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ボカコレアプリのシンボルロゴができるまで

はじめに

はじめましてこんにちは。
dwangoのニコニコ動画デザイン部署所属のmanaです。
普段は主にニコニコ動画ボカコレアプリのUI/UXデザインを担当しています。

今回は自分が過去にデザインを担当した、「ボカコレアプリ」のシンボルロゴの制作フローをご紹介させて頂きます。


そもそもボカコレとは?

そもそもボカコレとは何だろう?と思う方もいらっしゃると思いますので、ざっくりと説明させて頂きます。

『The VOCALOID Collection(ボカコレ)』

ボカロ文化をきっかけに生まれたインターネット等で活動するクリエイターやユーザー、企業などボカロに関わる全ての方が参加できるボカロ文化の祭典です。

音楽アプリ『ボカコレ』

そして同じく「ボカコレ」という名前のアプリが存在します。

こちらは人気のボカロ曲や音ゲー曲、歌ってみたなど100万曲以上が聴き放題のボカロ特化の音楽アプリです
。
先述したイベントとも完全連動しており、イベントへの視聴参加がもっと快適になる機能が満載になっています。

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シンボル作成の経緯

アプリのボカコレというのは前身として「nicobox」という音声再生サービスがあり、
2023年3月に「名前」「シンボル」「中のデザイン」をリニューアルし、「ボカコレアプリ」として新生しました。



今回お話しさせていただくのは、このアプリリニューアルに際し発生した「新シンボル」の作成フローの部分になります。

このシンボルは現在アプリアイコンをはじめとして、イベントのシンボルロゴとしても使われています。

アプリのデザインを全体的にリニューアルするプロジェクトの一環として今回のシンボル作成があったので、
実際はアプリ自体のUI/UXの新コンセプトの検討と同時にデザインを進めていたのですが
今回はシンボル作成のみにフォーカスを当てて紹介させて頂きたいと思います。

リニューアル後のデザインテーマについて

新しいアプリのデザインやシンボルをデザインするにあたり、まずはデザインテーマを検討せねばなりません。

ボカロの音楽で盛り上がる人々の集まる場所

前提として、リニューアル後のアプリコンセプトはプロダクトオーナーの考えとして
「ボカロの音楽で盛り上がる人々の集まる場所」となるようなアプリにしたいという思いがありました。
なので、まずはそもそも「この界隈にはどんな人がいて」「どんな空気感の場所・空間」なのだろうか…
風景を捉えるために界隈の市場調査をすることにしました。

①ターゲットユーザーのいる”ボカロ界隈”の調査

まずはボカロの界隈にどんな人がいるのか調べるために、
仮定としてユーザーをざっくりと下記のように7パターンに分類化してみました。
・作詞作曲を行う投稿者「ボカロP」
・歌ってみたの投稿者「歌い手」
・既存曲をカスタムする「REMIX師」
・既存曲でREMIXを披露する「DJ」
・音楽の世界を彩る「絵師・動画師」
・好きな曲を広めたい布教者「キュレーター」
・ボカロを聴くのが好き!「ボカロファン」

2つ以上のスキルを兼ね備えている方も数多くいらっしゃいますよね!すごい。

オールマイティにスキルを発揮するクリエイターも多くいらっしゃるので上記に限りませんが、
ひとまずは、このように分類されるニコニコのユーザーを複数人ピックアップし、その方々について調べていきました。

導き出されるユーザーの「人柄」「性格」「趣味」「好みの絵やデザイン」「人生観」「音楽性」「ファン層」などなど…細かく分析しファイリングを行います。


他にもボカロの界隈というのは現在どういった特性を持つのか、空気感を持つのかも合わせて調査したり、
この界隈のユーザーがどういったものを求めているのか、SNS自体をどのように使っているのか、メインペルソナに該当する「10~20代の世代調査」…などなど。


なるべく界隈の様子を俯瞰・考察できる情報を集めました。

②アイディアの発散作業

調査をした結果、デザインを考える上でヒントや材料がある程度揃いましたのでここからは手を動かします。

とにかく頭の中で思いついた物事を逃さない意識でイメージを画面に起こしていきました。

ボカロ特有のアングラな世界観音楽自体の没入感という要素から
深海をイメージして発想を広げていたメモ。


音楽の力、心に及ぼすポジティブな影響など、悶々と考えています。

このフェーズでは、自分の中にあるものを発散しきろうと思い

「これダサいかもなあ」「どこかで見たことあるようなアイディアかも」など思っても、とにかく量をアウトプットしてみました。
絵的なイメージだけでなく、脳内の独り言もテキストとして残すようにしています。

既存のThe VOCALOID Collectionのロゴからヒントを得ようとしたメモ。

その他諸々…思いつく限りにアイディアを発散したので、次に1度基本に戻ることにしました。

このシンボルはアプリアイコンとなるものなので、実際の使われる場面としては表示の小さいものになります。

そのため小さく表示されていたり、遠目でも「ボカコレのシンボルロゴだ」とわかってもらえるよう、
あまり詳細度が高くないシンプルなものも検討することにしました。


すると三角形で音符が作れそうな気がしてきました。

今のシンボルに繋がる原型が見えてきています。

次はもっと「音楽」「ボカロ」について思う形を描き出してみるかとラフを作っていたところ、天啓が。


おっ?

