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「ベイズ統計モデリングによるデータ分析入門」をPythonとPyMCで写経 ~ Vol.13 正規線形モデル

書籍の著者 馬場真哉 先生


この記事は、書籍「RとStanではじめるベイズ統計モデリングによるデータ分析入門」第3部第7章「正規線形モデル」Python 写経活動記録です。

書籍の第3部は「一般化線形モデル」のベイズ統計モデリングです。
今回は「正規線形モデル」を3つのツール・手法で取り組みます。

  • 回帰分析による正規線形モデル

  • Bambiのベイズ正規線形モデル

  • PyMCのベイズ正規線形モデル

では書籍を開いてベイズ統計モデリングの旅に出かけましょう🚀


はじめに


このブログシリーズは書籍「RとStanではじめるベイズ統計モデリングによるデータ分析入門」(講談社、「テキスト」と呼びます)の Python 写経です。

テキストの紹介と引用表記はリンク先の記事に掲載しています。

準備


■ 記事の範囲
この記事はテキスト第3部第7章の以下の節を取り扱います。

7.4 データの読み込みと可視化
7.5 brmsによる正規線形モデルの推定
7.6 補足:正規線形モデルのデザイン行列

ベイズ統計モデリングの理論面が気になった場合には、ぜひテキストの第1部、第3部第1章をご覧いただき、本記事との繋がりをご確認下さいませ。

■ コード記述法
Jupyter Notebook 形式でコードを記述します。

■ 利用データ
テキスト・サポートサイトのデータファイルを引用しています。
Jupyter Notebook ファイルと同一フォルダ内の「data」フォルダにデータファイルを格納しています。

■ ライブラリのインポート
この記事で用いるライブラリをインポートします。

# インポート

# 数値計算
import numpy as np
import pandas as pd

# ベイズ統計モデリング
import pymc as pm                      # pymc
import bambi as bmb                    # bambi
import arviz as az                     # 分析・可視化

# 統計モデリング
import statsmodels.formula.api as smf

# デザイン行列
from patsy import dmatrices

# 可視化
import matplotlib.pyplot as plt
import seaborn as sns
sns.set_theme()                        # ggplot風のスタイル
plt.rcParams['font.family'] = 'Meiryo'

第7章 正規線形モデル


正規線形モデルとは?

正規線形モデルは一般化線形モデルの文脈において、

  • 線形予測子:複数の説明変数を用いる

  • リンク関数:恒等関数(変換なし)

  • 確率分布:正規分布

で構成される統計モデルです。
ざっくり、重回帰分析と同じだと思います!

🚀🚀🚀

データの読み込みと外観の確認

テキスト 7.4 節に相当します。
テキストの仮想のビールの売り上げデータを引用いたします。
csv ファイルを pandas のデータフレーム形式で変数 sales_climate に読み込みます。

# p.208 分析対象データの読み込み

# ファイルの読み込み
sales_climate = pd.read_csv('./data/3-7-1-beer-sales-4.csv')

# 結果の表示
print('sales_climate.shape: ', sales_climate.shape)
sales_climate.head(3)

【実行結果】
標本サイズ 150、変数 sales は 売り上げ(単位:万円)、weather は天気の種類(晴れ、曇り、雨)、temperature は気温です。
天気・気温と売り上げの関係を正規線形モデルで分析します。

