【昔と今でこんなに違う!】新興国ブームの歴史と「今どこに投資すべきか」をわかりやすく解説!
「インドやブラジル、アジアの新興国に投資するとすごく儲かるらしい」
そんな噂やニュースを、どこかで耳にしたことはありませんか。
あるいは「そういえば昔もそんなブームがあったような……」と思い出した方もいるかもしれません。
投資の世界では、時々特定の国や地域が大きな話題になり、大ブーム巻き起こることがあります。
しかし、流行に乗って投資をした人たちは、実際にどれくらい資産を増やすことができたのでしょうか。
そして、いま本当に資金が集まっているのはどこなのでしょうか。
今回は、過去の「新興国投資ブーム」の歴史から、最近のトレンド、そして「これからどこに投資するのが賢いのか」という結論まで、専門用語をできるだけ使わずにわかりやすく解説します。
昔あった「BRICs(ブリックス)ブーム」って何だったの?
今から20年ほど前、2000年代半ばから2010年代にかけて、世界中で「新興国投資」の大ブームが巻き起こりました。
その中心となったのが「BRICs(ブリックス)」と呼ばれる国々です。
BRICsとは、急成長を遂げていた以下の4か国の頭文字を取った言葉です。
・B:ブラジル
・R:ロシア
・I:インド
・C:中国
(※後に南アフリカが加わってBRICsと呼ばれることもあります)
当時は「これからは先進国ではなく、人口が増えて若者が多く、資源も豊富な新興国の時代だ!」と世界中で大騒ぎになりました。
日本の銀行や証券会社の窓口でも、新興国の株や通貨を集めた投資信託が大人気となり、売れ筋ランキングの上位を独占していたのです。
もしあのブームの時に買っていたらどうなった?
では、もしあの流行り始めのタイミングで投資をして、ブームが去ったタイミングで売っていたら、お金はどれくらい増えていたのでしょうか。
実は、タイミングによって結果が大きく分かれます。
パターンA:一番の熱狂期(2003年〜2007年頃)で売り抜けた場合
ブームの初期に買い、世界的な株高が続いていた2007年頃(リーマンショックの前)にうまく売ることができた人は、資産が「約3倍(+200%以上)」に増えました。
まさに大成功のシナリオです。
パターンB:ブームの後も長期で持ち続けた場合
「やっぱり新興国だ」と信じてリーマンショックを乗り越え、2010年代半ばまで持ち続けた場合、資産は「約1.5倍〜2倍」程度に増えました。
プラスにはなっていますが、10年以上も預けた割には、同じ時期に大きく成長したアメリカ株(約3倍以上に成長)と比べると、物足りない結果となったのです。
■ ブームが落ち着いてしまった3つの理由
なぜ、あんなにすごかった新興国ブームは落ち着いてしまったのでしょうか。
理由は大きく分けて3つあります。
* 国ごとの「格差」が広がったこと
中国やインドはその後も順調に経済規模を拡大しましたが、ブラジルやロシアは資源の価格変動や政治のトラブルなどに左右され、株価が伸び悩みました。
「新興国」と一括りにまとめられなくなったのです。
* アメリカ企業が圧倒的に強かったこと
2010年代以降、iPhoneで有名なアップルやマイクロソフトなど、アメリカの巨大IT企業が世界中のイノベーションを引っ張るようになりました。
その結果、投資家の資金は再びアメリカに集中するようになりました。
* 為替(カレンシー)の影響と手数料
新興国の通貨は、先進国の通貨(米ドルや日本円)に対して値下がりしやすい特徴があります。
現地の株価が上がっても、通貨の価値が下がってしまい、円に換算した時の利益が消えてしまうことがありました。
また、当時の新興国ファンドは維持費(手数料)が高かったことも足を引っ張りました。
2〜3年前にもあった「アジア株ブーム」の真実
「昔の話はわかったけれど、2〜3年前にもアジアの株がすごく話題になっていなかった?」と思った方、大正解です。
実は2023年から2024年にかけて、再びアジアを中心とした株式投資が大きな注目を集めました。
ただし、昔のブームとは理由が少し違います。
今回は「脱・中国(中国だけに頼らないモノづくり)」と「世界的なAI(人工知能)ブーム」という明確な理由がありました。
この2〜3年前の流行に乗って投資をしていた場合、どうなったかを見てみましょう。
■ 話題になった主な国と成績
・インド株:約1.4倍〜1.6倍(+40%〜60%)に増加
人口が世界一となり、若い働き手が増え、街や工場がどんどん新しくなっているインド。
アップルのiPhone工場が作られるなど、世界中の企業がインドに注目しました。
インドの株価は連日のように最高値を更新し、日本でも新NISAの開始とともにインド株を買う人が急増しました。
・台湾株:約1.6倍〜1.9倍(+60%〜90%)に増加
AIブームの陰の主役となったのが台湾です。
AIの頭脳となる「半導体」を世界で最も多く生産しているTSMCという超巨大企業があるため、世界中から資金が一気に流れ込みました。
・東南アジア株(ベトナムなど):約1.1倍〜1.2倍(+10%〜20%)に増加
中国に代わる新しい工場の拠点として期待されましたが、株価の上昇はマイルドな結果となりました。
■ なぜ最近のアジアブームはしっかり儲かったのか?
