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【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ田中健一編#12

あんたも誰かの企画に乗っかって何か書くことってあるかい?

今回もこの企画に乗っかってみようかね。

企画ページ本体はこっち。

前回のはコレ。
まだ企画に混ざっていないヒトのキャラクターを絡めちまったw

で俺の持ちキャラはこいつ。

今回はこの話にからめて書いてみるかね。
イベント企画者のうりもさんの宇利少年だな。



川辺の少年

あんたは思索にふける時間ってのをとれているかい?

実際、日々の仕事やらなんやらでそんな余裕は中々取れるもんじゃないよな。
というか取ろうとする意識さえもてないってのがあると思う。

なので、顧客との打ち合わせ帰りのこの川辺を歩くってのは俺にとってすげぇありがたい環境なんだと思うんだよな。

で、いつも通り川辺を歩いていると、今日もあの学校の制服を着た少年が土手に座っている。

なんだ?業界用語的に表現するならワカベーでズンタッタするのが流行っているのか?
※川辺でたたずむの意味

で、よくみたら宇利少年じゃん。

声をかけようとしたんだが、その前に宇利少年の独り言が聞こえてきた。

「俺はいったいどうしたいんだ……」

おいおいおい、また悩んでいるのか少年。
俺はお悩み相談室じゃないんだぞ。

そんなことを思いながらいつもの悪い癖を出しちまうわけだ。
土手の上から宇利少年に声をかける。

「どうしたよ?宇利少年」

ヒトをスキになるってこと

「た、田中さん……」
宇利少年はいつもの雰囲気とちと違っている気がした。

なんつーか、自分を卑下しているときの困った顔じゃないんだ。
もっとなんつーか自分とは何かみたいな哲学的なことを考えているっぽい。
ゴリラ顔でそれやられると、ホント哲学者みたいに見えるよな。

「なんか考えてる感じだな」

そんなふうに声をかけてみる。

「俺ってなんなんやろう?なんて考えてたんす。変でしょ?」

おおう、まさかのジャストミート。
俺のヒトを見る目ってのもまあまあってことかね。

少し宇利少年は考えて答えてくれた。

「俺、すぐに女の子をスキになっちまうんす。
 移り気って言うんすよね。こういうの。
 それって、相手にも失礼なことだと思うんすけど、
 どうしても、スキって感情を抑えられなくて」

なるほど。こりゃあ周りにいる友人に話せる話じゃないわな。
だからワカベーでズンタッタしてたんか。

「確かに二股かけるみたいなことは良くないわな」
「そうですよね……」

目に見えて落ち込む宇利少年。

「でもだよ。スキって感情を宇利少年はコントロール出来ない。
 っていうか、感情ってのはヒトにはコントロール出来ないんだ」

宇利少年の表情に微妙な変化が起きる。
自分を卑下する表情から、どうすれば良いのかっていう思考に変わった感じだ。

「コントロール出来ない。ならどうするか。
 そのスキって感情が何によってもたらされたのか。
 そこから整理してみるんだ」

そして宇利少年の中での整理が始まったように見えた。

「それが整理できたら、そのヒトをスキになった理由ってのを
 友達に話してみろよ。
 いや、スキなんだってことを話せっていうんじゃないぜ?
 シンプルにそのヒトの人間性の素晴らしさを話してみなよってことな」

「人間性……」
「そう。人間性。
 単純に見た目だとか匂いだとかの五感に直結したような
 スキは長続きするもんじゃないと俺は思うんだよな。
 だって、歳を重ねれば見た目とか匂いとかそういう表面的なものなんて
 変わるもんだもんよ。
 人間性を誰かに話すことで宇利少年の思いってのがよりしっかりする。
 自分の気持ちってのが自分の心に深く根付くってこった。
 そしたら、その気持ちを相手に届ける。
 きちんと心に収まった気持ちは相手にも伝わる。
 人間関係ってそういうもんじゃないかな」

宇利少年は考え始めた。
悩むんじゃなくて考え始めた。

もう、歩き始められるだろう。
ヒトは目標が見えれば歩き始めたくなるもんだもんな。

「頑張れよ。宇利少年」

それだけ声をかけて、俺は会社への道を歩き始めた。
青春だよなぁ。
と考えながら。

#すっぱいチェリーたち
#歌えないオッサンのバラッド

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