「幸せ」を産み出す要因と「不幸」に陥るリスクは異なる-"幸福"の10大要因-4
「幸福」には様々な要因が関係しています。本記事はプロローグ【下記記事↓】に続く追加解説編です。10大要因は【促進要因】向上することで幸福度の推進力となることが期待できる要因と、【衛生要因】低下すると幸福度のリスク、ボトルネックとなる要因からなる、と書きましたが、【促進要因】と【衛生要因】について補足解説します。
なお、本記事のエビデンスは弊社が独自に調査した2万人超のデータの分析に基づいています。
幸福と不幸は異なる要因から生まれる
人が「幸せ」を感じるときと
「不幸」を感じるとき、
その原因は同じではありません。
「促進要因(Motivative Factor)」
「衛生要因(Hygiene Factor)」
という概念は
ハーズバーグの二要因理論に基づきますが
ハーズバーグ(心理学者、経営学者)は
二要因を幸福の要因ではなく、
動機付け要因の区分として述べていますが、
幸福理論にもあてはまると私は考えます。
幸福に当てはめれば、幸福を創り出すのは
「促進要因(Motivator)」であり、
不幸に陥るのは
「衛生要因(Hygiene)」の欠如によるものです。
幸福と不幸は表裏一体ではなく、
それぞれ独立した要因によって
引き起こされるのです(注1)。
私の統計解析により導き出した
10大要因を促進要因、衛生要因に区分すると
以下の通りです。
【促進要因】向上することで幸福度の推進力となる
● オートノミー
● 自己効力感
● 自己実現
● 利他の実感
【衛生要因】低下すると幸福度のリスク、ボトルネック
● ワークライフバランス
● 経済的基盤
● 健康管理
● 健康
● 家族との絆
● 社会的交流
幸福を創り出す「促進要因」とは何か
ハーズバーグの理論では、
「促進要因」は人の内面に働きかけ、
積極的な幸福感を生み出す要素です。
具体的には、
達成感、承認、仕事そのものへの興味、
責任の付与、昇進や成長の機会
などが挙げられます(注2)。
これらの要因は、
満たされることで幸福感を高め、
自己実現の欲求を刺激します。
マズローの欲求5段階説と照らし合わせても、
「促進要因」は上位の欲求に対応しており、
より深い幸福感をもたらします(注3)。
しかし、
「促進要因」が積極的幸福につながるからといって
こればかりに集中して
「衛生要因」の欠如への関心を怠ると
思わぬ深刻な「不幸」に見舞われます。
不幸に陥る「衛生要因」の正体
衛生要因は「不幸を防ぐ」要因であり、
満たされても幸福感を直接的に
高めるわけではありません。
代表的なものには、
給与、労働環境、対人関係、会社の方針、
福利厚生などがあります(注4)。
たとえば、
職場の空調が壊れていたり、
上司との関係が悪かったりすると、
それだけで仕事の意欲は大きく低下します。
しかし、
これらの問題が解消されたからといって、
より「幸せ」と感じるわけではありません。
衛生要因は、不満を減らし
「不幸を防ぐ」ための
最低限の条件であり、
これが欠如すると人は不幸を感じるのです。
幸福と不幸の因果関係をどう捉えるか
ハーズバーグの理論が示す最大のポイントは、
「幸福」と「不幸」は同じ軸上にあるのではなく、
別々の軸で動いているということです。
「不幸を取り除けば幸福になる」
というわけではないのです(注5)。
たとえば、
給与を上げることで一時的に
不満は解消されるかもしれませんが、
それだけでは長期的幸福感は得られません。
逆に、
自己成長の機会や
達成感が得られる環境であれば、
多少の不満があっても
人は幸福を感じることができます。
「促進要因」と「衛生要因」は、
それぞれ独立して
人の感情に影響を与えているのです。
現代における応用と実生活への示唆
この理論は職場だけでなく、
私たちの私生活にも応用できます。
たとえば、
家庭内の「衛生要因」としては、
経済的安定や住環境、
家族間の信頼関係が挙げられます。
これらが欠如すると
不満やストレスが生じますが、
満たされていても
それだけで幸せとは感じません。
一方で、
家族との共通の目標を持つことや、
感謝の言葉を交わすこと、
趣味を共有することなどは、
「促進要因」として
幸福感を高める要素になります。
日々の生活で「幸せ」を感じるためには、
「衛生要因」を整えたうえで、
「促進要因」を意識的に
育てていく必要があります。
まとめ
幸福は「促進要因」によって生まれ、不幸は「衛生要因」の欠如によって生まれる
幸福と不幸は同じ軸上にあるのではなく、独立した要因によって生じる
実生活でも、「衛生要因」の整備と「促進要因」の充実の両立が重要である
次回以降の記事でも、続いて
「幸福」の10の要因について解説します。
今後も幸福に関連する記事を
毎週数回は投稿してまいりますので、
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いただけますとありがたいです。
イーハピネス株式会社 代表取締役 松島紀三男*プロフィール*
注
(注1)Herzberg, F., Mausner, B., & Snyderman, B. B. (1959). The Motivation to Work. New York: John Wiley & Sons, p.113 (注2)HRBrain「ハーズバーグの二要因理論とは?」https://www.hrbrain.jp/media/human-resources-management/herzbergs-theory-of-motivation (注3)Crex Group「ハーズバーグの二要因理論とは?」https://crexgroup.com/ja/consulting/organization/herzberg-two-factor-theory/ (注4)THERABBY「ハーズバーグの二要因説」https://therabby.com/herzbergs-two-factor-theory/ (注5)楠木建「幸福について-その2 『二要因理論』の面白さ」Executive Foresight Online(日立)https://www.foresight.ext.hitachi.co.jp/_ct/17341854
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