【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ田中健一編#10
あんたも誰かの企画に乗っかって何か書くことってあるかい?
今回もこの企画に乗っかってみようかね。
企画ページ本体はこっち。
前回のはコレ。
田中健一がだいぶ固まってきた気はするが人気はそれほどないw
で俺の持ちキャラはこいつ。
今回はこの人気作にからめて書いてみるかね。
選挙演説
この間選挙あったじゃんか。
なんか駅前で辻説法する政治家っぽいヒトがいたわけだ。
たぶん候補者なんだろうな。
で、裏金議員がどうのこうのとか言ってたんだよね。
で、その辻説法で珍しい光景を目にしたんだ。
なんか少年が議員に向かって質問を投げかけてたんだ。
候補者っぽいヒトはマイクを渡して少年の声をその他の聴衆にも聞けるようにしていた。
なんとも律儀なこった。
俺の記憶では聴衆にマイクを渡す政治家なんて見たことがない。
少年はこんな事を言ってた。
「他人を非難するより、あなたの作りたい日本について聞かせてほしい」
すげぇな。
あの年代でそれを言うか。
そんなことを候補者に問いかけるダチがあんたにはいたか?
俺にはいなかった。
そういや、選挙の投票権が18歳からになったんだっけ。
それにしてもすげぇ当事者意識だ。
俺も選挙には毎回行ってるけれど、候補者に話しかけるなんてことしたことない。
それを受けて候補者っぽいヒトは財政均衡がどうのこうのと話し始めた。
あれ?
あの少年どっかで見たな。
ドラムの少年
あ、そうか。
あの少年ドラムとボーカルで勝負していたバンドのドラムやってた少年だ。
すげえな。
あの年齢で政治に物を申すってか。
さすが、ドラムとボーカルだけでやるだけの度胸があるってことなんだろうな。
そんなふうに眺めていた。
うん?
でも少年の表情を眺めていると、不思議な違和感を覚える。
熱がない。
あんだけすげぇ言葉を政治家に投げかけた少年の行動と表情が一致してない。
サクラってことか?
そう思って周りを見ていると、同じ様に無表情で演説を聞いているやつが結構いる。
政治屋ってこういうことなのかもな。
少年へのねぎらい
そう思ったら、少年を利用してまで選挙に勝たなきゃならんのかって、その候補者が少し哀れに見えてくる。
プライマリバランスがどうのこうのと言っているけれど、教科書に載っている文章をそのまま暗唱しているようにしか見えなくなってくる。
それにつきあわされた少年は、どんな気持ちなんだろう。
なんかたまらない気持ちになってくるじゃん。
少年を巻き込むな。
あの熱い思いでドラムを叩く少年の気持ちを二束三文で踏みにじるなって。
もうこうなると、俺の悪い癖が発動ちまうわけだ。
少年の横に移動する。
「ドラム少年。大変だったな」
そんなふうに声を掛ける。
ビクッとするドラム少年。
「ああ、返事はしなくて良い。少年にも都合があるだろ?」
そして続ける。
「少年はもう選挙権持ってるのか?まあ、遅かれ早かれ選挙権ってのが少年にも与えられる。ってか押し付けられる。
その時に、本心であの『あなたの作りたい日本について聞かせてほしい』って言えるやつになれると良いな」
少年はうつむきながら俺の言葉を聞いていた。
「なに、俺は少年を非難したいんじゃないんだ。むしろすげぇと思う。
だからこそ、そんなすげぇ少年はキッチリ世の中ってのを見てほしいと思っただけなんだ」
それだけ言って、俺はその場を去った。
たぶん、俺の言葉は少年を悩ましちまうだろう。
でもさ。
悩むことが出来るのって若者の特権みたいなところがあるじゃんか。
悩んで問うて答える大人が周りにいるんだから。
大人はその答えのない問に戸惑うけれど、それに答えるだろう。
内心ではものすごく悩みながら。
あんたもそうだろう?
あんたはそんな子どもたちに何を感じて、何を答えるんだろうな?
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