【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ田中健一編#11
あんたも誰かの企画に乗っかって何か書くことってあるかい?
今回もこの企画に乗っかってみようかね。
企画ページ本体はこっち。
前回のはコレ。
あれ、いままでどんだけのヒトと絡んだんだっけ。
感覚がドンドコ曖昧になっていくw
で俺の持ちキャラはこいつ。
今回はこの話にからめて書いてみるかね。
小室徹子じゃなくて見栄晴だけどw
川辺の少年
あんたも思いがけない幸運ってのがあったりするかい?
なに、宝くじがあたったとか、競馬で万馬券ゲットしたとかそういうのじゃなくてだ。
日常にある、些細な幸福ってやつだ。
昼飯が美味かった。
家族がなにかに成功した。
しみる音楽を聞けた。
そういうやつだ。
今回はそういう些細な幸運に出会った時の話だ。
ちっと、俺の感情に付き合ってくれよ。
その日、俺は顧客の打ち合わせを終わって、またちっと遠回りになる川辺を歩いていた。
夕日がきれいな日だった。
それだけで、なんか「今日も良い日だった」とか思えるやつだと思うんだよな。
そこで聞き慣れない音が耳に入ってくる。
おお、ブルースハープかぁ。
Johnny B.Goodeとは渋いねぇ。
どっから聞こえてくるんだろうと見てみると、宇利少年が座ってた辺りに別の少年が座ってブルースハープを吹いていた。
ちょっとだけ歩くスピードを緩めて、その音に耳を傾ける。
いい音だしてんなぁ。
見たところ宇利少年と同じ制服を着ている。
なら高校生ってことか。
それで、この楽器を選ぶってのはセンスがすげぇなぁ。
そう言えば、宇利少年たちはバンドやってるんだったよな。組んだらオモロイんじゃねぇか?
そんな勝手なことを考えながら音を聞き続けた。
ビブラートの効かせ方がエグいな。
何食ったらそういうセンスが身につくんだろう。
何?食い物は関係ないだろって?
ごもっとも。
で、なんのかんの感想を考えていたら、いつの間にか足が止まってた。
聞き入っていたってのが正しいかも知んない。
曲の終わり
その少年の斜め後ろからそのハーモニーを聞き続けていた。
はたから見ると、異様な光景だっただろうなぁ。
まあ、良いじゃないか。
この音色が肩の辺りからすうっと力を抜いてくれる。
その恩恵にあやかれるならさ。
1曲終わったところで、俺は思わず拍手していた。
「ブラボー!」
なんつっちまった。
少年は演奏に集中していたみたいで、俺の存在には気がついていなかったのか、すげぇびっくりしてた。
「わりぃな、少年の練習を邪魔しちまったか」
俺は素直にわびを入れた。
「いえ、ヒトがいるとは思わなかったんで」
そうだよな。夕方の川辺にオッサンがいたら、それは良からぬ方向性で行動を起こそうとしているやつとか見られても仕方ないよな。
「……俺の演奏……どうでした?」
少年がおずおずと聞いてきた。
「もちろん最高だったさ。ビブラートも良かった。スロートビブラートを盛り込めたらもっと良くなると思ったよ」
俺は素直な感想を述べた。
「スロートビブラート?」
少年はきょとんとした顔で聞き返してくる。
「のどだよ。のどで震えを作るんだ。子どもが泣く時のヒックヒックっていうのを音に乗せる感じだな」
「へぇ」
「まあ、相当練習しないとまともな音にはならないんだけれどな」
俺はこう見えても音楽にはうるさいんだ。
その俺が聞いても、この少年の才能は群を抜いている。
やっぱ、才能に触れた時ってのはヒトを幸せな気分にもってくよな。
「こんな感じかなぁ」
そう言って少年はスロートビブラートを試そうとしてみる。
案の定咳き込む。
「まあ、あせるこたぁねえさ。俺が聞いた少年の演奏は天才の類だと思うぜ」
「あ、ありがとうございます」
その言葉を聞いて手を降って歩き出した。
そうか、宇利少年の学校のやつか。
文化祭で演ったりするのかな。
そんな事を考えながら、俺はいつもどおりやっつけ書類を片付けるために会社に向かった。
なあ、あんたはどうだい?
あんたも才能に触れた時の感動ってのを覚えていたりするかい?
ということでTKさんに乗せられて(勝手に)巻き込む感じになっちまいました。
ミエハルさん気が向いたら混ざってくださいな。
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