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その問題、あなたは“外側”に立っていませんか?──組織や人間関係の問題を本質的に捉える視点

はじめに:よくある勘違い

問題が起きているとき、私たちは無意識に「自分はその問題の外にいる」と錯覚してしまうことがあります。

たとえば職場でこんな言葉を聞いたことはないでしょうか?

  • 「うちの会社はダメなんだよ」

  • 「あの人のせいで空気が悪くなってる」

  • 「うちの経営陣ってほんとに…」

どれも、主語が「3人称」になっています。でも、ちょっと待って。

あなたはその組織に属している人ではないでしょうか?
他人事のように語っていても、あなたもその“船”に乗っているのです。


自分を“問題の外”に置くことの危うさ

例えるなら、沈みかけた船に自分が乗っているにも関わらず、安全な別の船に乗ったつもりで「あの船、もうダメだね」と言っているようなもの。

それって、完全に錯覚です。

問題が起きている「その中」に自分もいるのだとしたら、
まず考えるべきは――

「自分には何ができるか?」「どうしたら状況に影響を与えられるか?」
そして
「そもそも自分はこの状況とどのような因果関係があるのだろう?」

という視点です。

沈みかけた船なら、まずは水を掻き出すなり、やる事はありますよね。

状況との因果関係と言われても、「その問題を作ったのは自分ではない」と感じるかもしれません。

けれども、あなたもその状況の一部であると捉えたとき、こう見えてきます。

あなたの振る舞いや関わり方が、今の状態に少なからず影響を与えている
だからこそ、あなたが変化すれば、状況も変化する可能性があるのです。


組織でも、人間関係でも、構造を見る

これは組織の課題だけではありません。
家庭や恋愛、友人関係でも同じ構造が起きています。

  • 「息子が言うことを聞かない」

  • 「上司が理不尽」

  • 「パートナーが冷たい」

こうした言葉の裏には、「私はその関係性とは無関係です」という立場の錯覚があります。
でも本当は、あなたはその“関係性”の一部であり、すでに影響を与える要素なのです。

だからこそ、「自分がどう変わるか」で、関係性に影響を与えることができます。


対立の構造を見抜く視点

以前、ある組織の上層部にいる方から相談を受けました。
「自分に対して敵対心を持っている人たちが、組織の空気を悪くしている。自分は絶対に屈しない」というものでした。

でも、そこで考えてほしいのです。

「なぜ彼らはそのような言動をとっているのか?」
「その態度の裏で、何を得ようとしているのか?」

対立の“構造”を見ずに、ただ「敵 vs 自分」というジャッジでとらえると、ますます関係はこじれていきます。

どちらが正しいかどうかではなく、何が起きているのか?
そこに冷静な視点を持つことが重要です。


最後に:自分を責めろという話ではない

誤解してほしくないのは、
「全部あなたのせいです」「あなたが悪いから変わりなさい」
と言いたいわけではありません。

自分のせいにするのでもなく、相手のせいにするのでもなく、
構造を見て、そこに影響を与える一因としての自分を捉えること。

それが、問題の本質に働きかける唯一の道なのです。

じゃあどうやって船に乗せていくのか?
それはまた改めてまとめていこうと思います。


【背景】なぜこの記事を書こうと思ったのか

この記事を書こうと思ったきっかけは、ある中小企業で起きていた「チーム内の対立構造」に関するご相談でした。

従業員60名ほどの企業で、あるマネージャーが「自分に対して敵対的な動きをしているメンバーが複数人おり、チームの空気が悪化している」と話してくれました。

「自分はこの役割を全うしたい。途中で放り出すつもりはない」
「彼らに会社を辞めてほしい」
「それが無理なら他部署への異動も視野に入れている」

といった言葉から、強い意志と責任感を感じました。

でも、話を丁寧に聞いていくうちに、私はふと思ったのです。

これだけ明確な“反発”が起きているということは、そこには単なる感情のぶつかりではなく、何か構造的な要因があるのではないか?

そして、それは「誰が悪いか」を決める話ではありません。
むしろ、関係性や組織の中の力学、そして本人も含めた“構造そのもの”に目を向ける必要があるのではないかと思ったのです。

誰かを責めるのでも、自分を責めるのでもなく、
冷静に「何が起きているのか」を見つめ直す視点。

それこそが、本質的な変化の出発点になる。

そして同時に、自分もその状況に影響を与えている一人であるとしたら、
「自分のあり方を変えること」もまた、大きな一手になるのではないか――

そんな想いを込めて、この記事を書きました。


私は、組織開発の仕事を通して、多くの現場でこうした“構造的な視点”を重視しています。
誰かを責めるのではなく、問題の力学そのものに目を向ける。
それが、私のコンサルティングの核にある考え方です。

著者プロフィール:
Effica株式会社 代表取締役
全米NLP協会認定トレーナー
柳下早紀

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