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一橋大学に合格する(予定)生徒が、これからすること【受験勉強の現場をユルく語る #10】

今年の大学受験生は二人です。 一人は、以前お話しした早稲田大学法学部を志望している男子生徒ですが、今回はもう一人、同じ高校に通う男子生徒について、現在の状況と、残り3か月で何をするかお話したいと思います。

彼の志望校は一橋大学です。早稲田大学法学部を志望している生徒と同じ中学出身で、高校1年の5月に入塾しました。初めは数学に困っていて、高校数学についていけるかどうか不安だという話でした。

彼は弓道部に所属し、高3の6月まで部活動を続けていました。しかし2年の10月ぐらいからは毎日必ず自習に来るようになっています。いわゆる「スイッチが入った」というやつです。

実は、彼に関しては最初から心配していませんでした。なぜなら、これは適切な表現・理由かどうか分かりませんが、彼は「エリート」なのです。学力的にはもちろん、父親が弁護士で、祖父が司法書士という法曹家系であり、中学の時の学力もかなり高く、そして高校に入ってからの定期テスト・模試の順位にも大きな問題はありませんでした。まさに「優等生」です。

一橋大学という志望校も高1の段階から決まっていたので、勉強の計画と得点戦略もほぼイメージできていました。国:英:数=3.5:4:2.5です。(当初の心配の通り数学を最優先していたら、現在のバランスにはなっていません。)

そんな彼を2年の秋までは静観していたわけですが、実際に動き始まっても、やはり期待通りでした。彼は自制心が並外れていて、ほぼ毎日決まった時間に、決まった行動をとることできます。自分で自分をしっかりとコントロールすることができるのです。

部活引退後、一橋大学の過去問を始めました。彼の模試偏差値は安定していて、英語70前半、数学70弱。そして国語は常に80を超えています

もの静かな男ですが、彼の文章・言語理解力は特別です。
私が彼と話すときは、語彙や表現について一切手加減をしません。むしろ彼にバカにされないよう気をつかっているくらいです。

こんなふうに、3科目の現在位置はほぼ心配ないと言っていいレベルです。 一橋大学入試は、誰が何と言おうと国語力、言語運用力が試されますが、国語がこれだけ突き抜けていれば、英語と国語では無双できます。こじらせなければ、明らかに他の受験生とは一味違う、抜きんでた解答を書くことができます。
確かに数学は若干不安ですが、恥ずかしいレベルではありません。十分戦えるレベルです。

過去問演習をする中で、私が注意して見る項目がありました。それは国語の近代文語文に対応できるかどうかということでした。

現代文記述と要約は、彼の力をもってすれば上手に対応することができます。しかし、近代文語文にどのくらいの対応力を見せるのかは未知数です。

結果、全く問題ありませんでした。むしろ彼は「簡単です」と言ってのけたのです。

日本史の教科書だけでなく『日本史リブレット』を数冊読んでいるので、明治期の人物や思想に関する基本的な知識は揃っています。その上、常人レベルを超える国語力を持つ彼にとっては、普通の文に見えるのかもしれません。

近代文語文を出題する大学は珍しく、一橋大学と早稲田大学の文化構想学部程度です。しかし問題の形式が全く違うので、相互に問題に取り組むことが即効果的ということはありません。

同種の課題であっても、問うている力が違うのです。一橋はひたすら記述解答によって思想理解の深さと表現力を測られますが、早稲田文構では、当時の思想に関する専門的な用語の解釈まで求められます。現古漢融合といった点でも、文構は唯一無二です。

こんな感じで、国語はすでに完成に近づいています。英語・数学も先ほど話したように、大きな心配はありません。これから若干力を入れなければならないのは日本史です。論述準備を始めなければいけません。

日本史論述の開始時期については計画通りですので、焦ってはいません。現在まではひたすら教科書レベルの知識を叩きこんでいて、12月から日本史の論述対策です。「解答を書く→添削」という小論文のような流れではなく、「小/中テーマ提示→ブレインストーミング」という手順で、数多くのテーマに関する構成を練習してもらいます。市販の参考書も2種類使いますが、私が口頭試問する時間もたっぷり設けます。

「歴史総合の範囲が…」という心配を口にしますが、彼ならば問題ないでしょう。

ちなみに彼は他の大学の受験を考えてはいません。 つまり私立大学受験をしないので、2月25日まで一つの目標に絞って、すべての時間を使うことができます。さらに各教科、共通テストレベルには対応できているので、共テ対策に躍起になる必要もありません。本人は必死だと思いますが、傍から見るとかなり余裕がある受験生です。

彼のように、直前期に入っても落ち着いて淡々と受験勉強を進めることができている理由は、先述のように「自制心」が秀でているということに尽きると思います。
部活動をしながらも先を見据え、一旦切り替えると自分で決めたら必ず実行・継続する貫通力を持っています。受験勉強にはもちろん柔軟性も必要ですが、それは彼には不要です。彼は彼自身を貫くことで、きっと大学受験が単なる通過点となるでしょう。実に羨ましい高校大学生活ですね。

彼のようなお手本がいることで、下の世代にもいい刺激になっています。


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