天気ごとのデータ件数をカウントします。
pandas の value_counts メソッドを利用します。

# 天気ごとのデータ件数
sales_climate['weather'].value_counts().to_frame()

【実行結果】
曇り、晴れ、雨それぞれ 50 件のデータがあります。

データの要約統計量を確認します。
まずは全体(量的変数のみ)です。

# データの要約統計量
sales_climate.describe().T.round(2)

【実行結果】
売り上げは平均 79.6、最小値 26.1、最大値 96.1 です。
気温は平均 19.9、最小値 10.1、最大値 29.8 です。

次は天気別売り上げの要約統計量です。

# 天気別の売り上げ要約統計量
sales_climate.groupby(['weather'])['sales'].describe().round(2)

【実行結果】
天気によって売り上げの平均値は異なっています。

次は天気別気温の要約統計量も念のため見ておきましょう。

# 天気別の気温要約統計量
sales_climate.groupby(['weather'])['temperature'].describe().round(2)

【実行結果】
天気ごとの気温差はなさそうですね。

データを可視化しましょう。
最初にジョイントプロットで、要約統計量の感覚値を可視化してみます。
seaborn の jointplot を利用します。

# ジョイントプロットの描画
colors = {'cloudy': 'tomato', 'rainy': 'tab:green', 'sunny': 'tab:blue'}
sns.jointplot(
    data=sales_climate, x='temperature', y='sales',
    hue='weather', palette=colors
);

【実行結果】
散布図では気温の上昇と売り上げの増加の関係が見られます。
気温のKDEプロット(上)では、天気別気温の分布は似ています。
売り上げのKDEプロット(右)では、晴れの売り上げ分布が上側にシフトしています。晴れの売り上げは大きいようです。

続いて、テキスト 図 3.7.1 に相当する散布図です。
seaborn の scatterplot を利用します。

# p.209 図3.7.1 ビールの売上と天気・気温の散布図

# 描画領域の設定
plt.figure(figsize=(8, 4))
# 散布図の描画
colors = {'cloudy': 'tomato', 'rainy': 'tab:green', 'sunny': 'tab:blue'}
sns.scatterplot(data=sales_climate, x='temperature', y='sales',
                hue='weather', palette=colors)
# 修飾
plt.title('ビールの売上と気温・天気の関係', loc='left');

【実行結果】
ジョイントプロットで見てしまいましたが…気温の上昇と売り上げの増加の関係が見られます。

この散布図に天気ごとの回帰直線を重ねてみましょう。
seaborn の lmplot を利用します。

# ビールの売上と天気・気温の散布図(回帰直線付き)

# 回帰直線付き散布図
colors = {'cloudy': 'tomato', 'rainy': 'tab:green', 'sunny': 'tab:blue'}
sns.lmplot(data=sales_climate, x='temperature', y='sales',
           hue='weather', palette=colors, height=4, aspect=1.8)
# 修飾
plt.title('ビールの売上と気温・天気の関係(回帰直線付き)', loc='left');

【実行結果】
すべての天気で気温上昇と売り上げ増加の関係が見られます。
晴れの売り上げは他の天気よりも相対的に大きいです。
曇りと雨の気温と売り上げの関係は近い感じです。

🚀🚀🚀

回帰分析による正規線形モデル

① モデルの概要
まず回帰分析で正規線形モデルを確認しておき、あとでベイズ統計モデルの結果と比べてみましょう。
Python の統計ライブラリ statsmodels を利用して、次のモデルを実装します!

$$
\begin{align*}
sales =  &切片 + 係数1 \times 雨ダミー + 係数2 \times 晴れダミー \\
&+ 係数3 \times 気温 + \varepsilon
\end{align*}
$$

$${\varepsilon}$$ は誤差です。
曇りを基準要素とし、ダミー変数から除外します。

この正規線形モデルを statsmodels の最小二乗法 olsにあたえる formula 構文に変換します。
$${\sim}$$ を挟んで、左辺は目的変数、右辺は説明変数です。

$$
\texttt{sales} \sim \texttt{weather} + \texttt{temperature}
$$

② 回帰分析の実行
では回帰分析を実行します!

