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【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ田中健一編#8

あんたも誰かの企画に乗っかって何か書くことってあるかい?

今回もこの企画に乗っかってみようかね。

企画ページ本体はこっち。

前回のはコレ。

で俺の持ちキャラはこいつ。

今回は前回に引き続き文化祭周りの話でも書いてみるか。

この記事を膨らませてみようかね。

ちなみに今までの登場人物や出来事、場所みたいな設定をおおさわさんがまとめた力作メモがあるから、そっちも見てくれよな。


悩む少女

あんたは少年少女がホンキで何かに取り組んでいる姿を見ることがあるかい?

俺が残業をする時の御用達のファーストフード店(俺の通称ゴキブリホイホイ)には結構学生がいる。
近くに高校があるから、そこの生徒なんだろう。
田梨木高校と校門のところに書いてあるんだけれど、あれなんて読むんだ?

地名とも関係ないしなんだろうな。
なんとなくスマホで検索してみたら秋田に梨木という場所があるっぽい。
私立学校で設立者が出身が秋田のヒトなのかな?

で、今日も残業なので、とりあえず腹を満たしに来たわけだが、学生たちがいつもより多めな気がするな。
あれか?この間の宇利少年が言っていた文化祭の準備みたいなので学生が流れてきているんかね。

とりあえずいつものセットを頼んで席につく。
さてと、ポテトからやっつけちまうか。
ポテトの劣化スピードは光よりも速いからな。
とかどうでもいいことを思いながらふと隣の席を見る。

なんか少女がウンウン唸りながらノートに向かっている。
なんだ?難しい問題にでもぶつかったか?
そう思って、ちらっとノートをみる。
なんか赤入れされているシナリオみたいな感じの事が書いてあった。

なるほど。
文化祭と格闘中ってわけね。
あれ?でもこの少女どっかで見たような気がするな。
ま、いいか。

「ここ……どう回していけばいいかなぁ」

だから、俺の周りで負の言葉を撒き散らすんじゃないよ。
また悪い癖が出ちまうだろうが。

作家様に意見するオッサン

はぁ。
軽くため息をついてから、隣りに座っている少女に声をかける。

「天才作家さんも悩みながら物語を紡ぐんだな」

びっくりして少女が俺の顔を見る。
不信感てんこ盛りだ。
そりゃそうだ。
俺だって逆の立場だったらそうする。

「わりいな。なんか展開で悩んでるみたいだったから、つい声をかけちまった」

それを聞いた少女は、はっという表情を浮かべて、そして赤面した。
若いなぁ。

そして、そのノートをじっと見つめてから、俺に声を返してくれた。

「これ、どう思います?」
そう言って俺にそのノートを手渡す。

おいおい、俺はその辺のオッサンだぞ。
そう簡単に信用しちゃダメなんだぞ。

そう思いながらノートを受け取ってシナリオを読み始めた。
……なるほど。
学園祭でやるにはちと中身を詰め込みすぎか?
でも、赤で「カット」って書いてあるからそこはいいのか。

「うん、なるほど。でどこで悩んでるんだっけ?」
「オオカミのセリフに奥行きが出せないっていうか」
そこなんだな。
ヴィランに奥行きをもたせるのは物語の鉄則だからな。
「なら、このオオカミの子どもを親衛隊に殺させれば良いんじゃないか?」

少女の目が見開かれる。
まあ、少年少女の作る物語で誰かが誰かを殺すってのはいかがなものかとは思いながら、オオカミに奥行きを持たすためには愛情ってのが欠かせないもんな。

「こ、殺させるんですか?」
「赤ずきんを食べる理由が単純な食欲だと、オオカミが薄っぺらくなっちまう。だからセリフが思いつかないんだろ?」
「……確かに」
「しかも、最後に仲裁に入られたときに、オオカミが納得出来る理由にもつながる」
「なーるほど」

なんかどっかで聞いたフレーズだな。
「あざす!」
少女は元気に返事しながらノートとの格闘を再開したみたいだ。

俺もポテトとハンバーガーとの格闘を再開するか。
最近、食欲がめっきり減っちまって、ホント押し込むように食い物を口に放り込んでいるんだよな。

押し込みながら文化祭かぁとなんとなく考える。
俺のときはあんまり力を入れてなかったよなぁ。

宇利少年たちと言い、この少女と言い、ホンキもホンキでやってんだなぁ。

なんか、うれしい。
そんな事を考えて、ハンバーガーの最後の一欠片を口に突っ込んだ。

#すっぱいチェリーたち
#歌えないオッサンのバラッド

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