「ボカロの早くて高い音域をイメージ」…?

なにか大きなヒントが見えてきました!

③デザイン案の絞り込み

初稿提出

ひとしきり発散と整理が終わった後はプロダクトオーナーに提出する案を厳選します。

使えそうなアイディアを少し整理し、コンセプト検討を合わせてデザインを整えます。



デザインキーワードとしてボカロの音楽で盛り上がる人々の集まる場所というのはあるので、まずはそのオーダーに素直に応えた案。
さらにその上で、自分の発散した案の中で面白いと思った案もいくつか追加しました。

オーロラカラー(各ボカロキャラクターの声"色"が混ざっていることを表現したかった)の案も
いくつか出していたのですが、汎用性などの利用面的に難しい部分もありました。

修正稿作成

オーナーとのすり合わせを経て、デザイン案が絞られました。
最後に残ったのは下図の2案でした。

ここからは双方余分な視覚情報などを削除し、実際の利用シーンを踏まえてデザインを詰めていきます。
情報をどこまで削るか、どこは削ってはいけないかラインを見極めつつ
試行錯誤しながら最終調整を行います。

この時、同時並行で別のデザイナーが文字のロゴデザインを作成していたので
2つの要素を組み合わせたときのバランスなどもここで見ています。

ついに決定!

ブラッシュアップが完了したデザインと、コンセプトを合わせ…話し合いの結果、
長い道のりを経てたどり着いたのが、現在も使われているこちらのシンボルになります。

デザインコンセプト


このシンボルデザインのコンセプトは
ボカロ音楽で盛り上がる都会・街・場所という空間に流れる”音の形”を再現したシンボルです。



ボカロ音楽の特徴である「高音域」「早いテンポ」「ボカロの機械的な音」といった特徴をイメージできるように、

高音域と音の連続性というところで16分音符をベースにしており
ボーカロイドの歌唱する機械的でありつつ遊びのある音を彷彿とさせられるよう、三角形のパーツを使って
ボカロ/ボカコレ世界の音を表現しました。



音符というグローバルな記号を用いることで、日本発の音楽カルチャーを
今よりもっと世界に周知していくことができると考えています。

また音符モチーフにおいて複数の音がくっついている連譜を用いることで、これからも
「新しい音楽が生まれ、続いていく」というボカロ音楽界隈の未来に向けた願いを込めています。

余談

少しデザイン当時の話になりますが…

コロナ化において音楽に関わるイベントやライブなどの開催ができない期間が続き、

自分自身も含めて、音楽が好きな人々は少なからず窮屈な気持ちを抱えていたのではと思います。

しかし2023年頃にはそういった環境も少しずつ緩和され始めたタイミングでした。
これからは抑え込まれていた音楽への熱をこれまで以上に放出する機会が増えていくだろうと考え、それに先駆けたイメージとして、

人や音楽が集まり盛り上がって、1つの大きなコミュニティ、街となる様子
…そんなプロダクトになって欲しいなという願いも込めたアプリデザインとシンボルを作成しました。


少しアングラな雰囲気も持たせたデザインを目指しつつ、
「音楽への熱を解放させる」ことの解放感を出すため、

活動的な未来を彷彿とさせるポップさ&スポーティーな身軽さを意識したシンボルデザインとして、このデザインは着地しました。

ここまでで、シンボルデザインの始動からおよそ3ヶ月程だったかと思います。

ニコニコユーザーにお披露目

シンボルがFIXして安心したのも束の間。
こちらの新しいデザインはリリース前にニコ生の公式放送内で紹介されました。

この番組ではニコニコサービスのアップデート情報の紹介をはじめ、
今ニコニコで新しく起きている面白いもの・楽しいものを紹介しています。
ニコニコへの興味関心を強く持ち、サービス愛のある視聴者が多くいらっしゃいます。

そもそも「nicobox」として愛されていた(私も愛用していた)既存サービスの名前やデザインを刷新するプロジェクトなので、
少なからずユーザーからの反発はあるものと覚悟して当時は放送を見ていました。

コメントをみる限りそれなりに受け入れていただけたようでホッと一安心しました。

生のユーザーの声でフィードバックが返ってくる緊張感…!
ドワンゴならではかも。非常に勉強になる体験です。

最後に

今回は過去のシンボルデザイン作成時のフローを、当時を思い出しながら紹介させていただきました。



個人的にはかなり紆余曲折があったり、音楽・ボカロというものについて深く向き合うきっかけとなった思い出深い案件でした。

ボカロ音楽の文化の発展に、デザインの力でこれからも貢献できたらいいなと思います。


それではまた!

よければボカコレアプリ、使ってみてください。

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最後までお読みいただきありがとうございました!