# 回帰分析 by statsmodels
formula = 'sales ~ weather + temperature'
res_sm = smf.ols(formula=formula, data=sales_climate).fit()
res_sm.summary()

【実行結果】
こちらは(お馴染みの?)回帰分析のサマリーです。
決定係数(R-squared)の 0.629 です。

③ 推定値の確認
係数の推定値にフォーカスしてみます。

# 要約表から係数の推定値の部分を取り出し
res_sm.summary().tables[1]

【実行結果】

Intercept:切片の推定値(coef)の 20.2 は基準要素「曇り(cloudy)」の売り上げ増分です。
雨の売り上げ増分は「weather[T.rainy]」の推定値 - 3.5 と曇りの推定値を合算した 16.7 です。
晴れの売り上げ増分は「weather[T.sunny]」の推定値 29.5 と曇りの推定値を合算した 49.7 です。
さらに気温が1度上がるごとに売り上げは 2.5 増加します。

誤差 $${\varepsilon}$$ の標準偏差を確認しましょう。
回帰分析の結果 res_sm の scale 属性で誤差分散を取り出して正の平方根をとります。

# 誤差の標準偏差
print('誤差の標準偏差:', np.sqrt(res_sm.scale))

【実行結果】
誤差の標準偏差は 15.93 です。
ベイズ統計モデルの観測値 sales の標準偏差と照らし合わせましょう。

④ 天気別気温別平均売上の可視化
最後に天気別気温別平均売上の95%信頼区間を可視化しましょう。
先ほど見た lmplot と似た図になるはずです。

最初に平均売上の予測値を算出します。
回帰分析の結果 res_sm に対して get_prediction メソッドを適用するなどして、予測値を得ます。

## 平均売上予測値の算出
# 予測用データの作成
n_samples = 100
test_data = pd.DataFrame({
    'weather': np.repeat(['cloudy', 'rainy', 'sunny'], n_samples),  # 天気
    'temperature': np.tile(np.linspace(10, 30, n_samples), 3)       # 気温
})
# 予測値の取得
prediction = res_sm.get_prediction(test_data)
pred_df = prediction.summary_frame(alpha=0.05) # alpha=0.05で95%信頼区間
# 予測値データフレームの作成
pred_df = pd.concat([test_data, pred_df], axis=1)
pred_df

【実行結果】

それでは描画します。

## 平均売上の95%信頼区間の描画

# 色の設定
colors = {'cloudy': 'tomato', 'rainy': 'tab:green', 'sunny': 'tab:blue'}
# 描画領域の設定
plt.figure(figsize=(8, 4))
# 観測値の散布図の描画
sns.scatterplot(data=sales_climate, x='temperature', y='sales',
                hue='weather', palette=colors)
# 天気ごとに平均売上の予測値と95%信頼区間の描画を繰り返し処理
for weather, color in colors.items():
    # 描画データの取得
    temp, mean_sales, lower, upper = (
        pred_df[pred_df['weather']==weather].iloc[:, [1, 2, 4, 5]].to_numpy().T
    )
    # 平均売上の予測値の描画
    plt.plot(temp, mean_sales, color=color)
    # 平均売上の95%信頼区間の塗りつぶし描画
    plt.fill_between(temp, lower, upper, color=color, alpha=0.2)
# 修飾
plt.title('平均売上の95%信頼区間')
plt.xlabel('気温', fontsize=12)
plt.ylabel('売上金額', fontsize=12)
plt.xticks(range(10, 31, 2));

【実行結果】
lmplot とほぼほぼ同様となりました。
ではベイズ正規線形モデルではどうなるでしょう?

