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クチナシ この奇妙な実のカタチについて解読する


梔子 (クチナシ)


リンドウ目、アカネ科、クシナシ属の常緑低木


樹高が低くコンパクトに収まる為、管理しやすく
パブリックスペースや、自社仏閣の境内等によく
植栽されている。


開花時期は6〜7月で、甘く強い香りを発する。
香料成分は、ベンジルアセテート、リナロール、
インドール、などジャスミン系の強くはっきりと
した甘い香りがポリネーター(受粉媒介者)となる
雀蛾(スズメガ)を集めるもの。


クチナシは、八重咲のものも多く見られる訳だが
これらの花は、雄蕊が花弁化したものとなる為に
生殖能力を持っていない。実を付ける一重咲の花
だけが10〜11月の時期に美しく実を付ける。


この実は、生薬『山梔子』(サンシシ)の生薬名で
呼ばれており、そこに含まれる成分のゲニポシド
(イリドイド配糖体)の薬効は、清熱解毒、利尿、
止血、鎮静などとなっている。


写真はクチナシの実であるが、このディテールが
変な生き物みたいなカタチをしており、何となく
苦手だと云う女性もおられる。


6本の触手が伸びた様なカタチと、橙色と緑色の
独特な模様もが気持ち悪さを更に引き立たせてる
様に感じるのだろう。この独特なカタチが示した
ものを解読していきたいと思う。


先ず6本の突起だが、これはクチナシの花の萼片
の名残である。花弁は全てが脱落してしまった後
萼片だけがそのまま硬化してカタチを残したもの。
その下に膨らんだ部分は結実した子房部分となり
緑色と橙色が鮮やかに出るのは花の心皮の境界線
が現れたものとなる。


この奇妙なカタチをした実には、分厚い外皮より
覆われているもので固い構造である。クチナシの
名はこの実には種が出るための口の部分がない事
に由来するものである。冬の乾燥状態の中で時間
を掛けて硬化をし続けては、春先になりこの実に
亀裂が入る。この時が食べ頃であるとのクチナシ
のサインで、ヒヨドリ、ツグミ、メジロと鳥類
により粘性のある果肉ごと種も食べられる仕組と
なっている。


これら鳥が排泄する糞により種は広範囲に落ちて
芽を出す仕組みとなる。他の植物類の実と同様に
拡散範囲の狭い哺乳類にはこの実を食べさせたく
ないクチナシの妙なカタチの実はとても固いため
シカも余程の食料がない状況下を除き基本はこの
実に見向きもしない。それ程クチナシの実は固く
哺乳類動物には食べにくい実である。


クチナシの名の由来は、下に添付した別の記事を
参照頂ければ分かる様に解説してある。




和名 梔子 (クチナシ)
   口無 (クチナシ)
洋名 ケープ ジャスミン  (CAPE JASMINE)
   ガーデニア  (GARDENIA)
学名 ガーデニア ジャスミノイデス
   (GARDENIA JASMINOIDES)
品種 一重咲梔子 (ヒトエザキクチナシ)
分類 リンドウ目、アカネ科、クシナシ属
種類 常緑低木
樹高 1〜3m
花期 6〜7月
花径 5〜8cm
花弁 6枚(5〜7枚)
萼片 6枚(5〜7枚)
雄蕊 6本
実期 10〜11月
生薬 山梔子 (サンシシ)
成分 ゲニポシド(イリドイド配糖体)
薬効 清熱解毒、利尿、止血、鎮静
原産 日本、中国、台湾
言葉 純粋
   甘い恋
   愛らしい
撮影 武田薬品工業 京都薬用植物園

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