【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ田中真人編#15
あんたも誰かの企画に乗っかって何か書くことってあるかい?
今回もこの企画に乗っかってみようかね。
企画ページ本体はこっち。
前回のはコレ。
圭子が真人へ夢を問う物語。
で俺の持ちキャラはこいつ。
CV:大塚明夫を想像しながら読むと腹がよじれると評判w
今回も息子の真人視点の物語だ。
真人はCV:梶裕貴で読んでみてくれよな。
不公平2
「そんなの夢でもなんでもないじゃん」
泣きじゃくっていた圭子は少し落ち着いてから言った。
「勝ち取るものなの?私が?私は賞品なんかじゃない」
「そうだな。圭子はものじゃない。
言葉が足りなかった。
俺が欲しいのは圭子と作り上げる世界なんだよ」
「世界?」
少し海風が強くなってきた。
俺も圭子も文字通り頭を冷やされていたのかもしれない。
「俺さ。生まれたときから母親が居ない家庭だったんだ。
だから、母親の大切さとか、母親が恋しいとか。
そういう感情は無いんだよね」
少し驚くような圭子。
「それが普通じゃないってことは、子どもの頃から分かってた。
だって周りには母親っていうのが当たり前に居たから」
「私に母親になって欲しいってこと?」
まあ、そう考えるよな。
「さっきも言った通りそもそも俺は母親ってのがどういう存在か知らない。
なにしろ生まれたときからいないんだから。
それより俺は思ったんだ。
俺は、今までずっと守られる立場だったんだって。
俺の場合は父さんが俺を守ってきた。
だから守るってことがどれだけ難しいことかはわかる。
そのうえで、今。圭子は俺の目の前にいる。
誰よりも大切だと思える圭子がだ。
思ったんだよ。
圭子を守りたいって」
「私が守られる必要のあるようなか弱いヒトだってこと?」
圭子は少し怒っている様に見える。
「違うね。圭子は俺なんかよりずっと強いヒトだと思う。
でも強いヒトは守られたらいけないのか?
強い戦士にも宿り木は必要だ。
俺はね、圭子。
君を守れるくらいに強くなりたい。
コレは俺のエゴだ」
圭子は少し考える。
「なら私のエゴも聞いてもらわないといけないよね」
「たしかにそうだ。そうしなけりゃ不公平だもんな」
俺は圭子をまっすぐに見つめた。
「私を幸せにして」
圭子はそれだけを言った。
「それは結婚してくれるってことかい?」
意地悪く俺は言った。
「そうよ!まったく底意地が悪いったらありゃしない」
そのまま二人は口づけを交わした。
その後
海風が体の芯から熱を奪っていた。
「そろそろ帰るか」
俺がそう言うと圭子もうなずいた。
駐車場に向かうまでに歩きながら話す。
「結婚って言ってもすぐってわけにはいかないと思う。
圭子はまだ高校生だし、俺も学生の身分だ。
あと、1年ちょっと。
圭子は高校で色んなヒトと交流するだろう。
その青春を奪いたくはない。
結婚は圭子が高校を卒業した後かな」
「うん」
圭子は短くそれだけ言った。
「浮気すんなよ」
冗談めかして言う。
「わかんないわよ~」
冗談で返される。
「そりゃまずい。俺の魅力を存分に見せつけないとな」
「そんなの分かってるって。世界の誰よりも」
今度はこっちが赤面する番らしい。
まったく、このアマゾネスに恋をしてしまった俺は勇者を名乗ってもいいんじゃないか?
「俺もね。世界の誰よりも圭子が好きだよ」
歯の浮くようなセリフってのはこういうのなんだろう。
圭子は無言で腕を組んでくっついてくる。
父さんと母さんもこうだったのかな。
あの父さんがこんな歯の浮くようなセリフを誰かに言ったなんてにわかには信じられないけれどね。
そして、父さんは母さんを失った。
俺の命と引き換えに。
俺はそんなことに耐えられるか?ちょっと想像がつかない。
それでも、たぶん人生という本があったとして、間違いなく今日という日はしおりを挟んでおくページなんだと思う。
そんな事を考えながら俺は隣の圭子を見つめていた。
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参考にした話
栞と言う名の記憶。
大切な記憶。
以下待て次号!
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