【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ田中真人編#27
あんたも誰かの企画に乗っかって何か書くことってあるかい?
今回もこの企画に乗っかってみようかね。
企画ページ本体はこっち。
前回のはコレ。
健一の出会いの物語。
で俺の持ちキャラはこいつ。
CV:大塚明夫を想像しながら読むと腹がよじれると評判w
今回も息子の真人視点の物語だ。
真人はCV:梶裕貴で読んでみてくれよな。
父さん
話を聞いて思った。
なんか、俺は父さんの若い頃をトレースしてるみたいだって。
「次いつ会える?」
なんて一字一句まるで同じことを俺は言っていた。
父さんがどうやって母さんと出会ったかなんて知らないのにだ。
まあ、その時の記憶はすっ飛んじまってるから圭子から聞いた話だけれどね。
「おじいちゃんとおばあちゃんへの挨拶は緊張したって言ったけれど、どうやってその緊張を乗り越えたの?」
父さんはきょとんとした表情で返す。
「だって、それが義ってやつだろ?義を通せないやつにはろくなやつがいない。俺はそんな奴らにはなりたくなかった」
これも父さんらしい気がした。
そして、俺自身も同じ様に考えていた。
「今度、圭子のご両親に挨拶に行くよ」
「おう、頑張れ」
そう言って、父さんは目の前の肉じゃがっぽい何かをかっこんで風呂に向かった。
俺も同じものを食べて「これみりん入れすぎじゃね?」とか思いながら食事を済ませた。
母さん
食事の後片付けをした後に、なんとなく仏壇に向かう。
母さんの戒名は若い父さんにはお金も無かったからいわゆる院大姉ではないやつ。
まあ、俺自身その辺りの意味ってのはよく分かってないんだけれどね。
仏壇の脇に飾ってある母さんの遺影を見る。
ものすごく若い。
20代で俺を産んで亡くなっているから当たり前だけれどね。
華奢な体つきと笑顔が印象的な遺影なんだ。
「母さん。俺、結婚をしようと思うんだ」
仏壇に語りかける。
「今の俺には何の力もない。それでも結婚をしたいと思った。無茶だと思う?」
とうぜん仏壇も遺影も答えてはくれない。
そして、俺は思った。
「覚悟を示せ」ってことか。
仏壇を離れる時、なんとなく母さんが「いってらっしゃい」と言ったように思えた。
そうだ。行くしか無い。
研究室
次の日も俺は研究室に向かった。
卒論はもう提出済みだから特に行く必要は無いんだけれど、そろそろ研究室に置きっぱなしの私物の整理とかしないとだしね。
研究室につくと、見慣れた姿が見える。
斎藤だ。
「おはよう、斎藤。今日は早いんだな」
「まあ、卒論も出したし、卒論発表会なんて読むだけだし、来る必要もないんだけれど、もうここに足を踏み入れることもなくなると思うと、なんとなくな」
斎藤は俺と同じ感覚らしい。
そこで、ふと思う。
「なあ、斎藤」
「ん?何?」
「俺、結婚しようと思うんだ」
モニタのデータから一気に目を逸らし俺をガン見する斎藤。
「マジで?」
「マジで」
ふっと斎藤が息を漏らす。
「お前ってさ。決めたら最短路線を突っ走るんだよな。いつも」
「一応、褒め言葉と受け取っとくよ」
俺は肩をすくめながらそう言った。
「で、ご両親への挨拶ってやつを済ませてるのか?」
「それがまだなんだ。ぶっちゃけ家族構成も詳しくは知らない」
「おめぇ、バカか?!そんなんいの一番に聞く話だろが」
「まあ、事故でこの一ヶ月くらいの記憶が飛んじまってるから、もしかしたら聞いてるのかもだけれどね」
それを聞いて斎藤は改めて俺の左手のギプスを見る。
「うお!そのギプス!大丈夫なんか?」
これは斎藤の才能だと思う。
一つのことに集中すると他のことには意識が向かない。
普通の集中力じゃあない。
「まあ、骨は折れているらしいけれど、そこはそのうちくっつくだろ」
「でも記憶がすっ飛んでるって」
「それがさ、結構な課題感なんだよな」
俺は斎藤に話し始めた。
「この1ヶ月の出来事ってさ、卒論を仕上げるのと圭子との記憶くらいだと思うんだ。あ、圭子はプロポーズした相手ね」
「ん?まてまてまて。つまり記憶がすっ飛んでから翌日にプロポーズしたってこと?記憶戻ってないのに?」
「まあ、そういうことになる。なんかこの1ヶ月の間ですでにプロポーズしてたらしいんだけれど」
斎藤は大げさに天を仰ぐポーズをする。
「前から思ってたけれど、真人って普通じゃないな」
「そうか?」
「そうだろ!要するに初対面に近い状態でプロポーズしたってことだろ?」
まあ、そう言われたらそうかも知れない。
「そんな状況で俺は圭子のご両親に挨拶するわけよ」
斎藤はしかめっ面になって言う。
「かぁ~!なら基本からってことになるな」
「って言うと」
「聞け!」
斎藤は俺に人差し指を向けて言った。
「お前は彼女の抱えている状況ってのをまるで理解していない。っていうか忘れちまってる」
「そうかもしれない」
「なら、彼女の抱えているものをキチンと理解しろ。話はそれからだ」
斎藤は真顔で言う。
「今LINEしろ。今だ。会って話がしたいと。君のことをキチンとしりたいと!」
「そんな、圭子の都合もあるだろうし……」
「だ、か、ら。LINEなんだろうが!まったく中学生かよ」
なんとなく思った。
斎藤と友達になれてよかったって。
俺はその場で圭子にLINEでメッセージを残した。
今日17時に駅前にこれるかい?と。
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参考にした話
ちょっと斎藤すばるを書いてみたら、こいつ書きやすいぞ。
そして、真人の圭子を知るきっかけを作ってもらった。
以下待て次号!
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