今回のブームで買った人が手堅く利益を出せた背景には、「歴史的な円安」がありました。
海外の株を持っているだけで、円安のおかげで評価額が底上げされたのです。
また、昔と違って投資の手数料が非常に安くなったことも、投資家にとって大きな追い風となりました。
アジア株の上昇は今でも続いているの?
「じゃあ、今からでもアジアの株を買えば儲かるの?」と気になるところですよね。
現在の状況をひとことで言うと、「何でも買えば上がるというお祭り騒ぎ(ブーム)は終わったけれど、成長が終わったわけではなく、静かに見定められる時期に入った」という状態です。
国ごとに今の立ち位置を整理してみましょう。
・インド株:ちょっと一休み中
株価が上がりすぎたため「少し高くなりすぎたかも」という警戒感から、現在は株価が横ばいか、少し調整(値下がり)する動きを見せています。
ただし、人口が増えて国が豊かになっているという根本的な強さは変わっていないため、「成長スピードに株価が追いつくまで息抜きをしている」というイメージです。
・台湾株:AI需要のおかげで引き続き強い
AIに必要な半導体を作れる国が限られているため、台湾市場は現在も世界から高い評価を受け続けています。
・中国株:依然として元気が戻らない
不動産の不景気や買い物の減少などが響き、国が景気を良くする対策を出してはいるものの、昔のような強い上昇トレンドには戻れていません。
つまり、いまのアジア株は「お祭り騒ぎで適当に買っても増える時期」から、「本当に実力のある国や企業だけが評価される大人のフェーズ」に移り変わったということです。
いま資金が一番流れ込んでいるのはどこ?
では、世界中の投資家たちがいま一番お金を預けているのはどこなのでしょうか。
答えはズバリ、「アメリカのハイテク・AI関連」です。
結局のところ、世界中の資金の「本命」は依然としてアメリカ市場に集中しています。
■ なぜやっぱりアメリカなのか?
* AI革命の主役がすべてアメリカにいるから
AIを作るためのデータセンターを建てたり、技術開発に何兆円もの巨額投資を行ったりしているのは、すべてアメリカの巨大企業(マイクロソフト、グーグル、フェイシャルブックを運営するメタ、エヌビディアなど)です。
彼らは投資するだけでなく、実際に莫大な利益を稼ぎ出しています。
* 世界中の「優秀な人」と「お金」が集まる仕組みがあるから
アメリカには新しいビジネスが生まれやすい環境があり、投資家を大切にするルールもしっかり整っています。
だからこそ、世界中から資金が集まり続ける好循環が途切れません。
* 自動的にお金が入る仕組みになっているから
いま世界中で大人気の「全世界の株にまとめて投資するファンド(通称:オルカン)」や「S&P500」といった投資信託には、毎月膨大なお金が自動的に積み立てられています。
これらのファンドを買うと、その資金の半分以上〜6割以上が自動的にアメリカの主要企業へ投資される仕組みになっているため、絶え間なく資金が流れ込み続けているのです。
ただし、アメリカだけに投資していれば絶対に安全というわけではありません。
株価がかなり高くなっているため、悪いニュースが出た時に一時的にガクンと下がるリスクや、これから円高が進んだ時に為替の影響で資産が減ってしまうリスクには注意が必要です。
結局、これから投資するならどこがいいの?
ここまで、過去の新興国ブームから最新のトレンドまでを見てきました。
これらを踏まえて「これからの投資戦略」をまとめます。
結論として、これから投資を始める、あるいは続けていくのであれば、「アメリカを軸にしつつ、広く世界全体に分散する」というのが最も賢いアプローチです。
具体的には、以下の考え方がおすすめです。
* 基本の軸は「アメリカ株」か「全世界株」にする
世界経済を引っぱっているエンジンがアメリカであることは間違いありません。
そのため、アメリカの主要企業に投資するファンドや、自動的にアメリカが全体の6割以上を占める「全世界株式ファンド」を資産の土台(メイン)にするのが合理的です。
* 新興国は「隠し味」として付き合う
「インドが伸びそうだから」「新興国が流行っているから」といって、自分の資産の半分以上を新興国だけに突っ込むのはリスクが高すぎます。
ブームのピークで買ってしまうと、元の価格に戻るまで何年も待つことになりかねません。
全世界株式ファンドを持っていれば、その中に新興国も約1割ほど「隠し味」として最初から入っています。
新興国が成長した時は、その恩恵をしっかり受けることができるので、それで十分なのです。
* 流行り(ブーム)を追いかけすぎない
「メディアで大騒ぎされ始めた時」は、プロの投資家たちがすでに買い終え、株価が高くなりきっていることが多いです。
ニュースを見てから慌てて飛びつくのではなく、普段からコツコツと積み立て投資を続けることこそが、失敗しないための最大のコツです。
おわりに
投資の世界には、何年かに一度必ず「〇〇ブーム」という波がやってきます。
昔のBRICsブームも、最近のアジア株ブームも、その波に乗れた人は資産を増やすことができましたが、過熱しきったピークで買ってしまった人は苦しい思いをすることになりました。
流行に振り回されず、世界の中心であるアメリカの成長力を取り入れながら、じっくり長く投資を続けていきましょう!
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