原因を調べ、変更が必要であれば、業務への影響を見ながら関係者と進めます。
ディーシステムが担ってきたのは、導入後も続く顧客業務を支える仕事でした。
運用を続ける中では、画面やコードだけを見ていても分からないことが見えてきます。
なぜこの確認が必要で、この処理は止められないのか。どのような変更であれば業務への影響を抑えられ、利用者は何に迷って問い合わせるのか。
そこで蓄積されるのは、一般的な製薬業界の知識だけではありません。
その顧客の業務や利用者、運用方法、変更の経緯まで含んだ、顧客固有の知識です。
運用保守は、継続的な事業基盤であると同時に、次の支援を考えるための理解を蓄積する場にもなりました。
予定外の事態で、役割の境界を引き直した
ある大手企業との初めての取引では、運用開始直後に大規模なシステム障害が発生しました。
問い合わせが集中し、既存の窓口だけでは対応しきれない状況になります。
ディーシステム側の担当者が本来担っていたのは、一次窓口の後ろで技術的な確認を行う二次サポートでした。利用者からの問い合わせを直接受け続ける立場ではありません。
ただ、そのとき現場で不足していたのは、問い合わせを受ける役割でした。
そこで関係者から協力を求められ、ディーシステムの担当者も臨時の問い合わせ対応へ加わります。関係者と相談し、臨時のサポート体制をつくり、その中で必要な役割を担いました。
平常時には、二次サポートとして専門的な確認を行う。問い合わせが集中した状況では、現場全体を見て、不足している機能を一時的に補う。
本来、担当範囲の役割分担を明確にするべきところではありますが、状況に応じて、役割の境界を引き直したのです。
この一度の対応だけで、信頼関係が完成したわけではありませんが、それでも一緒に問題へ対応した相手との関係は、その後も続きました。さらに仕事を重ねる中で、複数のプロジェクトを紹介される一つの契機にもなっています。
予定どおりに進んでいるときだけでなく、予期しないことが起きたときに、誰とどのように動くのか。
その経験も、次に一緒に仕事ができるかを考える材料となります。
商流が変われば、協力の仕方もつくり直す
支援を続ける中では、契約の前提も何度も変わってきました。
顧客側で委託先の見直しが行われ、元請け企業や協業先が変わる。直接契約になることもあれば、別の企業の配下で支援する形になることもあります。顧客側の担当者や体制も、同じではありません。
商流が変わるということは、請求の経路だけが変わることではありません。
これまでの経緯を知らない関係者と、新しく仕事を始めることでもあります。
自分たちが現在何を担い、どの業務やシステムを理解しているのか。新しい体制では誰と連携し、現場へどのような価値を提供できるのか。
改めて説明し、理解してもらわなければなりません。
以前と同じ役割を、そのまま主張すればよいわけではなく、新たな方針を汲み取り、要望に応える必要があります。
新しい体制では、これまで自社が担っていた業務を、別の企業が担当することもあります。反対に、関係者が増えたことで、新しい調整や支援が必要になる場合もあります。
そのときに問われるのは、過去に何をしていたかだけではありません。
現在の体制で、何を担えば現場が動くのか。
そこを新しい関係者と考え、分担を定め直す必要があります。
長い取引履歴は、信頼の材料にはなります。
しかし、将来の仕事を保証するものではありません。
支援を続けるには、前提が変わるたびに、現在の体制でも必要とされる理由を示し直す必要がありました。
すべての案件が続いたわけではない
この歩みの中には、短期間で終了した案件もあります。
新しい業務領域へ広げようとしたものの、長期的な仕事にはならなかったケースもありました。
すべての挑戦が成功したわけではありません。
長く事業を続けている会社ほど、成功した話だけを並べたくなるかもしれません。
ただ、正直に我々の実態を伝えるなら、終了した仕事も含めて考える必要があります。
一つの案件が終わる。
