「幸せを求めると幸せは遠のく」"幸福のパラドックス"
私のnoteは「幸福」を主題にしていることはプロフィールにも書いている通りですが、近視眼的に「幸せになる方法」を求めているわけではないことを再確認する意味で「幸福のパラドックス」について触れます。
「幸福のパラドックス」は近年の幸福論、幸福学の主要な議論のテーマとなっており、私も「幸福」の直接、短兵急な追求は逆効果と考えます。
幸福のパラドックス(Paradox of Happiness)
幸福のパラドックス(Paradox of Happiness)
とは、幸福を直接的に追求することが、
かえって幸福感を減少させたり、
不幸をもたらしたりするという
逆説的な現象を指します。
この考えは、幸福を目標として追い求めると、
過度な期待やプレッシャー、
自己評価の厳しさが生じ、
結果として失望や不安が増すというものです。
代わりに、
幸福は自己超越、意味ある目的、他者との関係、
または現在の瞬間に生きることなどの
間接的な行動を通じて自然に得られるとされます。
幸福のパラドックスの核心
😢直接追求の失敗
幸福をゴールとして設定し、
「幸せにならなければ」と強く意識すると、
現在の状況への不満や比較、
達成できなかった場合の失望が生じがちです。
例えば、
物質的成功や快楽を追い求めると、
一時的な満足は得られても、
持続的な幸福感は得られにくいものです。
😊間接的な幸福の獲得
幸福は、自己を超えた目的
(他者への奉仕、創造的活動、意味の探求)や、
感謝、社会的関係の構築を通じて副産物として現れます。
例えばボランティア活動は無報酬と言われますが
利他、貢献の実感という
無形の精神的に大きな報酬、幸福感が得られます。
幸福のパラドックスを論じた研究者
タル・ベン・シャハー(Tal Ben-Shahar)
ハーバード大学のポジティブ心理学の教授。
幸福を直接追い求めると
プレッシャーや失望が生じ、
幸福への過度な執着はストレスを生み、
「幸福」の直接追求によって、
かえって「幸福感」の低下を招く
という現象を明らかにしました。
それに対して、
日常の活動(瞑想、運動、関係の構築)
を通じて幸福が自然に生じるとします。
【SPIREモデル】
Spiritual
Physical
Intellectual
Relational
Emotional well-being
に基づくバランスの取れた生活
を通じて幸福が得られると説いています。
(注*1)※(注*)は最下部に記載。
その他、主要な人物を下記に記載します。
アイリス・マウス(Iris Mauss)
カリフォルニア大学バークレー校の心理学者。
幸福を強く重視する(valuing happiness)ことが、
幸福感を低下させるパラドックスを研究。
幸福への過度な期待が日常のポジティブな
経験を否定的に評価させると主張。(注*2)
ソニア・リュボミアスキー(Sonja Lyubomirsky)
カリフォルニア大学リバーサイド校の心理学者。
幸福は遺伝や環境に一部依存するが、
意図的な行動(感謝、親切、意味ある目標)
が幸福を高める。幸福を直接のゴールとすると
失望が生じると主張。(注*3)
アーサー・C・ブルックス(Arthur C. Brooks)
ハーバード大学の社会学者。
アメリカの幸福追求文化を批判し、
アメリカの競争文化や個人主義が幸福を阻害し、
関係やコミュニティへの貢献、
他者への貢献を通じて幸福が得られる。
後半生での幸福は、
自己を超えた目的やつながりから生じる。
幸福の直接追求は空虚さを招くと説く。(注*4)
最後まで記事をご覧いただき、
誠にありがとうございました。
今後も幸福に関連する記事を
毎週数回は投稿してまいりますので、
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いただけますとありがたいです。
イーハピネス株式会社 代表取締役 松島紀三男*プロフィール*
(注*1)参考文献『Happier: Learn the Secrets to Daily Joy and Lasting Fulfillment』(日本語訳:『幸福の習慣』、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2008年)
関連記述: 「幸福を直接見つめると目を痛める。虹を追い求めるのではなく、間接的に追求することで幸福が得られる。」(英語版、McGraw-Hill、2007年、p20;日本語訳、p30)
(注*2)論文「Can Seeking Happiness Make People Happy? Paradoxical Effects of Valuing Happiness」(Emotion, 2011年)
(注*3.)著作:『The How of Happiness』(日本語訳:『幸福になる技術』、講談社、2009年): 「幸福を直接追い求めるのではなく、意味のある活動や関係性に取り組むことで、幸福は自然に訪れる。」(英語版、Penguin、2007年、p.40;日本語訳、p.50)
『The Myths of Happiness』(日本語訳:『幸福の神話』、講談社、2014年): 「『幸せにならなければ』というプレッシャーは、幸福を遠ざける。」(英語版、Penguin、2013年、p.30;日本語訳、p.40)
(注*4)著作:『Gross National Happiness』(英語版、Basic Books、2008年): 「幸福を追い求めるアメリカ文化は、競争と物質主義で空虚になる。愛や奉仕に生きると、幸福は副産物として現れる。」(p100)
『From Strength to Strength』(日本語訳:『強さから強さへ』、ダイヤモンド社、2023年): 「成功や幸福を直接追い求める人生は空虚。意味ある関係性や目的に焦点を当てると、幸福が自然に生まれる。」(英語版、Portfolio、2022年、p.70;日本語訳、p.80)
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