ベイズ流の分散分析モデルへ進みます。

🚀🚀🚀

ベイズモデリング by Bambi

テキスト 7.5 節に相当します。
brms の代わりに Bambi を利用します。

① モデルの概要
次のモデルを実装します。
先ほどの statsmodels の formula と一緒です。

$$
\texttt{sals} \sim \texttt{weather} + \texttt{temperature}
$$

テキストの無情報事前分布に合わせるべく、Bambi に以下の事前分布情報を与えます。

$$
\begin{align*}
intercept &\sim \text{Normal}\ (0, (1e5)^2) \\
weather &\sim \text{Normal}\ (0, (1e5)^2) \\
\sigma &\sim \text{HalfNormal}\ ((1e5)^2) \\
\end{align*}
$$

② モデル定義
上式のモデルを Bambi で記述します。
bmb.prior() で事前分布を定義します。複数ある場合は辞書でまとめます。
bmb.Model() において、prior 引数で定義した事前分布を与えます。

# モデリング

# 無情報事前分布(想定)の設定
uninformed_prior = bmb.Prior('Normal', mu=0, sigma=1e5)
sigma_prior = bmb.Prior('HalfNormal', sigma=1e5)
# 事前分布を辞書にとりまとめ
priors = {'Intercept': uninformed_prior, 'weather': uninformed_prior,
          'temperature': uninformed_prior, 'sigma': sigma_prior}

# モデルの定義
model_bmb = bmb.Model(
    formula='sales ~ weather + temperature',   # フォーミュラ式
    data=sales_climate,                        # データ
    priors=priors,                             # 事前分布(辞書)
)

【実行結果】なし

モデルの内容を表示します。

# モデルの表示
model_bmb

【実行結果】
Intercept, temperarure, sigma の事前分布には先ほど設定した内容が表示されています。

モデルをグラフィカルモデルで描画します。

# モデルの可視化
model_bmb.build()
model_bmb.graph()

【実行結果】
weather 係数の次元は2です(weather_dim (2) の 2 )。
ダミー変数化するときに要素の1つを除外しています。

③ MCMC の実行
MCMCを実行しましょう。
NUTS サンプラーに nutpie を利用します。

%%time
# MCMCの実行
idata_bmb = model_bmb.fit(
    draws=1000, tune=1000, chains=4, random_seed=123, nuts_sampler='nutpie'
)

【実行結果】
Divergences(ダイバージェンス)は0件です。

④ 収束確認
収束の確認をします。
MCMC サンプルの要約表を表示します。

# p.210 要約統計量の表示
var_names = ['Intercept', 'weather', 'temperature', 'sigma']
az.summary(idata_bmb, var_names=var_names, hdi_prob=0.95)

【実行結果】
$${\widehat{R}}$$(r_hat)、有効サンプル数(ess_bulk、ess_tail)に問題はなさそうです。

回帰分析の推定値の表を並べましょう。
(参考:回帰分析の推定値と誤差の標準偏差)

手法間で係数推定値は近い値になっています。

トレースプロットを描画します。

# トレースプロットの描画
az.plot_trace(idata_bmb, compact=False, var_names=var_names,
              backend_kwargs={'tight_layout': True});

【実行結果】
左側のチャートの4本の Chain はほぼ重なっており、かつ1峰です。
右側のチャートがゲジゲジしています。

以上のチェックに基づいて、収束していると考えましょう。

⑤ 気温別天気別の平均売上の可視化
テキストの図 3.7.2 に相当します。
Bambi の interpret.predictions 関数を使って、予測値の平均値と 95% HDI 区間を取得します。
予測用の説明変数データを作らなくても取得可能です。

# muの事後分布サンプルの平均値と95%HDI区間の取得 ※Bambiの予測計算関数を利用

pred_df = bmb.interpret.predictions(
    model_bmb,                               # Bambiモデル
    idata_bmb,                               # idata
    conditional=['temperature', 'weather'],  # 条件付けする共変量(変化させる変数)
    target='mean',                           # muの事後分布
    use_hdi=True,                            # True: HDI、False: 分位数(信用区間)
    prob=0.95,                               # 区間の確率
)
pred_df

