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ベンサムの議会改革案が現代日本の政治を叱る*政治と「幸福」

政治と「幸福」の観点から、ジェレミー・ベンサム(1748-1832年)の議会改革案を紹介します。なぜベンサムの議会改革案を紹介するかと言うと、彼の改革案は18~19世紀の英国議会政治の改革案ですが、現代日本の議会政治に驚くほど当てはまり、その問題点を鋭くえぐり出し、抜本的な改革提案としてぴったりだと思うからです。


ベンサムは「最大多数の最大幸福」を具現化・実践した思想家

ベンサムは、ホッブズ、ロック、ヒュームと続く、
イギリス経験論の思想を発展させ
「功利主義」の原理に基づく幸福論の体系、
それを具現化する政治思想、法律や議会、
統治機構まで具体的に構想しました。

市民革命の理想を最も
幸福論として体現した思想家が
ベンサムであり、
かつそれを実現する政治改革の運動
までを組織し、

盟友、ジェームズ・ミル(1773-1836年)
とともに、主導的役割を果たしました。

ベンサムの幸福論は、彼がスローガンとした
「最大多数の最大幸福」に
最もよく表現されています。

「最大多数の最大幸福」という言葉は、
ベンサムの独創ではありませんが、
この言葉をスローガンとして、

望ましい政治、経済のあり方を具体的に考案し、
その実現のために生涯をかけて行動した人です。

ベンサムは
「最大多数の最大幸福」を具現化するために、
今日の民主政治の基礎と言える、

間接民主制による議会制民主主義の制度構想から
政治改革の運動までリードしました。

ベンサムが提唱した「急進的議会改革案」

ベンサムが提唱した
「急進的議会改革案」(注*)は、

今日でも輝きを失っておらず
今の日本にぴったり当てはまると思います。
骨子は下記の通り↓

①普通選挙の実現※今の日本でも解決住み
選挙権を拡大し、財産や納税額による
選挙権の制限を撤廃すること。

②秘密投票制※今の日本でも解決住み
無記名による秘密投票の実現。
※当時のイギリスでは口頭による公開投票で、
有権者の秘密は守られていませんでした。

③平等選挙区制
理不尽な選挙区割りによる定数不均衡を是正し、
一票の効果と価値を平等にすること。
※ベンサムは
一票の格差は二倍を超えてはならないとしました。

④議会および行政組織の議事録作成と情報公開
議会と行政組織は必ず議事録を作成し、
行政組織はあらゆる情報を自ら積極的に公開。
※行政情報は公開されず秘密主義でした。
ベンサムは公文書の記録・公開を
非常に重視していました。

⑤議員の議会出席の義務化、時間厳守、絶対化
議員の議会出席を義務付け、
報酬は日当制とし、出席簿を選挙民に公開。

⑥買収、供応の禁止
※公然と議席の売買が行われ、
有権者の送迎なども行われていました。

⑦議員の世襲禁止※日本は特に悪化している
※議席が世襲財産化していました。
→今の日本は逆に世襲がますます増えている。
日本で改革すべきこと↓
※同一選挙区からの世襲立候補禁止
※政治資金の無税相続禁止

⑧世論法廷の形成と重視
世論法廷は、議会の傍聴者、
行政府と関係ある市民、
政治問題に関する大衆集会、

あらゆる公職者の発言や発表された文書について、
行動ないし発言を行おうとする
すべての市民によって形成。

※世論法廷形成の条件は情報公開の徹底と
マスメディアの機能にあり、
ベンサムは新聞社の役割を
非常に重視していました。

18世紀英国政治の問題は今の日本の問題

彼はこのような制度を、
市民の代表としての間接民主制による民意の実現、
政治腐敗防止、すなわち「最大多数の最大幸福」
実現に不可欠と考えました。

逆に言うと、
当時のイギリスでは議会があったとはいえ、
このような議会と行政が全く実現されていない
ものだったということです。

貴族や大地主の世襲によって政治が私物化され、
少数の支配者たちによって富、幸福が
独占されている状況であったイギリスを、
なんとか平等な社会にすることが
ベンサムの理想であったのです。

ベンサムは植民地や奴隷制にも反対し、
その解放を訴えています。

ベンサムが改革の対象としたのは、
19世紀のイギリスの政治でしたが、
21世紀の日本は、
ベンサムの理想をどれほど
実現できているでしょうか。

日本の政治状況を見ると、
ベンサムの議会制度、行政組織構想
の先進性に驚かされます。
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最後まで記事をご覧いただき、
誠にありがとうございました。

今後も幸福に関連する記事と併せて、
ときどき政治と「幸福」について
投稿してまいりますので、
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イーハピネス株式会社 代表取締役 松島紀三男プロフィール

(注*)参考文献
『ベンサムの幸福論』西尾孝司,株式会社晃洋書房,2005,「第4節ベンサムの議会改革論」,pp155-179.

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