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【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ田中真人編#16

あんたも誰かの企画に乗っかって何か書くことってあるかい?

今回もこの企画に乗っかってみようかね。

企画ページ本体はこっち。

前回のはコレ。
真人と圭子がエゴを語らう物語。

で俺の持ちキャラはこいつ。
CV:大塚明夫を想像しながら読むと腹がよじれると評判w

今回も息子の真人視点の物語だ。
真人はCV:梶裕貴で読んでみてくれよな。


帰り道

それから俺たちは駐車場に行く前に驚くくらいに話した。
好きな食べ物。
好きな映画。
好きな俳優。
好きなマンガ。
好きな小説。

自分でも驚くくらいだ。
俺にはこんなに好きなものがあったのかってくらい話した。

圭子も同じ様に好きなものをまくし立てていた。

特にスタイリストに対する思いを語っていてくれていたと思う。
思うってのは、話が進むに連れ専門的になりすぎて俺が理解できなかったからなんだけれどね。

でもとても楽しそうに話す圭子を見て、俺はその笑顔を独り占めしているような気分に浸っていた。

「じゃあ、帰ろうか」
圭子が言った。
「またあのヘアピンカーブ通るのかぁ」
「なによ。結構楽しんでウェイトシフトしてたじゃん」
「まあ、そうかもな」

俺は素直にそう言った。
圭子の前だと本音を何も考えずに言っている自分に気づき、そのことに驚きつつも納得していた。

まあ、自分だけでバイクに乗ることは無いだろうけれどね。

帰り道。
バイクのスピードに乗っかりながら感じていた。
スピードに乗っかっていればいるほど、自分自身が静止していく感覚。
カーブが来る。
重心を自然に圭子と合わせる。
グリップしたタイヤと路面の摩擦で溶けるようなタイヤの香りを感じる。
同時に圭子の香りと体温も。

その危険な状況の中で、感じたもの。

命だ。

こんな生きているってことを感じる方法があるんだ。
そんなことを考えていた。
この世界で圭子は生きてきたんだ。
そりゃあ、理不尽な暴力を嫌いになるわけだよな。
だって、命ってのが「当たり前」にあるのが奇跡みたいなものって体感しているわけだもんな。

そう考えると、俺と圭子では死生観が違うのかもしれない。
俺はもしかしたら、命を当たり前のものとして受け入れすぎているのかもしれない。
母さんが命を文字通り俺に与えてくれたのに。

そして、考える。
圭子が俺と結婚する。
そして、俺と圭子の子どもが生まれる時。
圭子は命の危険と向き合うことになる。
圭子の命が持ってかれることもあるかもしれない。
俺はそれに耐えられるのか?

父さんはどうやって、「俺を恨まずに」生きてこれたんだ?

ああ、俺はまだまだってことなのかもしれない。
ヒトを愛するってことと真正面から向き合う経験値が少なすぎる。

だからせめて。
俺は今目の前にいるこの女性を愛そう。

「なあ、圭子!」
俺はバイクの爆音に負けないように叫ぶ。

「何!!?」
「俺は圭子のことを愛してるからな!!」
「何言ってんのよ!!?」
「言えるときに言わないとな!!」
「今?それ」
「今だ!!!」

そうして俺たちは夜の街を疾走った。

やがて俺の家の前につく。俺はV-MAXの後部座席から降りる。
振動のせいで尻がヒリヒリする。

そのまま圭子は帰ると思っていたんだ。
でも圭子は一度V-MAXのエンジンを切った。
静寂が突然訪れる。

「私も真人のことを愛してる」
真正面から俺を見つめて圭子が言う。
瞳は揺らぐこと無く俺の瞳を見つめていた。

「……そうか。良かった」
俺はそう答えた。
愛している。その言葉を噛み締めながら。

その夜。
俺たちの恋は愛に変わった。


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参考にした話

#すっぱいチェリーたち
#歌えないオッサンのバラッド

積み重なっていく二人の思い出。
恋から愛への変化。
以下待て次号!

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