【実行結果】
気温と天気の組み合わせ $${50 \times 3 = 150}$$ に対する平均売上の平均値と 95% HDI 区間のデータを取得しました。

では可視化を実行します。

# p.210 図3.7.2 正規線形モデルから得られた回帰直線

# 色の設定
colors = {'cloudy': 'tomato', 'rainy': 'tab:green', 'sunny': 'tab:blue'}

# 描画領域の設定
plt.figure(figsize=(8, 4))

# 観測値の散布図の描画
sns.scatterplot(data=sales_climate, x='temperature', y='sales',
                hue='weather', palette=colors)

# 天気ごとに平均売上の平均値と95%HDI区間の描画を繰り返し処理
for weather, color in colors.items():
    # 描画データの取得
    temp, mean_sales, lower, upper = (
        pred_df[pred_df['weather']==weather].iloc[:, [0, 2, 3, 4]].to_numpy().T
    )
    # 平均売上の平均値の描画
    plt.plot(temp, mean_sales, color=color)
    # 平均売上の95%HDI区間の塗りつぶし描画
    plt.fill_between(temp, lower, upper, color=color, alpha=0.2)

# 修飾
plt.title('事後分布サンプル:平均売上の95%HDI区間')
plt.xlabel('気温', fontsize=12)
plt.ylabel('売上金額', fontsize=12)
plt.xticks(range(10, 31, 2));

【実行結果】
晴れの平均売上は他の天気と比べて 25 ~ 30 万円程度大きいですね!
回帰分析の 95% 信頼区間とも似ている感じです。

(参考:回帰分析の95%信頼区間)

🚀🚀🚀

ベイズモデリング by PyMC

テキスト 7.6 節に相当します。
デザイン行列を作成して PyMC でモデリングします。

① モデルの概要
次のモデルを実装します。

$$
\begin{align*}
\bm Y &\sim \text{Normal} (\mu, \sigma^2) \\ 
\bm \mu &= \bm{X \beta} \\
\bm \beta &\sim \text{Normal} (0,\ (1e5)^2,\ \text{dims}=4) \\
\sigma &\sim \text{HalfNormal} ((1e5)^2) \\
\end{align*}
$$

② データセットの作成
patsy ライブラリを用いてデザイン行列等を作成します。

# p.211 デザイン行列の作成

# formula構文の設定
formula_lm = 'sales ~ weather + temperature'
# 目的変数Y, デザイン行列(説明変数)Xの作成
Y_dm, X_dm = dmatrices(formula_lm, sales_climate, return_type='dataframe')
# デザイン行列の先頭5行の表示
X_dm.head()

【実行結果】
デザイン行列は定数項、天気のダミー変数(雨と晴れ)、気温で構成されます。

# 目的変数の先頭5行の表示
Y_dm.head()

【実行結果】
目的変数も作ってくれました。

③ モデル定義
上式のモデルを PyMC で記述します。

# モデリング

# coordsの設定
coords = {'id': sales_climate.index.values,                         # 観測ID
          'coefs': ['intercept', 'rainy', 'sunny', 'temperature']}  # 変数名

# モデルの定義
with pm.Model(coords=coords) as model_pm:
    
    ## dataの設定
    # 目的変数: 売上データ
    Y = pm.Data('Y', value=Y_dm.values.flatten(), dims='id')
    # 説明変数: デザイン行列
    X = pm.Data('X', value=X_dm.values, dims=('id', 'coefs'))

    ## 事前分布: 無情報事前分布的な分布
    # 係数ベクトル
    b = pm.Normal('b', mu=0, sigma=1e5, dims='coefs')
    # 標準偏差
    sigma = pm.HalfNormal('sigma', sigma=1e5)

    ## 尤度関数: 正規分布を仮定
    mu = pm.Deterministic('mu', X @ b, dims='id')
    obs = pm.Normal('obs', mu=mu, sigma=sigma, observed=Y, dims='id')