それは、その仕事が継続しなかったということではありますが、顧客との関係全体まで、同時に終わるとは限りませんでした。
現在の体制で別の役割を担えないか。これまで蓄積した知識を、ほかの業務で生かせないか。
仕事が終わった後も、別の接点から関係を考え直してきました。
終了した理由を、後からきれいな物語にすることはできません。すべての案件終了が、別の成功へつながったとも言えません。
それでも、一つの案件の終了と、顧客との関係の終了を同じものとして扱わなかった。
長期的な顧客支援とは、すべての仕事を継続させるということではなく、変化や終了があった後に、次に担える仕事を探してきた記録だと考えています。
製薬業界での強みは、年数だけではない
長い支援実績は、採用でも顧客への説明でも、分かりやすい安心材料にはなります。
ただ、ディーシステムの強みは、その年数自体ではありません。
顧客ごとに異なる業務やシステムを理解し、導入後の運用を支えながら、変化へ対応してきたこと。
予定外の事態では関係者と役割を調整し、契約や商流が変われば、新しい体制の中で協力の仕方をつくり直してきたこと。
一つの案件が終わったときにも、別の課題や接点から、次に担える仕事を考えてきたこと。
製薬業界の知識に、こうした実行が重なってきました。
業界用語や規制を知っているだけでは、顧客固有のシステムを支え続けることはできません。
現場で蓄積した知識を使い、状況に合わせて関係と役割を調整する。
それが、ディーシステムがこの領域で培ってきた力です。
続いてきたのではなく、続けられる形をつくってきた
約30年という長い支援実績は、過去の仕事が、そのまま残り続けた結果ではありません。
紹介をきっかけに現場へ入り、運用保守を通じて顧客固有の業務を学びました。障害時には関係者と臨時の体制をつくり、契約や商流が変われば、新しい関係者と役割を定め直してきました。
終了した案件の後には、別の形で何を担えるかを考えています。
その都度行ってきたのは、過去の実績を守ることではありません。
現在の状況を見て、顧客にとって必要な仕事と、自分たちが担える役割を結び直すことでした。
これからも、顧客の業務やシステムは変わります。契約や体制も変わるでしょう。新しい技術や、新しい関係者と仕事をする場面も増えていきます。
過去の取引年数だけでは、次の仕事をつくれません。
それでも、これまでの経験を未来へつなげられるとすれば、変化の中で、個人ではなく、会社として続けられる形を考えてきたからです。
ディーシステムの製薬業界での強みは、過去の取引年数ではなく、変化のたびに顧客との関係と自分たちの役割をつなぎ直してきた実行力にあります。
変化の中で、次に必要な役割を考える
製薬業界で長く働くということは、同じ仕事を繰り返すことではありません。
業務やシステム、契約、体制が変わるたびに、顧客にとって次に必要な役割を考える仕事です。
ディーシステムでは、運用保守を通じて顧客の業務を理解し、問題が起きたときには関係者と役割を調整しながら、長期的な支援に関わるエンジニアを募集しています。
ディーシステムの製薬業界での仕事や、エンジニアの働き方については、採用情報でも紹介しています。
次に読む記事
信頼から生まれた価値を、会社がどう評価するのか
顧客との関係を深め、新しい相談や案件につなげた社員の行動を、会社はどのように評価するのか。
営業職だけに限定せず、顧客への価値提供から生まれた成果を社員へ返す、営業インセンティブ制度を紹介します。
製薬現場の問い合わせを、どのように知識へ変えたのか
長期的な支援の中で蓄積されたのは、システムの操作方法だけではありません。
問い合わせの背景にある業務知識や判断基準を整理し、対応品質の平準化や人材育成へつなげた、製薬ヘルプデスクの支援事例を紹介します。
ディーシステムのほかの支援実績を見る
ディーシステムでは、製薬業界のヘルプデスク支援だけでなく、情報システム部門の運用支援、クラウド移行、基幹システム統合などにも関わっています。
顧客現場でどのような課題を受け取り、どのような役割を担ってきたのかを、支援実績から紹介します。