【実行結果】なし

モデルを数式ライクに表示します。

# モデルの表示
model_pm

【実行結果】

モデルをグラフィカルモデルで描画します。

# モデルの可視化
pm.model_to_graphviz(model_pm)

【実行結果】

④ MCMC の実行
MCMCを実行しましょう。
NUTS サンプラーに nutpie を利用します。

%%time
# MCMCの実行 ※高速化したいときは nuts_sampler='nutpie'
with model_pm:
    idata_pm = pm.sample(draws=1000, tune=1000, chains=4, random_seed=1,
                         nuts_sampler='nutpie')

【実行結果】
Divergences(ダイバージェンス)は0件です。

⑤ 収束確認
収束の確認をします。
MCMC サンプルの要約表を表示します。

# 要約統計量の表示
var_names = ['b', 'sigma']
az.summary(idata_pm, var_names=var_names, hdi_prob=0.95)

【実行結果】
$${\widehat{R}}$$(r_hat)、有効サンプル数(ess_bulk、ess_tail)に問題はなさそうです。

(参考:Bambiモデルの要約統計量)

パラメータの事後分布はBambiと似た値になっています。
ただ…有効サンプル数(ess_bulk、ess_tail)がBambiよりも小さくなっている点は気になりますね…

トレースプロットを描画します。

# トレースプロットの描画
az.plot_trace(idata_pm, compact=False, var_names=var_names,
              backend_kwargs={'tight_layout': True});

【実行結果】
左側のチャートの4本の Chain はほぼ重なっており、かつ1峰です。
右側のチャートがゲジゲジしています。

以上のチェックに基づいて、収束していると考えましょう。

⑥ 気温別天気別の平均売上の可視化
テキストの図 3.7.2 に相当します。
パラメータのMCMCサンプルを使って、PyMCの外で平均売上の予測値を計算し、arviz の plot_hdi 関数で 95%HDI 区間を描画します。

# p.210 図3.7.2 正規線形モデルから得られた回帰直線

## 平均売上データの作成
# MCMCサンプルからβ0, β1, β2, β3, σを取り出し
intercept, w_rainy, w_sunny, temper = az.extract(idata_pm.posterior).b.data
sigmas = az.extract(idata_pm.posterior).sigma.data
# x軸の値
x_val = np.linspace(X_dm['temperature'].min(), X_dm['temperature'].max(), 1000)
# MCMCサンプルから曇り、雨、晴れの平均売上を算出 shape=(4000, 1000)
cloudy = (intercept + np.outer(x_val, temper)).T
rainy = (intercept + w_rainy + np.outer(x_val, temper)).T
sunny = (intercept + w_sunny + np.outer(x_val, temper)).T
# 平均売上データと描画色を天気別の辞書に格納
sales = {'cloudy': cloudy, 'rainy': rainy, 'sunny': sunny}
colors = {'cloudy': 'tomato', 'rainy': 'tab:green', 'sunny': 'tab:blue'}

## 描画
# 描画領域の設定
plt.figure(figsize=(8, 4))
# 観測値の散布図の描画
sns.scatterplot(data=sales_climate, x='temperature', y='sales',
                hue='weather', palette=colors)
# 天気ごとに平均売上の平均値と95%HDI区間の描画を繰り返し処理
for weather in sales.keys():
    # 平均売上の平均値の描画
    plt.plot(x_val, sales[weather].mean(axis=0), color=colors[weather])
    # 平均売上の95%HDI区間の塗りつぶし描画
    az.plot_hdi(x_val, sales[weather].reshape(4, 1000, -1), hdi_prob=0.95,
                color=colors[weather], fill_kwargs={'alpha': 0.2})
# 修飾
plt.title('事後分布サンプル:平均売上の95%HDI区間')
plt.xlabel('気温', fontsize=12)
plt.ylabel('売上金額', fontsize=12)
plt.xticks(range(10, 31, 2));

【実行結果】
晴れの平均売上は他の天気と比べて 25 ~ 25 万円くらい大きいですね!

(参考:Bambiモデルの 95%HDI区間)

🚀🚀🚀

今回の記事は以上です。
楽しかったですね!

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